大道棋よもやま話 第11回 謎の大道詰将棋
[2012年12月19日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 謎の大道詰将棋・詰んだらプロ
ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2012年4月号掲載
大道棋よもやま話 第11回 謎の大道詰将棋 加藤 徹
おもちゃ箱の大道棋のコーナー、ドキドキストリートには、大道棋の問題やさまざまな文献が紹介されています。
「大道棋・ホントに不詰?」もその一つ。これまで不詰とされてきた問題をコンピュータで検証し、実は詰むとわかった10題を紹介したものです。
この図はその第1番。読者サロンで北川二郎氏が「大阪京橋での所見です」として図面を紹介しました。その後、33手で詰む?という投稿もありましたが、これは受けの誤りで33手では詰みません。
大阪の京橋で出題していた大道棋屋さんは黒田栄さんといい、常設で出題していた最後の大道棋屋でした。
京橋駅近くの裏通りで毎日店を開いていましたが、なんとそのすぐ近くに将棋道場があり、お客さんは道場で研究してから挑戦してくるのです。
そのためにいつも新しい問題を求めていて、詰パラの大道棋研究室の問題のほか、何人か黒田さんに問題を提供していた人がいたようです。
本作は黒田さんが体を壊して大道棋屋をやめる最後の頃に出題されたもので、そのためかネタ帳「黒田ノート」にも収録されてなく、作者不明の謎の大道詰将棋となっていました。
実は本作、当時はコンピュータで解けなかったので、本当に不詰かと思いましたが、黒田さんが出題していたなら詰むはず、と研究したところ、71手で詰めることができました。
そこで「ホントに不詰?」に掲載したわけですが、なんと、検索でたまたまこれを見つけた作者から連絡があり、30年ぶりに作者と作意が判明しました。その方の名は野中謙一さん。
野中さんが黒田さんから受けた実践報告では「この図は私の思った通りの大傑作です。最初33本、2回目18本、3回目30本取り正解者なし。まだまだ取れます」と、商品価値が非常に高かったことがわかります。
未見の方は、この名作、ぜひ挑戦してください。
作意手順など詳しくは、詰将棋メモの「謎の大道詰将棋・詰んだらプロ」をごらんください(「謎の大道詰将棋」で検索)。
◇大道棋10 加藤徹 正解
73角成、94玉、72馬右、85玉、63馬寄、イ74香合、同馬、同玉、
64金、84玉、86香、85歩合、74金、同玉、63飛成、84玉、
73龍(83龍・83馬)迄17手。
イ74桂合は、同馬、同玉、64金以下
作意手順はやさしいが、72馬右から63馬寄という、ちょっと風変わりな手順に目がいくかどうかが勝負。
73角成、94玉、64飛の誘い手には、もちろん74金合。大駒3枚で追う順は、55桂の守りで逃れる。
今川健一「3手目、64飛は74金の中合でアレマアの奉納。続いての63馬寄りも指し難い。」
馬屋原剛「読みにくい。桂合が詰まない感じがして読みを打ち切っていた。54金を銀にして詰方62歩を追加したらどうだろう」
馬捨てが入って、この方がいいかも。
★全短評をおもちゃ箱(詰将棋おもちゃ箱で検索)で掲載。
◇解答者 29名 正解28名
【正解者】 (省略)
【当選者】 (省略)
今回の出題は力試し。詰んだらプロ級の問題です。今回は手順を全部書いてください。収束乱れるので、詰めていると判断できれば正解とします。
◇大道棋11 加藤徹
解答は4月末までに下記(省略)まで。
抽選で2名に加藤徹好形大道棋50番「ドキドキストリート」などを贈呈。
注1)上記の大道棋10の解説および全短評はこちら。
注2)上記の大道棋11の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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