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推理将棋第59回解答(2)

[2012年9月28日最終更新]
推理将棋第59回出題の59-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第59回出題  推理将棋第59回解答(1)  (2)  (3)
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59-2 中級 渡辺秀行さん作    手目+筋=8        9手

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 4手目は4筋に金
  • 5手目は3筋に成
  • 6手目は2筋
  • 7手目は1筋

出題のことば(担当 DD++)
  6手目や7手目にどのような意味を持たせましょうか。

追加ヒント:
  1筋に角を打って、最後は馬の移動で詰み。


推理将棋59-2 解答  担当 DD++ Suiri592

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2二角不成▽
三角  ▽二銀    ▲五角    ▽6二銀
▲4二馬    まで9手

この問題の条件はこうですね。

●??、??、??、4X金、3X?成、2X?、1X?、??、?? まで

さてこれでヒントになりそうなところは、と考えるとやはり5手目でしょう。5手目の3筋駒成。どう考えても31角成か33角成以外にはありません。そうなると実はこの馬と連携する駒の入手が問題となるのです。7手目に1筋で駒を取るのは絶望的。ならば取れる駒は3手目に22の角を取るか5手目に31の銀を取るくらいしかありません。

どっちを取るにしろ、2手目には歩を突いてもらわないとどうしようもありません。するとこれで4手目は42金しかありえなくなり、97角31銀成ルートが消えるので2手目が34歩、3手目が22角不成に決定されますね。

●76歩、34歩、22角不成、42金、31角成or33角成、2X?、1X?、??、?? まで

ここから銀打ちまであるいは角打ちまでというのは困難です。普通に9手でも角打ちや53以外への銀打ちでトドメを指すのは難しいのに、42金が居座る上に7手目を無駄に消費するのではとても間に合いません。そう考えると7手目14角から41角成もしくは15角から42馬(角成)、という2つの筋が見えてきます。いずれにせよ8手目に62を塞ぐ必要がありそうですね。

まず14角から41角成の場合。

●76歩、34歩、22角不成、42金、31角成、24歩、14角、62銀or62飛、41角成 まで?

42金がいるので明らかにダメですね。ということでどうやら正解は15角から42馬(角成)の方。

●76歩、34歩、22角不成、42金、31角成or33角成、2X?、15角、62銀、42馬or42角成 まで

この手順は31角成で銀を処理してしまえば6手目が手パスでも詰みます。しかしここで渡辺さんのトラップ発動。その場合指せる6手目は24歩しかなく、15角の利きを遮ってしまうのです。なんと、と驚いたところで冷静に他の2筋の手を探してみましょう。そう、銀をわざと残しておいて22銀で乗り切ってもらう手がありますね。必然的に5手目は33角成、9手目は42馬に決定しておしまいです。

それではみなさんの短評をどうぞ。

NAO 「42金をどう処理しようかと悩みます。15角~42馬の詰形は平凡な手順なのに意外と見えにくい。『X手目』と『Y筋』の『X+Y=8』足し算に統一されたのは素晴らしく、特に6手目2筋が巧い条件付けでした。」

■よく趣向条件の中にこの手を盛り込めたものだと感心します。

渡辺 「詰将棋では有り得ない詰め方と22銀が気に入っています。」

■この22銀はすばらしい手ですね。

諏訪冬葉 「5手目だと▲31角成もできるから6手目は△24歩で・・・と考えたら完全に▲15角が死角になりました。」

■見事に罠にずっぽり。

斧間徳子 「33角成が3手目ではなく5手目に限定される順となると、3手目は22角生だと察しがつき、さらば15角打だなということで解けました。4、5,6,7手目が4→3→2→1筋とずらした条件がきれい。」

■今回の趣向条件担当を1作で担っていただきました。

はらたっと 「24歩14角が詰まなかったので22銀を限定させる本手順かな・と考えたら当たってました。」

■正解、お見事!

星の平原 「3一の銀は毒饅頭でした。」

■私は見事にパクッといきました。

やまかん 「これは普通に考えると6手目は24歩以外しかなさそうでそれで駄目なので他の手段を考えてたら22銀が閃いて解けました。」

■無駄手で条件に合わせようとすると邪魔になる、というのは9手では珍しいですね。

占魚亭 「これもひと目でした。後手の銀2枚がナイスアシスト。」

■ほう、これで31銀を取らず33に引けますか。

宮谷保可楽 「5手目に3筋に成れるのは角だけのはずだ…あたりから考えていると、あれよあれよという間に…。」

■素晴らしい着眼点。

隅の老人B 「なんとなく解けちゃった。表題もヒントになりましたよ。」

■条件がイメージしやすい、というのはあるでしょうね。

平井康雄 「問題としてはそんなに意外性なかったが、題名に感銘。」

■こういう趣向条件作は94形式ならでは。

たくぼん 「4、5、6、7手目に4、3、2、1筋と数字が並んできれいです。」

■今年は趣向作はこの1つだけでした。

変寝夢 「ヒントを頼りに暗算で解いてたら脳内盤から3一銀が行方不明になり悩んでしまいました。いつもは左半分が消えるのに。」

■わかります、その現象。自信満々で解答したら1枚消えてた駒のせいで実は詰んでなかったりとか。

枡彰介 「手が限定されているので難しくはないが、条件のつけかたが面白かった。」

■普通の形式でこういうのは作りづらいんですよねえ。

はなさかしろう 「銀を取らずに33に引く手がポイントですね。15への角打ちは本線で14角からの紛れに気付く前に解けてしまい、もったいないことをしました。とすると、『5手目は3筋に不成』ならば『4手目は4筋』だけで成立するでしょうか?」

■あれ、意外と成立してるかも? ちゃんとした検討はしていませんが……。

鈴木康夫 「6手目24歩7手目14角かと思いました。素直に角を重ねれば良かったのですね。」

■2筋がミスディレクションめいていますよね。

S.Kimura 「5手目の31角成を防ぐための6手目は格好がいいですね.」

■この手を趣向条件作に織り込んでくるのが渡辺さんの恐ろしいところ。

チャンプ 「欲張らずに銀を生かしておくのが好手ですね(笑)」

■こういう手が意外と見えないんです。


正解:20名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  占魚亭さん  たくぼんさん  橘圭伍さん  チャンプさん  テイエムガンバさん
  NAOさん  はなさかしろうさん  はらたっとさん  平井康雄さん  変寝夢さん
  星の平原さん  枡彰介さん  宮谷保可楽さん  やまかんさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

> 『5手目は3筋に不成』ならば『4手目は4筋』だけで成立するでしょうか?
成立しますね。推敲不足でした^^;

投稿: 渡辺 | 2012.09.29 00:00

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