推理将棋第62回解答(2)
[2013年1月31日最終更新]
推理将棋第62回出題の62-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第62回出題 推理将棋第62回解答(1) (2) (3) (4) (5)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
62-2 中級 橘圭伍さん作 良いお年を 11手
謹「今日の新春対局、11角迄11手、11箇所着手だったね」
賀「成る手はなかったね」
新「先手が同じ筋に続けて着手するのはなかったね」
年「2手目に42に着手してたね」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 11箇所の着手で11角迄11手で詰んだ
- 成る手はなかった
- 先手が同じ筋に連続で着手する事はなかった
- 2手目は42の着手
出題のことば(担当 DD++)
11角で詰む形とはどんな形でしょうか。
追加ヒント:
11角と打って詰められそうなのは33玉か44玉。まわりを塞ぎやすいのはどっち?
24地点を塞ぐには▲25歩。手番通りに考えるよりも、先に11手の内容を全て明かすと楽です。
推理将棋62-2 解答 担当 DD++
▲2六歩 ▽4二玉 ▲7六歩 ▽3四歩
▲2二角不成▽3二銀 ▲3一角不成▽3三玉
▲2五歩 ▽1二香 ▲1一角 まで11手。
11角まで。記譜上、という注意書きはしませんでしたが、成る手なしですし11角不成までは開き王手以外ありえない(そしてそれは11手では明らかに足りない)ので、11角は打つしかありません。さて玉位置はどこでしょう。55以遠までいくのは考えにくく、また22玉の場合は11同玉を防ぐ手段に乏しいため、実質33玉か44玉の合い効かず2択です。それぞれどんな内容の11手になるか考えてみましょう。
まず44玉の場合。後手に△34歩△42玉△33玉△44玉は必須でしょう。先手も▲76歩▲22角とこの角を一度どかす▲13角または▲31角が必要。そしてトドメの▲11角と、打ち場所確保の△12香。残り先手が2手で塞がなければならない場所が45と54、さらに21の桂を処理する必要があり、角の移動位置により35を塞ぐか31銀を処理するか。この形は36角や63馬が用意できるならそこそこ有力な筋なのですが、筋違い角が望めないこの問題にはどうやら適さないようです。
では33玉の場合は。後手に△34歩△42玉△33玉が必須、先手も▲76歩▲22角とこの角を一度どかす▲31角が必要。そしてトドメの▲11角と、打ち場所確保の△12香。残り先手2手と後手1手、塞ぐ場所は24と32の2箇所。これならなんとかなりそうな気がしますね。
しかしぱっと見て塞ぎにくいのが32の方。後手が金や飛を置いては22移動合が残ってしまいますし、先手銀打ちはスペースがありません。△24歩▲23銀は△23玉を許してしまうし、と一通り考えたところで、この銀がもともとどこにあったかを思い出せればしめたもの。▲31角で先手が銀を奪うのではなく、とられる前に△32銀と後手にこの銀を活用してもらえばいいわけです。となるともちろん24を塞ぐ手段は▲26歩から▲25歩となります。
先手に2筋の手が3回あるのでこれを初手5手目9手目に、また42玉が2手目になるように手順を並べ替えれば正解となります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
橘圭伍(作者) 「よい→いい にした方が若干良かったと反省。1に拘るなら妥協すべきでなかったです」
■なるほど改良されますが、しかし誰も気づかなさそう。
斧間徳子 「後からわかる初手26歩。」
■この条件で手番通りに解こうとして26歩から突く人はまずいないでしょうね。
チャンプ 「11角までの形は考えやすく解答者に優しい作品ですね。」
■5手目限定からの裏読みがないとかなり難しい問題ですよね。私も採用前検討でかなり苦労しました。
NAO 「2筋の手3回も導かれるままに解けるイイ手順。」
■合い効かずに打って詰ませる割にはシブい手順です。
占魚亭 「76歩42玉33角不成の順を考えていました。」
■33玉と上がれなくなっちゃう。
はらたっと 「同じ筋に連続着手なしが考えづらい条件でした。」
■逆に言うとこんなのが解答の主軸になるわけがないので、最後までほっといていい条件ともいえますね。
平井康雄 「この詰上がりは想像つきやすい。初手26歩を限定させる条件の付け方がうまい。」
■手順前後が多数出る時の限定方法はかなり作者ごとの個性が出るところだったり。
たくぼん 「これが1番に解けました。元旦に解くべきだったかな(笑)」
■前から順にいってチャンプさん作を一度諦めてこの問題が最初に、という方はかなり多そう。
渡辺 「詰上がりが想像しやすく、プルーフゲームのような解き味でした。」
■おそらく橘さんもそれを意識して作っているのでしょう。
S.Kimura 「角単騎で詰ませることを考えて,ようやく答えが見えました.」
■そもそも角単騎は場所を選ばなくても最短11手なので、こんな位置で11手はさすがに。
鈴木康夫 「詰上がりはほとんど自明ですが『先手が同じ筋に連続で着手する事はなかった』は上手い条件です。」
■長編作家ゆえに、前半と後半の手順前後をまとめてどうにかする手段は豊富にお持ちなのでしょうね。
諏訪冬葉 「最終手から詰み形を想定したら意外と簡単でした。」
■11角って大駒のくせに非常に利きが狭いですから。
やまかん 「ヒントがないと解けなかったかもしれない。」
■合い効かずの独特の感触に慣れていないと最終形が見えにくい、のでしょうか。
はなさかしろう 「元日ですね。お屠蘇気分でまずは軽く心地よく。玉方の形が想像しやすく解きやすい問題でした。」
■はい、慣れている方にはさっくりと。
正解:17名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん 香箱さん 鈴木康夫さん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん たくぼんさん 橘圭伍さん チャンプさん テイエムガンバさん
NAOさん はなさかしろうさん はらたっとさん 平井康雄さん 妙高仙人さん
やまかんさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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