大道棋よもやま話 第15回 思い出の双子問題解答
[2013年7月5日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2012年12月号掲載
大道棋よもやま話 第15回 思い出の双子問題解答 加藤 徹
私が大道棋辞典の大道仙人こと田代邦夫さん、最後の常設大道棋屋黒田栄さんと知り合うきっかけとなった、思い出の双子問題。
解答の前にちょっと思い出話を。この作品を発表した詰パラ'74年10月号を見てみると、大道棋辞典の連載や大道五目並べ必勝法の連載があったり、読者サロンには大道棋実見として実戦局の紹介があったり、そして大道棋研究室は鶴田諸兄主幹が担当して毎月3題出題、解答発表では某大道棋屋(じつは黒田さん)の実戦報告があったり、この頃大道棋屋は減ってきた時代ですが、詰パラ誌上ではまだまだ大道棋熱が続いていたのです。
問題1(この図) 加藤徹
84龍、同玉、64飛、74角合、同馬、94玉、96馬、84歩、72角、83桂合、
同角成、同玉、74馬、72玉、63飛成、81玉、83龍、82金打、63馬、71玉、
53馬、62歩合、同馬、同玉、74桂、61玉、62歩、71玉、82桂成、同金、
61歩成、同玉、62金、同玉、82龍、63玉、73金、64玉、62龍迄39手。
某大道棋屋「一回目4本取り逃げ損ないで詰まされる。二回目19本取り、三回目17本取り正解なし、好作です」
お客が詰めそこなって失敗することを「1本取る」という。
この類型の元祖作品。誘い手が多いので、かなり稼げたようだ。
問題2(51歩追加) 加藤徹
84龍、同玉、86飛、85角合、同馬、73玉、63馬、同玉、83飛成、73飛合、
72角、62玉、63歩、71玉、81角成、61玉、71馬、同玉、73龍、81玉、
71飛、92玉、91飛成、同玉、82金迄25手。
51歩は問題1の詰め方に一見関係なさそうに見えるが、この歩があると82金打のところで82金上として逃れる(変化の52香成を取れるので)。
その代わり51歩があると、3手目86飛という全く異なる手順が成立する。
この手順も一見51歩には関係なさそうだが、問題1で本局の詰め方をすると71馬を同飛と取られて逃れ(62歩成、同玉、53香成で51玉と逃げられる)。
51歩1枚で生じる微妙な違い、味わっていただきたい。
◇大道棋14 加藤徹 正解
84龍、同玉、87飛、85角合、75金、同玉、85馬、64玉、75角、73玉、
63馬、イ82玉、64角、92玉、81馬、同玉、83飛成迄17手。
イ同玉は83飛成、52玉、53龍以下17手。
この類型の入口は、84龍から64飛か86飛、あるいは96歩から84龍の3通り。それ以外の入り方にできないかと考えてみたのが本作である。 (技術3 常識の裏をかく)
その手順が87飛の限定打から75金捨て。76の駒が桂なので86飛から76飛が目に映り、心理的に作意が見えにくくなっている。
この手順が見えれば、あとは気持ちよい馬のダイビング。
天津包子「3手目64飛や86飛で苦戦しました」
佐藤司「87飛が見えず暗算解答を放棄、盤に並べた瞬間、87飛が映り・・・。空しい堂々巡りは何だったのかな」
鈴木彊「57香の配置が絶妙でした」
竹中健一「初級向きにちょうど良い感じ。結構狭い王様でしたね~」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
◇解答者 20名 正解18名
【正解者】 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋15 加藤徹
この類型から66金配置の問題をもう1題出題します。
解答は12月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で1名に加藤徹好形大道棋50番「ドキドキストリート」などを贈呈。
注1)上記の思い出の双子問題は下記で手順を並べられます。
注2)上記の大道棋14の解説および全短評はこちら。
注3)上記の大道棋15の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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