推理将棋第50回解答(2)
[2011年11月28日最終更新]
推理将棋第50回出題の50-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第50回出題 推理将棋第50回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
50-2 中級 チャンプさん作 直進流 15手
少年A「将棋には真っ直ぐ進める駒が多いよねー。」
少年B「そりゃまぁ角と桂以外の駒は進めるからね・・・って今更何を言い出すんだい?」少年A「いやね、昨日▲7八銀△5四歩から始まった将棋を見かけたんだけど。」
少年B「変な出だしだね・・・。それがどうかしたの?」少年A「実はその後もお互いが駒を成らずに直進する手だけを指し続けて15手で詰んだんだよ。」
少年B「それは何とも皮肉な将棋だね。」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 15手で詰んだ
- 初手から▲7八銀△5四歩以下お互いに駒を成らずに直進する手だけを指した
出題のことば(担当 DD++)
もちろん玉の尻や隣筋もちゃんと逃げ道を封じてください。
追加ヒント:
後手は5筋しか着手しません。玉尻の塞ぎ方は2つに1つ。
推理将棋50-2 解答 担当 DD++
▲7八銀 ▽5四歩 ▲5六歩 ▽5二玉
▲5五歩 ▽5三玉 ▲5四歩 ▽同 玉
▲2六歩 ▽5五玉 ▲2五歩 ▽5六玉
▲2六飛 ▽5七玉 ▲4八金 まで15手。
15手とはいえ、駒が直進しかできないとなればかなり詰める手段は限られます。特に、実際に動かしてみると処理に困るのが後手玉の尻。
玉の後ろに駒はないので、先手が何かを利かせてやるしかないのですが、4筋6筋を金が進んでいっても王手がかかってしまって玉とすれ違えません。つまり大駒で遠くから塞いでやるしかないのです。
手数がかからないのは、76歩と突いて56玉の尻を角筋で塞ぐ方法ですが、65を塞ぐのに▲66歩がおけず、△65歩とするには後手が1手足りないのでダメ。2筋の歩を突いておいて飛が前へ出る(何マス進んでも直進は直進!)形の方が正解です。
55玉より下では2筋歩に手がかかりすぎて明らかに詰みません。56玉を詰ますには25飛、47歩とそのヒモ、67金とそのヒモ、あたりでしょうが、後手5筋歩を払う手まであわせると完全に手数オーバー。後手玉に全速力で57まで出てきてもらうことで、26飛、48金、59玉、78銀の形でギリギリ間に合います。
よってこれが条件を満たす唯一の手順……のはずだったのですが。渡辺さんから余詰指摘。玉尻がうまく塞げないなら最初から玉が前進しなければいいという発想で「78銀、54歩、66歩、24歩、65歩、25歩、64歩、26歩、63歩成、27歩成、同飛、62金、22飛成、72銀、62と」。大変申し訳ございませんでした。
それではみなさんの短評をどうぞ。
チャンプ(作者) 「これは拙作にしては珍しく言葉のトリックを利用した作。『直進』ということは一歩前だけではありません(笑)」
■私はモロに引っかかったのですが、残念ながらそのような短評はなし。みなさん意外とハマらないものなのでしょうか。
NAO 「玉の後をどう押さえるかが鍵。きれいでまっすぐな手順でした。」
■後手の残る手が全て玉の前進というのが美しい。
鈴川優希 「玉が5筋の中段~7段目あたりで詰むことは確実なので、玉の退路を塞ぐためには13手目は王手の必要がある……と考えて解けました。」
■それでもこの飛にはなかなか気づきにくいのですがお見事。
中村雅哉 「88角を76歩で使おうとすると泥沼。『直進』が頭に刷り込まれると飛を横に使う発想は浮びにくい。好作。」
■加えて歩や玉が1つずつ前へ出るので、飛もつい1つずつ前進したくなったりしません?
