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推理将棋第63回解答(2)

[2013年2月27日最終更新]
推理将棋第63回出題の63-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第63回出題  推理将棋第63回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


63-2 中級 チャンプさん作    2013(巳年)指し初め式の一局とは? 18手

「毎年恒例の指し初め式に参加してきたんだって?」
「それがさ、僕が3手目に7筋の歩をぶつけてトイレに立って帰ってきたら終わってたんだよね」

「せっかく参加できたのにどんな将棋だったのか解らないまま帰ってきたの?」
「一緒に参加してた友達の話では18手で後手側が詰まして勝ってたらしいんだけどね」

「あら~そんな短手数で終わっちゃったんだ、内容については何か聞けなかったの?」
「駒成りは九段目に歩が成っただけって聞いたよ」

「ということは先手側はその“と金”にやられたのかな?」
「そういや4回連続“と金”で金駒(かなごま)を取ってたって言ってたな」

「となるとこの手順だね」
「なるほど、こんな将棋だったのか」

「これは有名な【マムシのと金】だね!」
「意外にも巳年に相応しい将棋だったんだね(笑)」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 18手で詰み
  • 3手目に7筋の歩と歩がぶつかった
  • 駒成りは歩が九段目へ成った手のみだった
  • 4手連続“と金”で金駒(銀or金)を取った

※4回連続“と金”を動かして金駒(銀or金)を取って下さい(歩成で駒を取るのはカウントしません)


出題のことば(担当 DD++)
   これも悩むところは1箇所だけかと。

追加ヒント:
   「79歩成」から横に動いて「39と」まで。問題は紐駒ですが、後手陣から大駒を持ってくるのが早そうです。


推理将棋63-2 解答  担当 DD++ Suiri632

▲7六歩    ▽7四歩    ▲7五歩    ▽3四歩
▲6六歩    ▽同 角    ▲7四歩    ▽7八歩
▲6八銀    ▽7九歩成  ▲4八玉    ▽6九と
▲5九銀    ▽同 と    ▲3八玉    ▽4九と
▲5六歩    ▽3九と  まで18手

これも18手ですが、情報はかなり豊富です。まず3手目までは▲76歩△74歩▲75歩確定。まず先手は金銀を縦横ひとつながりにするのが必須。さらに金銀4枚を取られたところで王手される必要があるので、最低でも▲48玉▲38玉▲68銀▲59銀とした形が必要ですね。この形を見ると後手も、△78歩△79歩成△69と△59と△49と△39と(または48と?)、を指すのはほぼ明らかで、当然歩を打つためにはぶつかった歩は▲74歩と先手が取るのでしょう。

これであっという間に18手中14手の内容がほぼ決定しました。残りは先手2手と後手2手。それでやることは「後手が歩を取る」「39とに紐付け」または「後手が歩を取る」「48とに紐付け」「△48銀と上がる」。紐駒に何を使うかですが、取った金銀は使えません。一度金銀を取ればそのまま取り続けて詰みですから、打つ暇がありませんので。

ではまさか自陣から? と考えると実は1つだけ可能性があるのです。それは△34歩△66角▲56歩。後手が歩を取るのも残り1手で先に▲66歩としておけばクリア。あとはこの18手の内容が上手く交互に指して成立するかですが……なんと15手もあるにも関わらずちゃんと指せる順番は絶妙なタイミングで成立するただ1通りだけ。そしてそれがずばり作意でした。

ところでこの問題、成駒が朱で書かれた駒を使うと、と金で朱字の「一」が書かれての詰みになります。チャンプさんも狙っていたのか偶然なのかはわかりませんが、おめでたいですね。

それではみなさんの短評をどうぞ。

チャンプ(作者) 「数字ではなく巳年をテーマに構想を練ったところ【マムシのと金】に辿り着きました。テーマから手順を創作したので条件が少し強引にはなりましたが、手順の流れとしてはそれなりに満足のいく仕上がりになったと思っています。ただ投稿してから少しずつ条件を修正したので難度が分からなくなりました(笑)皆さんいかがでしたでしょうか?」

■発想のポイントがさすが詰将棋よりも指将棋を専門にしてる方だなあと感心させられました。

橘圭伍 「と金で金駒を4連続で取るのが作図の切欠ですかね。条件付けには若干不満ありそう」

■おそらく7筋を明かさざるを得なかったのはチャンプさんにとって痛恨だったでしょう。

渡辺 「条件から後手しかと金が作れないので最後の条件の連続は後手だけの連続で良いのですよね。8手目にと金を作るのは無理で、10手目だと手段が沢山(歩成の位置で1、3、5、6、7、9筋)あって迷いましたが、後手の他の駒が良い位置に来るのが66角でした。最終48とを予想しましたが手が足りず、遠そうな39が正解とは意外。」

