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推理将棋第55回解答(3)

[2012年5月29日最終更新]
推理将棋第55回出題の55-3の解答、第55回出題の当選者(ronさん) を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第55回出題  推理将棋第55回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


55-3 上級 はなさかしろうさん作 11553        11手

「それ暗証番号? 5桁は珍しいね」
「ちがうって。さっきの将棋のメモだよ。11手で詰んだんだ」
「11手の11なんだね。それじゃ553は、5筋に53回?」
「...無理でしょそれ。55の地点に指された角の手の成不成符号を見たら3種類あったのさ」
「成不成符号が3種類? 成と不成と、あとなんだっけ、生成りとか?」
「......怖いこと言うね。成の手と、不成の手と、ふつうに成不成符号がつかない手だよ」
「11手で55に3種類の成不成符号の角の手だね。11243ならよくある形が使えるのにな」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • 55の地点に成・不成・成不成符号なしの3種類の角の手があった

出題のことば(担当 DD++)
  3種類の着手、それぞれ指したのは先手?後手?

追加ヒント:
  22の玉を55角成で詰ませます。44歩や33桂の合駒による応手を許さないためには?


推理将棋55-3 解答  担当 DD++ Suiri553

▲7六歩    ▽4二玉    ▲3三角不成▽3二玉
5五角不成▽7四歩    ▲8二角不成▽5五角
▲9二飛    ▽2二玉    ▲5五角成  まで11手

55という詰みにほとんど関わりそうにないところに着手3回。しかも不成や成は敵陣から角を引き返すしかなく、なお詰みから遠ざかってしまいそうです。考える上でのポイントは3回の着手を先手と後手にどう分担するか。

3手全てを先手が指す場合、先手は76歩の後ひたすら角を動かすことになります。最後は55角成になりますが、それと連携する駒もなく単騎詰めも不可能なのでこれはありえません。かといって後手が成や不成を指すのも考えにくいものです。37角不成や77角不成からだと先手玉にうっかり王手がかかってしまいます。また88角不成や99角不成からだと先手角とすれ違うのに手数がかかりすぎますし、88か99かを限定できる条件がありませんからここに作意はないと推測できます。つまり先手が成と不成を指し、後手がただの55角を指すと予想がつくわけです。

さて、後手の55角が必要なので先手は角を軽々しく取れません。ですから「76歩~33角不成~55角不成~XX角不成~55角成」という手順が必要です。これを9手目までに指し切るとすれば55馬の利きに飛か角を打って詰みですが、玉位置があまりに遠すぎて失敗。

となれば55角成がトドメの1手になります。有名な形は64玉を76歩56歩55馬で詰める形ですが、後手55角を指すタイミングがなく失敗。54玉を詰めるのも玉移動のために4筋か6筋の歩を突く必要があり、そこが逃げ道として残ってしまいます。どうやら中段玉もうまくいかないようです。

ならば33玉や22玉が最終位置ということになるのですが、そうなると今度は43歩や21桂(22玉の場合)が移動合するのを阻止する必要があります。これらの駒を取ってしまうとそれはそれで逃げ道ができてしまうので、「43歩や21桂が残っているのに合駒ができないという状況をいかにして作り出すか」がようやく浮き出てくるこの問題最後にして最大の課題。これの解決策があることに気づかないとこの問題は永久に解けません。

方法はただ1つ。55角成を両王手にしてしまえばいいのです。つまり82角不成と飛車を取ってその陰に92飛と打ち、55角成と引いて22玉をスケールの大きな両王手に仕留めて終わり。先手の手順は1パターンしかなく、後手も22玉への3手と74歩と55角の並べ替えで、王手回避を考えると唯一に決まり、作意解となります。

なお、角という条件がない場合の余詰は以下の順。

▲7六歩    ▽5二玉    ▲3三角不成▽5四歩
▲5五角不成▽5三玉    ▲2二角不成▽5五歩
▲6四角    ▽5四玉    ▲5五角右成

出題前に気がついていれば最初から完全な形で出題できたのですが、気づくのがわずかに遅かったです。申し訳ありませんでした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「ご指摘、解答ありがとうございました。余詰を出してしまい、たいへん申し訳ありませんでした。作意は古典的名作『恐怖の9手』(4-3)の2手延伸で、裏推理では自然な手順ですが、水平型の両王手を初めて見た方には難題だったかと思います。自由度が高そうな条件ながら、引き成る面倒、駒の渋滞、55の地点の詰みへの絡みにくさで逃れていると思ったのですが......見落としました。後手の55歩~54玉型は53の地点が空いて不詰と速断したのが迂闊でした。見えていればもっと良い仕上げ方があったことと、申し訳なく残念に思います。▲64角! 絶妙手でした。」

