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推理将棋第67回解答(1)

[2013年6月28日最終更新]
推理将棋第67回出題の67-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第67回出題  推理将棋第67回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第67回解説  担当 DD++

今回は中級の短評が担当の予想に反して阿鼻叫喚になっていました。もしかしてこれは上級で出すべきでしたかね……。そんな中、速攻で全題解答をくださった初解答者登場。嬉しい限りですね。

ついでに問題募集のお知らせです。毎年9月は94形式の出題としています。今年も第70回でやりたいと思いますので、問題案がある方は7月末日までにぜひともご投稿ください。94形式がどんなものかは、第36回第48回第59回をご参照くださいませ。


67-1 初級 渡辺秀行作      41馬迄で詰み       9手

「さっきの将棋、41馬まで9手で詰めたとき、先手は持駒なしだったよ」
「そうだね、9筋への駒打より後に5筋の着手があったね」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 41馬まで9手で詰んだ
  • 終局時、先手持駒なし
  • 9筋への駒打より後に5筋への着手があった

出題のことば(担当 DD++)
 41馬を作るのかかる手数は何手?

追加ヒント:
 41金を52へ上がるだけでは96角の利きの邪魔なので、そこからさらに……。


推理将棋67-1 解答 Suiri671

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2二角成  ▽6四歩
六角    ▽二金左  ▲3二馬    ▽6二金寄
4一馬    まで9手

指定地点への馬の着手というのは短手数においては大ヒントです。ましてその位置が41となれば、76歩から角を成ってもさらに2回馬が動く必要があり、先手5手中実に4手もこれに費やされることになるわけです。

もちろん馬1枚だけでは攻め駒としては不足。よってあと1手は41に駒を利かせる手ですが、自陣から41まですぐに届く駒はありません。よってこれは駒打ちしかなく、それも条件から9筋から41に利かせる手ということになりそうです。91飛の利きを通すのは現実的でないので、96角と打つ手に決定ですね。

さて、一方後手は何を指せばよいでしょう。まず先手角に22に直接成ってもらって角をわたさなければいけないので34歩は確定。それから96角の利きが41まで届くように64歩も確定。そして玉が詰むためには62になにか後手駒を置いておく必要があり、これに1手。あと手をいれる必要があるのは41の金ですね。これがこのまま41に居座ると先手が最終手で金を取ってしまって条件に合いません。残った1手はこれを逃げましょう。

さてこの金の行き先ですが、最後に31、51、42のいずれかにいると41馬に同金とできてしまうのでダメ。52にいる場合は96角の利きが遮られるので41馬に同玉でダメ。ならば32、と思いたいところですが、22馬が駒を取らずに2手で41へ行けません。あれ、と首を傾げるところですね。

ここがこの問題のキモ。別に金を逃げる手が1手だけとは限りません。62になにか後手駒を置く手は金を逃げる手と二重の意味をもたせる手となりえるのです。つまり52金左から62金と2手かけて2つの課題を同時にクリアすればいいわけですね。これを52金左を96角の後まで待つように指せば作意となります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

渡辺(作者) 「41馬の実現には76歩、角成、馬移動、41馬の4手その途中で取った駒を9筋に打つことから、41に利く96角も想像に易いと思います。あとは持駒条件から角以外は取らないように移動すれば、76歩、34歩、22角成、?96角、?、32馬、?41馬まで。あとは64歩の着手と41金の移動が必須となれば解けたも同然でしょう。」

■私は解説を丁寧に書きましたが、かいつまむとこれだけで解けるんですよね。

橘圭伍 「41馬と9筋着手から分かりやすい。左金で角筋を消す事で2度動かす辺りが巧い」

■守備駒を2回動かすのを限定するのはなかなか難しいはずなんですが、さすがというべきか。

斧間徳子 「9手目41馬となれば、9筋の駒打ちは96角しかない。」

■詰みに無関係な駒打ちなんてしてる暇ありませんものね。

NAO 「手順前後と非限定が多そうな筋。少ない条件で馬の軌跡を限定してますね。」

■馬は角を取らせればまだ楽ですが、金が。

キリギリス 「9筋に打つ駒は41馬の足になる96角と想定して考えました。」

■初級はだいたい素直に想定していけば解けます。……のはずです。

はなさかしろう 「最終条件がいかにも巧み。金の移動が好感触でした。」

■渡辺さんの得意技。

チャンプ 「作者特有の条件付けで巧く余詰めと手順前後を回避しているのが好印象。初級ながらも緊張感のある手順だと思います。」

■96角なんていかにもな手も含まれてますしね。

はらたっと 「先手持ち駒ナシで馬の動きが限定されました。」

■持駒なし条件がここまで綺麗に働くのも珍しいものです。

平井康雄 「「9筋の後の5筋」が巧妙。この1文だけでかなりの部分が限定されるのには感心した。」

■角の打ち場、金の軌跡、手順前後と八面六臂の活躍。

しまぎろう 「手順限定の方法が面白いですね。」

■渡辺さんの限定手段は独特です。

占魚亭 「取れる銀を取らないとは慎ましいですね。」

■お礼に32馬も取らないであげた結果がこれです。

隅の老人B 「金を逃げる?のが、好手。短い?条件、これまた良しです。」

■41馬までというのが手数とくっつけられているのでスッキリしてます。

たくぼん 「金の移動がユニーク。持駒無し条件がよく利いている」

■左右逆の52金右42金寄はよく見るんですけどね。同馬と取らせる目的で。

ひろぽん 「角を打つ場所が分かればあとはすんなり決まるかな」

■初級ですから、さっくり気分よく解いてくだされば。

S.Kimura 「左金をわざわざ2回動かして壁を作るところが良いですね.」

■それをいかにも気取らせない条件が素晴らしいです。

鈴木康夫 「41馬を支えるのは9筋に打った駒すなわち角だと判れば簡単でした。」

■むしろ迷う余地を探すほうが難しいかもしれません。しかし初級はこれでよし。

やまかん 「金の動きがいいね。」

■実戦でもこの金の動きを振り飛車相手に……さすがに暴挙ですか。

諏訪冬葉 「41馬とする前に金を動かす必要があったのですぐ浮かびました。」

■さすがに一度取って打ってまた41馬は無謀ですからねえ。


正解:19名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん  ジェシーさん  しまぎろうさん
  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  橘圭伍さん  チャンプさん  NAOさん  はなさかしろうさん  平井康雄さん
  はらたっとさん  ひろぽんさん  やまかんさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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