大道棋よもやま話 第9回 大道棋改作の実例
[2012年10月24日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2011年12月号掲載
大道棋よもやま話 第9回 大道棋改作の実例 加藤 徹
前回説明した、大道棋改作の技術をおさらいしておきましょう。
技術1 簡素な原型を作る
技術2 原型を元に改作
技術3 常識の裏をかく
技術4 段、筋をずらしてみる
技術5 縦と横を逆にしてみる
そして改作のポイントは
- 好形を崩さない。
- 誘い手を消さず可能ならふやす。
- 読みにくい作意にする。
の3つ。
今回は、前回出題の利波さんの作品を出発点に、実際に改作してみましょう。
改作の前に、まずは前回の作品の解答を。
◇大道棋8 利波偉 正解
84銀成、同玉、54飛、93玉、83銀成、同玉、72馬、92玉、93香、同玉、
53飛成、84玉、83龍迄13手。
初手から54飛、93玉、84銀成、92玉、81馬迄というのが誘い手。
もちろん54飛に対しては74に中合。金問題の横型なので、74歩合などでは84銀成から74馬で簡単。
それでは金問題の定跡の74飛合かというと、84銀成、同飛、同飛、同玉、82飛、94玉、83飛成迄。本図では、裏定跡の74金中合がこの一手で、これで逃れている。
作意は84銀成と先に捨ててから54飛。こうすれば74合は同馬があるので93玉と逃げるしかなく、83銀成と捨てて72馬と入れば詰み形。
千葉肇「単に出たら、74金合! 94香~83銀成としたら千日手!」
小林巧「玉方51歩を52歩としては如何!? 3手目54飛に64角合で17手詰」
64角合はおもしろいが、84角で早い。
★全短評をおもちゃ箱(詰将棋おもちゃ箱で検索)で掲載。
◇解答者 21名 正解20名
【正解者】 (省略)
【当選者】 (省略)
それでは改作を考えてみましょう。本図で絶対必要な駒はどれか。そう、73銀、63馬と飛は、はずせませんね。95と75を塞ぐ駒も要ります。
誘い手は初手54飛ですが、配置を工夫すれば84銀成から86飛と、こちらから行く手も作れそうです。
例えばこんな原型でどうでしょう。
73銀を角や馬にしたり、75歩66飛を詰方76歩67飛にしたりしても誘い手は成立します。こういう柔軟な原型は改作しやすいのですね。
誘い手は、次の3つ。
- 64飛(74金または74飛で逃れ)
- 84銀成、同玉、64飛(83玉で逃れ)
- 84銀成、同玉、86飛(85歩で逃れ)
このままでは詰まないので、どれかの筋で詰むように配置を考えます。可能であれば、誘い手以外の筋で詰むようにすることも考えてみましょう(技術3 常識の裏をかく)。
一例を示します。客寄せ用の簡単な問題ですので、解答は省略。あっさり破ってやってください。
さて、今回の出題。2手逆算してみました。詰上り、持駒が余ります。
解答は12月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で1名に、加藤徹好形大道棋50番「ドキドキストリート」を贈呈。
注1)上記の大道棋8の解説および全短評はこちら。
注2)上記の大道棋9の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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