■私は55歩と54玉を個別に検討はしていたのですが、それを組み合わせた形が出題前検討からまるっと漏れていました。不完全なまま採用してしまって申し訳ありませんでした。

朱 「なかなか解けず悩むも、この詰み形を思いついて胸が高鳴る。手順に辿り着いたときは感動しました。」

■1条件でここまでの好手順というのはなかなかありません。

変寝夢 「ようやこうやで9二飛までたどり着いたが、そこからも一苦労。なるほど4二玉ですか。爽快です。」

■この序の4手は玉を1筋側に寄せる時にはありがちな序なのですがなぜか忘れがち。

斧間徳子 「42玉~32玉は、55への着手を急ぎたくなる心理の逆をつく手順で、思いつきにくかった。この派手な11手をわずか1条件でまとめているのは驚愕! 最近の短編の中では最高傑作と思う。」

■投稿されてしばらく悩んだ後、解けた瞬間に即採用を決定しました。

ron 「最終図で本当に詰んでいるか何度確認、詰んでいるとわかるとこの決め方は実に痛快です。」

■初形から短手数でできる両王手はかなり際どく成立している形が多くて印象深くなりやすいですね。

妙高仙人 「この順をこんな巧妙な1条件でくくれるとは!作意順を全く想像させない見事な条件付け。後手の手順前後を誘発する順をすべて排除して、なお作意にたどり着けない難問名作。」

■いくら裏読みしても両王手を思いつかないと本気で迷宮入りしますね。

NAO 「修正前の角指定なしの条件では、符号なしが当然角以外だろうと考えていました。結局、余詰め順は解りませんでしたが、作意が角と解れば簡単でした。この形、後手が34歩を突かない順は珍しいか。」

■後手が34歩を突く順はどこかにあったはずですが、33歩をかじる手順は私は先行作は見つけられませんでした。

諏訪冬葉 「角の動き方はこれしかないと思っていましたが、最終手角成は簡単に合駒できるのでずっと選択肢から消えていました。別解は探していません」

■普通はそうなんですよね。両王手の特殊性が頭に入っていないと難しい問題。

鈴川優希 「問題を見た時、『はい?』というのが第一の感想。どうして55にそんなに着手しなくてはいけないのか、全く見当もつきませんでした。追加ヒントを見て両王手だと分かってからも、3種類の55着手を先後どちらが指したのか考えるのが面白かったです。詰め上げた後も、『そうかあ~』と、何度もひとり頷いていました。」

■3手のうち何手かが無駄手という可能性もあるんですけどね。かつて「飛の手3回」という条件があるのにそれが全部無駄手という問題もありましたし(34-3)。

隅の老人B 「成、不成の付かない手はどちらが指すの?8手目、王方、これで解決。」

■成不成つかない手を先手が指すと後手が不成を指すハメになって足りませんね。

はらたっと 「両王手の筋が全く見えていない状態で悩んでましたがヒント見た瞬間解けました。」

■気づかないと解けないにもかかわらず、それに非常に気づきにくいという難問でした。

S.Kimura 「最初は角だけではだめかと思い,後手55歩などを考えていたのですが,修正が出て分からなくなり,ヒントが出ても両王手に気付くまでしばらく悩んでいました.」

■後手55歩だとそのまま余詰解の方へ行きますね。

渡辺 「歩が入ると思っていた予想が外れました。最初の4手はほぼ確実なのにその後が難しいのは詰形が想定外だったからか。」

■余詰順は55歩だったのでその予想は大当たりです。

平井康雄 「両王手まではわかったが、もう一つの55角がナゾでした。3手目33角生が絶妙。この発見でやっと解決しました。それ以上に気になるのが余詰の問題。この条件に合う駒が角以外にあるんでしょうか?(飛?)手順も見当つきません。」

■なるほど、さては76歩34歩22角不成から入りましたね?

占魚亭 「空き王手か両王手のどちらかだろうと予想はついていたのですが、先手に55への着手を3回指させようとして手こずりました。」

■そうすると角の背後の飛車を打つ手が明らかに足りませんね。

みや 「12香、22玉に対して34馬と55馬で詰めようとしましたが手数が足りませんでした。」

■12香22玉55角で後手の5手を使い切りますから、残りを先手が自力でどうにかするのはさすがに困難。

宮谷保可楽 「追加ヒントを得るまでは、玉を64に連れてくることまで考えていた。22に呼ぶと両王手なんだな。」

■私もそれが第一感でした。しかし後手の55角が指せなくて成立しないんですよね。

テイエムガンバ 「詰め上がりの形は直感で読めましたが、▲7六歩~▲5五角の紛れからなかなか抜け出せませんでした。」

■後手が55角不成を指すと玉が22まで行く手数が残りません。

鈴木康夫 「ヒントをもらって両王手の詰が見えました。限定するために多数の条件が必要になりますが、余詰筋も面白い詰上がりですね。」

■鈴木さんは唯一余詰解を併せて答えて下さいました。64角が面白い1手ですよね。

たくぼん 「生と成を先後に分けると非限定が解消できないのがポイントか」

■裏読みするならそこですね。


正解:19名  双方解:鈴木康雄さん

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  朱さん  鈴川優希さん  鈴木康夫さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  テイエムガンバさん
  NAOさん  はなさかしろうさん  はらたっとさん  平井康雄さん  変寝夢さん
  宮谷保可楽さん  妙高仙人さん  ronさん  渡辺さん


