推理将棋第52回解答(1)
[2012年2月27日最終更新]
推理将棋第52回出題の52-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第52回出題 推理将棋第52回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第52回解説 担当 DD++
今回はご挨拶代わりに告知を。解答の常連であるたくぼんさんが発行している Web Fairy Paradise 紙において Fairy TopⅨ 2011 の投票が開始されました。2011年にウェブ上で公開されたフェアリー詰将棋などのお気に入り投票で、推理将棋部門では当然おもちゃ箱出題作も対象になります。第41~51回出題で面白いと思った作品がある方はぜひ投票をお願いします。詳細は同紙44号の32ページをご覧下さい。
52-1 初級 チャンプさん作 オウム返し 10手
将ちゃん「ねぇピーちゃん、将棋やってみようよ。」
ピーちゃん「シヨウ、シヨウ。」将ちゃん「僕が先手だ、お願いします。」
ピーちゃん「オネガイシマス。」将ちゃん「あれ?ピーちゃんは僕の指した筋の手をマネしてくるの?」
ピーちゃん「マネ、タノシイ。マネ、タノシイ。」将ちゃん「ありゃ~たった10手で詰まされちゃったー。」
ピーちゃん「カッタ、カッタ。ワーイ、ワーイ。」将ちゃん「僕が角・飛・玉だけを動かしてたのが敗因かな?」
ピーちゃん「ソウダネ、ソウダネ。」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 10手で詰んだ
- 先手は角・飛・玉だけを動かした
- 後手は直前に先手が着手した筋をマネて(同じ筋へ)着手し続けた
※先手は必ず3種とも着手してください。
出題のことば(担当 DD++)
先手は角をどうやって動かすのでしょう。
追加ヒント:
飛車を奪って57飛成まで。角は不成で使うのがポイント。
推理将棋52-1 解答
▲3八飛 ▽3四歩 ▲7八飛 ▽7七角不成
▲6八飛 ▽同角不成 ▲5八玉 ▽5六飛
▲5五角 ▽5七飛成 まで10手。
先手が歩を突かないのに角を動かすということは、後手角に77歩をかじってもらうしかありません。ということは後手は34歩から77角が必然です。そしてこれで実は初手と3手目も確定するのです。2手目と着手筋を揃えるには初手は3筋でなければならず、つまり38飛しかありません。3手目も4手目と揃えるには7筋でなければならないので78飛。詰みに向かうには無駄な手なのですが、オウム返し特有のやり方なのでこの問題で慣れていただきたいところ。
ここからどう詰めるかですが、角1枚ではどうにもならないので金か飛あたりを奪うことになります。69金を奪っても47に歩が居座っているので打てませんから金を奪うなら49金を奪って67に打つ形。「何か、34歩、何か、77角成、何か、67馬、何か、49馬、68玉、67金」で一見成立しそうに見えますが、筋合わせの手が全て飛になってしまうので最後まで先手の角の手が出てこず条件違反。
ならば飛を奪う形で、先手金が居座るなら「何か、34歩、何か、77角不成、68飛、同角不成、58玉、5筋飛打ち、何か、57飛成」が常套手段。初手と3手目は前述の通り飛で筋合わせをするとして、面白いのは8手目と9手目。9手目は5筋の手で角の手でなければいけないので55角。そうすると8手目の飛打ちは角に邪魔されないように56限定になります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
チャンプ(作者) 「当初は軽い練習問題のつもりで出したのがこの作品でしたが、改めて見直してみると成・不成の限定、飛車の限定打~大海原に飛び出す角の味、何故か偶然良い仕上がりになってますね(苦笑)」
■一番簡単な作にここまでいろいろと盛り込めたというのは大成功と言っていいでしょうね。
はなさかしろう 「なるほど、オウム返しの手順はこういう感じなのか、と。先手方の制約が厳しいのでほど良いウォーミングアップでした。」
■普通の作品だと非限定が多くてこの手順の条件付けはかなり大変になんですけど。
NAO 「55角がとぼけた味があります。角を動かすにはどうしようかと考えたら解けました。あっ、ヒントにもそう書いてありますね。」
■あっ、コメントがヒントになっちゃってた(笑)
たくぼん 「一番時間が掛かったのがこれです。67馬~49馬を考えてました。」
■それだと先手角が動かせないことになかなか見切りをつけられなかったのですね。
KG 「飛を打つ場所が6段目に限定されているのがいいですね。」
■おいしいですよね、この自然限定。
斧間徳子 「前半は先手の飛車が後手の角を操っているようで面白い。収束も56飛、55角の連続限定手で引き締まっており、好作。」
■無駄手が3手もあるのに引き締まっている不思議。
渡辺 「論理よりは手なりで解ける問題。56飛打が自然に限定されているのが良いですね。」
■無駄手を省いてみると実はよく見る手順ですから、4手目を不成にできればあとは手なりで一気。
中村雅哉 「歩が突けないので後手の攻め方も限られる。」
■どんなに考えてもせいぜい2通り。
諏訪冬葉 「角を動かすために77歩を取らせる必要があるのでかんたんでした。▲55角を避けた△56飛がうまい。」
■普通この56飛を限定するのに1条件必要になってバレバレになるんですけどねえ。
鈴川優希 「成・不成と、飛の打ち場所が自動で限定されているところがいいですね。」
■これが条件追加なく決まるんですからすごいです。
はらたっと 「55角がのこっていた。」
■動かしやすい飛を渡すとまともに動かせる駒は角だけ。
はてるま 「飛打ちの位置が限定されるのが面白い感触ですね。」
■まったくです。
占魚亭 「飛車の動きでアシスト。」
■今回は先手飛車が動く問題は1題でしたが、オウム返しだとよく使われる手段です。
鈴木康夫 「これは簡単でした。今回唯一ヒント無しで解けました。8手目9手目の限定のされ方がユーモラス。」
■この趣向、こういう面白い限定が入りやすいんですよ。
ron 「オウム返しだと手が色々ありそうなものですが、これで限定できるとは。」
■見た目よりもはるかに手が狭いのです、この条件。
S.Kimura 「これで,オウム返しに慣れることができました.56飛が限定になっているのが面白いですね.」
■55角が他にないことにも注目。
正解:18名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん KGさん 鈴川優希さん 鈴木康夫さん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん チャンプさん テイエムガンバさん
NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん はなさかしろうさん はらたっとさん
宮谷保可楽さん ronさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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