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推理将棋第53回解答(1)

[2012年3月27日最終更新]
推理将棋第53回出題の53-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第53回出題  推理将棋第53回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第53回解説  担当 DD++

今回は本当に申し訳ございませんでした。例題含めて4題中3題が不完全。しかも、例題と初級は私なら簡単に気づけなければいけないレベルの見逃しでした。少し採用にあたっての検討のあり方を見直す必要がありそうです……。


53-1 初級 山葵茶漬けさん作   58~58          8手

「さっきの8手で詰んだ将棋、初手も最終手も58の着手だったね」
「4手目は6筋の着手だったね」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 8手で詰んだ
  • 初手も最終手も58の着手
  • 4手目は6筋の着手

出題のことば(担当 DD++)
  それぞれ58に着手した駒はなんでしょう?

追加ヒント:
  先手金が58にいても後手がうまく取れないので、さらに57金と進めて取らせましょう。


推理将棋53-1 解答 Suiri531

5八金左  ▽3四歩    ▲5六歩    ▽六角
▲5七金    ▽同角成    ▲3八金    ▽5八金    まで8手

玉を詰めるには2枚の駒が必要です。この手数なら2枚目は先手から奪うことになるわけですが、さてどこでどの駒を、という問題。58からトドメを指すとなれば左右の金をどける必要があるので、ならばその金を片方渡してしまって頭金までというのは自然な発想でしょう。

ところが初手で58に金を上がっても後手が余計な王手をかけずにこれを取るのは困難。そこで先手は58からさらにこの金を動かすことになります。そして後手は金を取りながら58へと利きを作りたいので57金に同角成という応酬をすることになるわけです。

どちらの金を渡すのかが問題ですが、最後に飛の利きを遮る手を指す必要があるので、左金を渡して7手目に右金を38へ上がる形で頭金の詰み。

だったのですが、余詰の見落としがありました。「58金左、34歩、68金、77角成、48玉、68馬、38金、58金」など。はなさかしろうさん、平井康雄さん、渡辺さんからの指摘でした。52の手で詰む7手詰めの先後を入れ替えて初手に58の無駄手を挿入して手順成立。より短手数の解に無駄手を加えて無理矢理条件を満たす余詰はありがちなので、作家の方々は注意したいところですね。

それではみなさんの短評をどうぞ。

平井康雄 「追加条件だと、4手目は66角以外は考えられないので、簡単になりすぎるんじゃないでしょうか?(初級はそれで良いのかもしれませんが・・・・)『6筋の着手が1回だけあった』では駄目だったのでしょうか?」

■それでももちろんOKなのですが、初級問題職人さんはなるべく解きやすい方向へ持っていったようです。

渡辺(余詰解) 「(余詰手順羅列)など非限定多数あり、余詰と思います。6筋の着手は一度だったの間違い?」

■単純に余詰見落としでした。申し訳ありません。

はなさかしろう 「8手なのでまず角で行くところですが、上からの攻めを迎えに行くのは盲点でした。解けてみればなるほど、角は歩より一手早いんですね。」

■実ははなさかしろうさん作の中級と同系統だったり。

斧間徳子 「条件次第でまだまだ8手の新作がありうるんですね。しかし、全手順が解析されている8手詰で余詰とは・・・」

■8手詰はなまじ全部わかっているだけに、推理将棋の館のリスト(7手+無駄手の順は掲載されていない)を確認した所で安心してしまうんですよね。失敗しました。

NAO 「無事作意の方が先に浮かびました。余詰順は手順前後がいっぱい。」

■しかも成生非限定があり、初手は金でも玉でも可。かなり対応の幅の広い手順ですね。

鈴川優希 「初手、左右の違いが大違い。もちろん最初は『右』と指して、ちょっと待った!」

■指し将棋と異なり、推理将棋では左が多いですね。右なのははてるま手筋の時くらい?

KG 「どちらの金でも同じと思いきや、飛車の利きがあるんですね。」

■こういう左右非限定の自然解消はうれしいもの。

たくぼん 「角をどのルートで動かすかが考えどころ。4手目6筋は超大ヒントでしたね」

■最近バカ詰をやるようになって再認識しました。8手はこれくらい大ヒントがないと初心者には解けない!

チャンプ 「瞬時に解けてしまったので余詰がなんだったのか・・・発表を待つとします(笑)」

■やっぱり気づかないと気づかないですよねこの手順。

中村雅哉 「余詰修正によりとても易しくなり、かえって入門作としては良かったかも。」

■ですね。

変寝夢 「初手と最終手の関連が面白い」

■まさにそれが問題の狙いでした。

テイエムガンバ 「初手5八金、最終手5八金だろう、と予想して5八金のままだと後手が金を取れないから5七金と動かして、と考えて正解でした。が、初手5八玉でもよかったんだ、と問題の修正後に気づいたりする。」

■余詰があると言われて初めてそれが見えることも多いんですよね。

占魚亭 「金と思わせて玉……ではありませんでしたね。捻くれて考えすぎました。」

■初級で玉が作意だったらびっくり(笑)

宮谷保可楽 「結局解けたのは、すぐに見えたこれだけでした。やはり厄年だ…。」

■中上級が解かれなかったのは私のヒントの出し方が甘かったせいな気も。

S.Kimura 「追加条件が出たため,すぐに分かりました.」

■とても簡単になる修正でしたからね。

諏訪冬葉 「別解の手順は全く分かりません。『6筋の手はなかった』とか『全て奇数筋の手だった』とかで修正できないでしょうか?」

■それなら余詰はなくなるのですが、残念ながら作意手順が変わってしまうので、解答募集形式だとできない修正ですね。

はらたっと 「66角を取れるのに金まで取らせる。」

■推理将棋は片方が負け上手でないと成立しません。


正解:17名 双方解: はなさかしろうさん  平井康雄さん  渡辺さん

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  KGさん  鈴川優希さん  諏訪冬葉さん
  占魚亭さん  たくぼんさん  チャンプさん  テイエムガンバさん  NAOさん
  中村雅哉さん  はなさかしろうさん  はらたっとさん  平井康雄さん
  変寝夢さん  宮谷保可楽さん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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