推理将棋第51回解答(2)
[2012年1月27日最終更新]
推理将棋第51回出題 「平成24年(龍年)の新春推理将棋」 の51-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第51回出題 推理将棋第51回解答(1) (2) (3) (4)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
51-2 中級 DD++作 24年の龍の年 11手
「今年の指し初めは縁起がよかったよ」
「どんな将棋だったんだい」
「24年の龍年の1月1日に指した将棋が、24龍まで11手の詰みで勝ったんだよ」
「へえ、それはおめでたい話だ」
「相手もゲンを担いだのか最初に24に着手してたよ」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 24龍まで11手で詰んだ
- 後手は最初に24に着手した
出題のことば(担当 DD++)
この先手龍の作り方はちょっと珍しいかも。
追加ヒント:
24龍の利きの中で最も狭い場所に後手玉を移動させましょう。
先手は5手目、後手は4手目からそれぞれ1枚の駒しか動かしません。
推理将棋51-2 解答 担当 DD++
▲2六歩 ▽2四歩 ▲2五歩 ▽4二玉
▲2六飛 ▽3二玉 ▲3六飛 ▽2三玉
▲3三飛成 ▽1四玉 ▲2四龍 まで11手。
こういう最終手がはっきりしている問題は最終玉位置を絞るのが定石。24龍までとなるとその選択肢は多いようですが、少し考えると一気に狭まります。
まず後手は24歩を除くと4手しかないので、五段目より上に後手玉が上がることはありえません。13と22もそこにある駒をどかす手があると玉移動が間に合わないのでダメ。四段目の横利きも、44以遠は最後に歩突きで合駒ができるのでこれもなし。残りは23、33、14、34の4箇所。いずれも玉移動に3手以上かかり、24と接する位置です。
ここまで絞って今度は先手を考えてみましょう。飛車を取って成るには、後手に74歩を指してもらって「76歩~55角~82角~飛打~飛成~24龍」しかありません(後手42飛は玉移動の邪魔になるので指せない)。しかしこれだと龍に紐がつかないので最後に24同玉と応じられて詰みません。つまり成るのは自飛車。
敵角のアシストが使えない場合、一番速い自飛車成は2筋の歩をぶつけて25同飛から7手目23飛成ですが、8手目32玉が指せなくなるのでダメ。となれば5手かけて成るしかなく、先手は「26歩~25歩~26飛~N6飛~N3飛成~24龍」が確定します。Nはもちろん1か3。そうなると10手目23玉とは指せないのでまずこれは消えます。そして9手目13飛成に10手目33玉や34玉は4筋方面への逃げ道が塞げないのでやはりダメ。残りは9手目33飛成に10手目14玉の形だけで、これが正解となります。
唯一14玉だけが逃げ道塞ぎの必要性がない場所だということにスッと気づけた方はここまで考える必要なく瞬殺だったことでしょう。
それではみなさんの短評をどうぞ。
斧間徳子 「先手の飛車は見たことのない動きで新鮮。条件も巧み。」
■飛成だけに5手かけるということは詰めるのに11手以上かかりますから、これを使う作図はなかなか大変。
NAO 「きれいな年賀詰。24龍迄11手詰を出されてしまいました。年賀詰のネタを探さないとね。」
■24龍まで11手の時点でこの手順しかありませんから今年は特別バッティングしやすい年だったと思います。
ron 「ゲンを担いだわりに全く勝とうとする気の無い後手。」
■確かに。
チャンプ 「飛車を奪うことばかり考えて苦戦。そういえば先手にも飛車があった(笑)」
■最終龍位置が微妙なので、後手が飛取りをアシストしていると肝心の玉がいい位置に行けません。
中村雅哉 「簡素で考えやすく、条件も今年の年賀作にピッタリ。」
■強いて言うなら、24龍まで11手がこの手順しかないことが残念。いろいろな人の24龍までが並べばもっとよかったんでしょうけど。
諏訪冬葉 「33に9手で成れるんですね」
■「9手目までに33に飛が成った」で大きく4通りの手順がありますね。さて、それぞれどんな手順でしょう。
たくぼん 「見事にすり抜ける飛(龍)と玉。プルーフゲームみたいだ。」
■言われてみればけっこうギリギリのタイミング。
宮谷保可楽 「2手目は24歩しかなく、最後も24龍までなのだから、詰ますとすればこんな感じだろうな、と思ったらその通りだった。3筋から飛車を侵入させるあたりは面白い。」
■鋭い読み、お見事。
飯尾晃 「25歩を残しておかないといけないんですね。」
■道を開けるためについた歩がもう一度活躍する瞬間。
変寝夢 「玉の詰む位置の見当をつけたらすぐだった。緩急自在の先手の寄せでしたね」
■果たしてこれは緩急自在と言っていいのでしょうか(笑)
渡辺 「最初は玉を3筋にやってました。1筋と気づいて解決。」
■3筋の方が近いですが、後手に1手だけ余っても使い道がありません。
鈴川優希 「これは年賀詰にピッタリ。1四で詰むというのが意外でした。」
■おっと意外ですか? たしかに見落としそうな場所ではありますが。
みや 「一回飛車が3筋にまわるんですね。珍しい形でした。」
■普通はこうなったら24歩も突いちゃうでしょうからなかなか登場しない動き。
はらたっと 「後手の24歩の意味が、手順前後、玉の通り道確保、最後取らせるため、と大活躍でした。」
■なるほど、突いたからにはここを玉が通るに違いないという裏読みが効かないんですねこれ。
テイエムガンバ 「龍の利きが強い、というイメージがあるだけに1四まで玉が動くとは、と思いました。」
■いくら龍が強くても、こんな中段で短手数で詰ませるには端へ追いやるしかないのです。
S.Kimura 「先手の龍の作り方は,ハム裸玉(ハム将棋でハムが裸玉)でよくやるので,お馴染みでした.」
■裸玉の下手だとたしかにこの作り方は有効ですね。
占魚亭 「後手番角頭歩ですか(笑)。」
■推理将棋においては角頭歩はわりと頻出ですね。
鈴木康夫 「飛車が歩の後ろを回るのは手数が足らないと思い、見えませんでした。」
■急がば回れ、なんて言葉がぴったり。
はなさかしろう 「なるほど11手でぴったり。手順も面白くて素晴らしい年賀推理将棋でした。」
■来年は25何かまで11手、はたしてどんな手順があるのやら。なまじ9手からあるので逆にやりづらいかも。
はてるま 「この条件でしっかりまとまっているところが凄い。ある意味奇跡的。よくぞ発見されました。新年早々おめでたいことですね。」
■実は1年以上前から温めてありました(笑)。他の方から同じ問題の投稿があったら変えるつもりでいたんですが、幸か不幸かそのようなことはなく。
正解:21名
飯尾晃さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 館長さん 鈴川優希さん
鈴木康夫さん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん チャンプさん
テイエムガンバさん NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん
はなさかしろうさん はらたっとさん 変寝夢さん みやさん
宮谷保可楽さん ronさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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