はなさかしろう 「後手玉の突進、先手飛車での足払いは第一感。一直線に解けるのも直進流の奥義?」
■のはずだったんですが、うっかり直進しすぎて脇道を見落としました。不覚。
斧間徳子 「初手の78銀が、詰めて初めてその意味に気がつく、味わい深い1手。」
■逆に78銀が意味を成すには67歩のヒモ以外ないので、そこから解くという方法も。
鈴木康夫 「第一感が七段目の玉の退路を六段目の飛車で塞ぐ形でしたので、秒殺でした。」
■4筋6筋を塞ぐにはこの形が明らかに一番楽ですからね。
リーグ戦ファン 「駒が脳内で勝手に動いて詰みました!私にとって推理将棋では最高の褒め言葉です。」
■なんとなくわかりますその感覚。うれしくなりますよね。
諏訪冬葉 「5筋の玉に王手をかけられる駒がほとんどないことと、玉の後ろ側を押さえる必要性から入玉は予想できました。詰んで分かる初手の意味。」
■逆に78銀を隠されると意外と気づきにくかったりして?
KG 「はじめ先手7七銀~7六銀の空き王手を考えていました。まさか入玉を狙ってくるとは!」
■おっと、その発想はありませんでした。検討漏れにドキッとする瞬間。
渡辺 「なるほど、これは面白い。『成る手なし』で限定かと思います。」
■チャンプさんも同様の修正を示されました。mixiとかなら作意変更して2手目を52玉にするのがきれいな修正だったんでしょうけどね。
S.Kimura 「5四歩とした以上,後手玉が出てくるしかないと考え,何とか答えが見つかりました.」
■示された2手とも、後手玉が出て行かないと何も意味のない手ですからね。
通りすがり 「玉様のお尻は飛車で抑えるしかなく、上方や横への逃げ道の封鎖のために、勇気ある玉様には自陣に来ていただきました。猪突猛進の大将には部下もついて来れませんね。」
■もうちょっと手数が長いと角で抑える手もあるんですけどね。王様にでてきてもらわないといけないのは同じですが。
ron 「指し手を限定しやすいので考えやすかったです。今月はこれが一番早く解けました。」
■実はこれが一番解きやすいんですが、さすがに初級15手中級8手にする勇気はありませんでした。
井上順一 「こちらから攻めて行くのは無理そうなので後手玉に出てきてもらう。」
■やっぱりそう思いますよね。まさかまともに敵陣に攻め込む余詰めがあっただなんて。
はらたっと 「56玉の位置で詰ませられず敵陣まで入っていただきました。」
■56玉を詰ますには45と65の塞ぎ方がネックです。しかも最後の王手がかけにくい。
隅の老人B 「王のお尻を飛車で塞ぐとは! 上級よりこちらの方が難しい、人それぞれですか。」
■人それぞれではあるんですが、これが上級より難しいと感じるのは珍しいかも。
たくぼん 「素晴らしいタイミングで限定されている。感動さえ覚える」
■78銀を初手に指してしまうとその後が全てギリギリ。
変寝夢 「締め切り前ヒントのおかげといえども、何とか解けてよかった。飛車の活用に気がついて本当によかった。」
■玉尻を角でなんとかしようとハマっている方を救済するためのヒントでした。
宮谷保可楽 「玉尻を塞ぐのに、歩を打ったりしていた(前進する手しか指してない、と言ってるのに…)が、飛を前進させればよいことに気がついて、ようやくゴールイン。玉が57まで突進してくるあたりは面白い。」
■安心してください。担当もうっかり歩を打つことを考えましたから。
はてるま 「一見遠そうな飛車の活用に思いつくかどうかが鍵。面白い条件付けですね。」
■条件からすると4~6筋ばかり動かしそうな印象ですものね。
正解:22名 双方解:渡辺さん
井上順一さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん KGさん 鈴川優希さん
鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん たくぼんさん
チャンプさん 通りすがりさん NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん
はなさかしろうさん はらたっとさん 平尾一土さん 変寝夢さん
宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん ronさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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