■連続に関して、その通りです。最終条件に「後手は」をつけるべきでしたね、失礼しました。

NAO 「歩を取りながら急所の66に角が移動すれば必然手の連続。しかし、4手目34歩が平凡すぎて盲点になり悩みました。」

■この条件で34歩を突く余裕があるという印象は確かにあまり受けません。

斧間徳子 「6筋で歩を取る意外性と、面白い詰上がり形が出色。」

■普通は66地点の応酬といえば△66角▲同歩の方ですものね。

妙高仙人 「最終手で金気を取って詰む形はこれ。今回の初級・中級は、くるくる推理だね。」

■反復趣向とは少し趣が異なりますが、長くてもやさしいという点ではまさに。

はなさかしろう 「巳年でマムシ、ナイスアイデア! ですが、のみならず。個人的には今回の最難問。不可能では? と思いきや、7手目までに双方が歩を取る手順は思いのほか多彩。もう一枚の援助を歩の壁を越えて先手陣内に届かせるには角しかないので先の見通しが立たなくても序はこうなるところですが、最後に▲56歩! 王手がらみで手順前後が利かない見事な手順にも唸りました。」

■歩を取り合う手順は△75歩▲同飛みたいな同じ筋で交換する手順も多いですからねえ。

占魚亭 「金駒を打って詰ますと思っていたので、角を使うのは予想外。」

■後手が歩を打てる最短は8手目だ、ということを知っているかどうかでもこの問題の体感難度は分かれたかもしれません。

しまぎろう 「難しかったです。」

■初解答者にはかなり大変だっただろうと思いますが、それでも正解を入れてくるのはお見事です

はらたっと 「4手目75同歩としてしばらく悩みました。」

■先手飛車で取り返して78歩打ちから手が続きそうにも見えます。

隅の老人B 「4手目で大苦戦。ヒントに感謝、後は一直線。」

■ぶつけられると取りたくなるのが習性。

はやし 「後手の歩の入手に困ったが、並べてみると思ったよりも簡単でした。」

■手数が多い場合は暗算だとくだらない見落とししたりしますからね。

平井康雄 「この条件で手順前後が回避できていることに驚く。」

■運が味方につかないとこういう手順はなかなか発掘できません。

キリギリス 「最終形▲66角、▲39と、△38玉になるように手順を考えて正解にたどり着きました。」

■66角がけっこう思いつきにくい問題だったと思いますが、お見事でした。

水狂 「無駄のない動きになるものですね。」

■左銀は無駄のない無駄な動きという感じ。

たくぼん 「56歩を突く暇はないように思っていたけどマムシのと金の足は意外と遅かったのか」

■と金を作るまでが意外と遅いのが要因かと。

桝彰介 「後手の余裕手が2手しかないので、歩を取りつつ、と金と連携する66角はすぐ見えたが、詰め上がりが「48と」までと当たりをつけたので先手が一手足りず大苦戦。実戦終盤や詰め将棋で下から攻める39とまでは詰ましにくく珍しいので、なかなか思いつきませんでした。」

■七段目に壁がないとたしかに難しいですが、推理将棋だと歩が動かないので逆によく出る形なのです。

やまかん 「66角に気づけば易しかったが79銀の捌きは面白い。」

■一度逃げてから捨てる不思議な2手。

S.Kimura 「後手がどのように歩を取るのかと思いましたが,66角と取る発想が,なかなか出ませんでした.」

■こういう一石二鳥の手が手数不足を救うのです。

テイエムガンバ 「▽7八歩~▽7九歩成でと金を作って金駒を取って詰み、という手順はすぐわかったのですが、7筋の歩を交換、という先入観からなかなか抜け出せませんでした。。」

■目先に置かれた75歩は毒饅頭なのでした。

諏訪冬葉 「最初4手目から△72飛▲74歩△同飛 と考えてはまりました。」

■私もそれ、散々やりました。


正解:21名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん  しまぎろうさん  水狂さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  橘圭伍さん
  チャンプさん  テイエムガンバさん  NAOさん  はなさかしろうさん  はやしさん
  はらたっとさん  平井康雄さん  桝彰介さん  妙高仙人さん  やまかんさん
  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

7筋の一文を加えざるを得なかったのは確かに痛恨でした(苦笑)
この一文が無いとどんな余詰順があるかを考えてみるのもまた違った楽しみ方なのかもしれませんね。
【マムシのと金】は有名な飛香落ち定跡の12歩~11歩成からのと金の横這いをイメージして創作したので、
と金の横一直線については唯一最後までこだわり貫いた部分でありました。48と迄の詰み上がりであれば
投稿はしてなかったと思います。ただ、朱字の「一」という発想まではありませんでした(笑)

投稿: チャンプ | 2013.02.27 11:42

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