推理将棋第58回解答(2)
[2012年8月28日最終更新]
推理将棋第58回出題の58-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第58回出題 推理将棋第58回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
58-2 初級 山葵茶漬けさん作 左から順にII 8手
「今日また恥ずかしい将棋指しちゃったよ」
「また初手から、左銀、左金、玉、右金、と順番に動かしたのか?」
「そうそう、今度は9手目に右銀を動かす場所を残しておいたんだけどね」
「でも動かせなかった、と?」
「そう、またしても8手目で詰まされちゃったからね」
「今度はこういう手順で詰んだわけね。この手は成生どっち?」
「だから、普通の将棋にわざわざ不成の手なんてあるわけないって」さて、どんな将棋だったのでしょう。
(条件)
- 8手で詰んだ
- 先手は「左銀、左金、玉、右金」をこの順で動かした
- 終局時、先手の右銀を動かせる場所があった
- 不成なし
出題のことば(担当 DD++)
初級とよく似ていますが、一度思考をリセットしてからどうぞ。
追加ヒント:
88で角を奪って打ちましょう。
推理将棋58-2 解答 担当 DD++
▲6八銀 ▽3四歩 ▲5八金左 ▽7七角成
▲6九玉 ▽8八馬 ▲5九金寄 ▽7八角 まで8手。
1問目とよく似た問題ですが解くためのアプローチは全く違います。1問目の先入観に囚われた方は初級8手とはいえ苦戦したかもしれません。この問題のポイントは玉と馬の位置関係です。後手の着手は先程と同じく、34歩、77角成、2段目で何か取って、打ってトドメ、ということを念頭に置いて解いてみましょう。
まず1問目同様68馬と48玉の場合を考えてみましょう。5筋側から王手をかけた場合、38への逃げ道が残っています。しかしこの地点は右銀の移動先として残しておかなければいけないスペース。つまりこの形では詰みません。
では78馬の場合はどうでしょう。48玉は先ほどと同じ理由でダメなので、あるとすれば58玉。しかしその場合7手目に右金が動く関係で今度は49地点が穴になります。67に馬を持ってくる余裕はないのでこれもダメそうです。ずるい見方をすれば、ここで78馬なら「この手は成生どっち?」とはならないだろう、という予測からも除外できますね。
しかしここで困った事態に遭遇します。馬が68にも78にも進めないということは、金も銀も取れないということ。じゃあ最後に打つ駒はいったい? そこでよーく77馬の周辺を見ると、かろうじて88角がありました。これを使うしかなさそうです。
馬が玉から遠ざかってしまいますが、そこで69玉と玉の方から攻め駒に近づくのが推理将棋らしい1手。これなら78角の王手でなんとかなりそうです。68、58、59と3箇所逃げ道がありますが、先手が動かす銀金金できっちりこれらの場所を塞ぐことができ、無事に詰めてもらうことができます。
それではみなさんの短評をどうぞ。
チャンプ 「同じ条件のようで全く違う2通りの手順。二人の会話が面白く十分に楽しめました。」
■ちょっと条件が違うだけでこの変わりよう。
斧間徳子 「これもコメントのしようがないほど超易しい問題。」
■しかしこちらは手間取った方もいらっしゃったようです。
星の平原 「三分。敵地にひょこひょこ近づく玉と逃げ道を塞ぐ金寄りがいいコンビです。」
■三分ということは実はちょっと悩みました?
NAO 「右銀が動ける方は、すぐには詰上がりが思いつかず。馬が強すぎて左側で詰むのが気づきにくい。」
■しかも入手できる角は頭も丸く横利きもないですからねえ。
渡辺 「これも今度は逆側だろうと考えれば一発。」
■製作者心理を読んでの解答、お見事でした。
変寝夢 「5八金左~6九玉になかなか気づかなかった」
■馬がいるせいで69に行って大丈夫とは思いにくいですよね。
朱 「ちょっと条件が違うとしばらく悩む。角で詰めるのが鍵でした。1問目とは逆に裏をかく手順で上手いなあ。」
■むしろ1問目があるからこそ作意と違う道にいってしまう、という感じ?
はやし 「これはヒントに助けられた。」
■8手といえどハマるときはハマります。
鈴川優希 「金が銀を取るのだろうと思って苦戦。右金は2問とも退路封鎖に使うのですね。」
■この手数だと特殊な形以外は逆側は玉方がどうにかしないと間に合いませんから。
くるぼん 「金が逃げ道を塞ぐのがツイン?」
■この2問は単純に条件のツインですね。手順はむしろ片方が見えるともう片方が見えにくくなるトラップの構成。
はなさかしろう 「玉方が右側に壁を築くこの形、最短8手だったんですね。ちょっと意外で不意を衝かれた感じでした。」
■76歩、34歩、58金左、88角成、69玉、68角、59金寄、79角成までという順もありますね。59金寄が無駄手で良ければ79馬まででも。
はらたっと 「生角を打って詰むのが1番を解いてすぐだと見えにくい手順です。」
■これをスッと解けた人は短手数に強いか頭がめちゃくちゃ柔らかいかでしょう。
S.Kimura 「先手の手が限られているので,7八角は割と簡単に見つけられました」
■金銀角の3択ですしね。
諏訪冬葉 「右左をよく間違えるのでこの表記で勘弁してください」
■私とTETSUさんにわかる表記であれば問題ありません。ついでに言えば、誤記であっても作意順がわかっていると判断できる場合は正解とさせていただきますのでご安心ください。
隅の老人B 「59金寄が上手い手、そういう事にしておこう。易しくても、解ければ嬉しくなる。単純な爺さん、ここにあり。」
■しかしそういう人も少なくないはず。誰でも解けてみんな嬉しい作品の投稿はありがたいものです。
平井康雄 「最初、金か銀を取ることを考えてちょっと苦戦。角とわかると一気。初心者向け姉妹作として記憶に残る作品となりそうです。」
■そもそも初級レベルの姉妹作はあまりないですしね。
たくぼん 「角を取るのはちょっと意表を突かれましたよ」
■1問目が金だから2問目はきっと銀、とした人が多いのでは?
かめぞう 「初級と同じで後手は角を使うしかないから考えやすい。」
■どう使うか、というところで少しハードルがありますけどね。
正解:21名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん かめぞうさん くるぼんさん 朱さん
鈴川優希さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん たくぼんさん
チャンプさん テイエムガンバさん NAOさん はなさかしろうさん はやしさん
はらたっとさん 平井康雄さん 変寝夢さん 星の平原さん 宮谷保可楽さん
渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
そうか~玉左寄+右壁の源流は31馬までの7手だったんですね
投稿: はなさかしろう | 2012.08.28 08:04