推理将棋第54回解答(1)
[2012年4月25日最終更新]
推理将棋第54回出題の54-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第54回出題 推理将棋第54回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第54回解説 担当 DD++
今回は問題が易しめだったせいもあってか、新規の方やお久しぶりの方からも多数の解答をいただきました。このくらいの難度が実際は理想なのですが、いかんせん在庫が……。こういった易問題の投稿を切実にお待ちしています。
54-1 初級 山葵茶漬けさん作 五段目の鉄砲隊 9手
「しまった、8手目に金を動かしたら25桂と打たれて9手で詰んでしまった!」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 9手で詰んだ
- 8手目は金の手
- 9手目は25桂と打った
出題のことば(担当 DD++)
駒打ちという条件が初級用の大ヒント。
追加ヒント:
33まで上がってきた後手玉の24と44への逃げ道を駒打ち一発で両方シャットアウト。
推理将棋54-1 解答
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2二角成 ▽4二玉
▲2一馬 ▽3三玉 ▲3五角 ▽4二金
▲2五桂 まで9手。
25桂と打って詰み。これが単に25桂で詰みだったら29桂が2回跳ねて33玉を詰ませた可能性はもちろん、38飛や19香を使った開き王手まで考えられるので大変な問題になるのですが、そこは初級問題、駒打ちが明かされています。
さて、まず考えるべきは後手の着手です。25桂と打って詰みということは玉位置は13か33しかありませんが、後手が金を含む4手で玉を13まで運ぶのは不可能です。ということは34歩と33をあけてから42玉33玉と上がり、最後に金を動かす、というのが後手の着手内容。
では先手は、と考えると桂を打つためにはもちろん桂を取る必要があります。後手の方から桂を跳ねてはくれないので、76歩22角成21馬と積極的に取りに行くしかありません。そしてこれで同時に玉の22と32への退路を塞ぐことに成功しました。
あとは7手目と8手目で24、42、44の3箇所の逃げ道を塞げば25桂で詰ますことができますね。8手目は金の手なので42金と塞ぐのが精一杯。あとは7手目で24と44を両方抑えるのにさてどうしようかと場を見渡すと、桂を取りに行く途中でついでに取った角がありました。これを大胆に35へ打ち込むことで目的達成です。
それではみなさんの短評をどうぞ。
中村雅哉 「基本的な詰筋。」
■初級ですもの。
星の平原 「ヒントで6手目までの応酬は必然。桂馬の王手の時の三つの逃げ道の内2つを封鎖する▲3五角の発見で爽快気分に。」
■指し将棋なら絶対にありえない角打ち、これぞ推理将棋の醍醐味。
渡辺 「知っている形なのですぐでした。」
■果たして渡辺さんに9手で知らない形があるのでしょうか。
NAO 「収束2手の条件はとても親切。新年度の客寄せになったのでは。」
■ええ、ありがたい問題でした。
はなさかしろう 「9手でこんなに指せるんだ、という賑やかな詰め上がり。親切で簡明な条件付けで流れるように解けました。」
■確かにパッと見ると13手くらい指していそうな詰め上がり。
斧間徳子 「絶連ではあるが、客寄せには手ごろな作品。」
■絶連も客寄せならプラスの要素です。
KG 「全ての攻め駒が効いていて良いですね。」
■9手詰で攻駒3枚全使用は珍しいですね。
諏訪冬葉 「あれっ?詰め上がりに既視感が・・・」
■あれっ、ついこないだ見ましたね。まあ今回のは3問ともよくある詰め上がりだったわけですけれど。
変寝夢 「玉と馬のすれ違いのタイミングが当然とはいえ面白い。」
■将棋の初期配置はこのためにあるんじゃないかというくらい絶妙のタイミングです。
鈴木康夫 「これは簡単でした。桂打ではなく単に25桂だと余詰ますか?」
■9手詰25桂までは3通り(8手目の駒種違い)しかありません。作者もそれをわかった上で初級用大ヒントをつけたようです。
平井康雄 「さすがにこれはすぐにわかりました。入門、啓蒙用には最適の問題でしょうか。」
■4月の第1問はこうあってほしい、という感じです。
朱 「角打で上部封鎖がやりにくい手でした。」
■こんな手、普通は歩を釣り上げたら詰みが見えるような時しか指しませんものね。
隅の老人B 「8手目の条件、作者の選んだのは、金でした。」
■飛金銀、どれを選ぶかに作者の趣味が出ます。
S.Kimura 「確かに,『打った』というヒントがなければ,悩んでいたでしょうね.」
■打ったがなかったら中級で出していたでしょうね。
占魚亭 「ウォーミングアップに最適。」
■初級らしく。
はらたっと 「21馬がいるので42だけ塞げばいいですね。暗算だったのでちょっと勘違いしそうでした。」
■玉周囲の塞ぎ方がけっこう複雑なので私も盤に並べて確認しました。
たくぼん 「ほとんど紛れがない。入門編にはこういうのが必要ですね。」
■まったくもってその通りです。もっとこういう問題の投稿が増えればよいのですが。
かめぞう 「これしか解けませんでしたが すぐ解けて簡単でした!!」
■次回以降またちょっと難度が上がるかもしれませんが、ぜひまた挑戦を。
鈴川優希 「目的がはっきりしているので、初級にピッタリですね。問題文が1文なのも良いです。」
■こういう問題の投稿は本当にありがたいです。
宮谷保可楽 「8手目と9手目だけで、詰み形がくっきり明確に。」
■かなり明確な方向付けでした。
正解:22名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん かめぞうさん KGさん 朱さん
鈴川優希さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん
たくぼんさん 橘圭伍さん つつじさん NAOさん 中村雅哉さん
はなさかしろうさん はらたっとさん 平井康雄さん 変寝夢さん 星の平原さん
宮谷保可楽さん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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