総評

朱 「推理将棋の棋譜を並べるたび、その整然とした手順に何ともいえない満足感を覚えます。だから解けずに並べるだけで面白いのですが、やはり解けるとまた格別ですネ。」

■おもちゃ箱過去作、詰パラ過去作の他、mixiにもたくさん問題はありますのでぜひいろいろ挑戦してみてください。

はなさかしろう 「55回、おめでとうございます。あやかって5月5日に回答したのですが......直後に余詰の連絡を頂いて血の気が引きました。この2週間は針の筵でしたが、それはそれとして、11553を55-3で紹介していただけたのは望外のことで、本当にありがとうございました。条件付けは悩ましいです。55-3、『55角があった』『55角不成があった』『55角成があった』の3条件にすればシンプルでしたが、▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △54歩 ▲55角不成 △62銀 ▲11角不成 △55歩 ▲同角成―▲56香―▲33馬の縦の両王手の紛れと手数+1条件の抗し難い魅力に引かれてしまいました。▲64角! しびれました。」

■「55角、55角不成、55角成が全てあった」という形で1条件でいいと思いますけどね。縦の両王手が消えるのは惜しいですが。

変寝夢 「やはり最終形が見えるかどうかでだいぶ違いますね。3のような作品は、解けた時より解を記入しているときにちょっとした恍惚感を感じます。」

■やはりヒントは最終形への誘導がいいようですかね。次回以降の参考にさせていただきます。

ron 「二ヶ月ぶりの解答でしたが、今回はなぜかどの問題もあっさりと解けました。こんなに早く解けたのは初めてで、ご機嫌になりました(笑)惜しむらくは、5月5日に解答を送れなかったことでしょうか。(問題に気づいたのが8日だったので仕方ないのですが)」

■基本的に毎月3日に私が原稿を送って4日に出題されるので覚えておくといいかもしれません。私の原稿送信が遅れたりTETSUさんが多忙だったりでずれ込むことも時々ありますが。

NAO 「55回の5月出題とあって5筋の手が多い3局、トドメの1手も5筋でした。」

■言われてみれば。ついでに全局55着手があったりしないかと思って見てみたら、私のだけありませんでした。いやあ失敗。

諏訪冬葉 「・5がテーマのせいか奇数筋の手が圧倒的に多かった(3問で30手中26手) ・影のテーマは私の独断で『攻め方の飛車の横利き』に決定しました。」

■確かに奇数筋多っ!

鈴川優希 「今回も追加ヒントに頼ってしまいました。解図のための時間がなかなか取れないのが悔しいですが、これからも解答していきたいと思います。」

■解答も問題投稿もお待ちしていますね。

隅の老人B 「五月、ロザリアンのB爺さん、バラを訪ねてあちこちのバラ園へ。その道中、電車の中で推理将棋を考える。あれこれ頭で指して、これでどうだろな。帰宅後、盤上で条件に合わせて再確認。うん、大丈夫、これで合ってる、たぶん正解。」

■今回は暗算で解きにくい問題多めだったかも。

はらたっと 「DD++さんのヒントがツボにはまるとホッとします。3問目は両王手に気がつけばあっという間なんですがね。。。」

■ヒントをどこまで出すかは未だに手探りです。

渡辺 「今回は初級中級はすぐでしたが、上級にかなりてこずりました。」

■やはり上級は難問でしたか。

みや 「次回は全問回答できるように頑張ります。」

■全問解答していただけるように頑張ってヒント出させていただきます……でいいのかな?

宮谷保可楽 「今月は「なんとか解けました」レベル。脳みそがクラクラしています…。」

■上級がかなり難問でしたからねえ。


推理将棋第55回出題全解答者: 21名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  朱さん  鈴川優希さん  鈴木康夫さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  テイエムガンバさん
  NAOさん  はなさかしろうさん  はらたっとさん  平井康雄さん  変寝夢さん
  星の平原さん  みやさん  宮谷保可楽さん  妙高仙人さん  ronさん
  渡辺さん

当選: ronさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知 らせください。

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