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鳥越九郎さん逝去

[2013年9月21日最終更新]
Torikoshi 詰将棋パラダイス2013年8月号に訃報。
「二瓶誠さんが6月14日、亡くなられました。享年80歳。ご冥福をお祈り申し上げます。」

鳥越九郎さんこと二瓶誠さんは多数のペンネームを駆使してユーモアあふれる詰将棋を発表されていた。初期の棋村迷人から鳥越九郎名での入選回数が100回に近くなると、同人入りを避けるため?その後は青木みどり、鳩成平などを使っていた。常盤兼成、今田藤四郎、伊佐坂棋印、久留島義礼といったペンネームも鳥越さんとのこと。

四百人一局集には「2001図式」を掲載しているが、これはなんと算盤の珠で2001を表現したもの(43と44飛|13玉|飛)。9筋に香桂銀金・・・と9枚並べた「実戦型詰将棋」とか、馬を4枚使った「駟詰め」とか、ぶっとんだ発想の詰将棋が多かった。

私が好きだったのは、読者サロンなどに書かれていた昔の詰将棋発見シリーズ。xx神社の絵馬とかxxで見つかった古文書に伊藤xxの詰将棋があったというもので、もちろん冗談なのだが、真に迫っていたので、研究家が間違って引用してしまうこともあったほど。

鳥越さんのユーモアを偲んで、有名な「十手詰」を掲載したときの文章を紹介しよう(詰パラ1955年12月号より)。

Juttedume 珍品 十手詰

古来詰将棋の手数は奇数に決っていて、流石の看寿先生もこの制約を打ち破る事が出来なかった。他人に出来ない事をやってみたいのが天邪鬼の通例?小生もその選に洩れず、偶数手詰を作らんものと、臥薪嘗胆、五年間の苦心の末、完成したのが左の十手詰である。古今にその例を見ざる珍品故ヨーク鑑賞されたい。

ナニナニ.7手で詰んで了うが早詰ではないかッて?
サーテネ。    旭川 鳥越九郎

★十手詰とは珍品だが、眉にツバしなければならんと思ったら案の定次の追伸が速達で届いた。

☆追伸 十手詰の文中、五年間とあるのは五分間の誤りでした。ツイソソツカシイので間違えました。

謹んでご冥福をお祈りします。


2013年9月20日

  • Web Fairy Paradise 第63号 (PDF) (Web Fairy Paradise
    青木みどり氏フェアリー発表作品一覧
     「本年6月14日に二瓶誠氏がお亡くなりになりました。享年80歳。ご冥福をお祈りします。氏は青木みどり名(明石六郎・赤白黒に対抗して青黄緑)でフェアリー作品を発表されています。今回青木みどり名での発表作を当時の解説を含めて掲載します。 ・・・」

2013年8月6日

  • 鳥越九郎氏死去 (詰将棋 駒の舞(別館)
     「どう呼べばよいのか不明の、ペンネーム魔ですが一応上記でしょう。私は、二瓶さんと呼んでいました。他のペンネームは、個人的にあまり親しみはないです。印象はカメラと丸眼鏡です。会った事は少ないですが、私の名前は憶えてくれていました。 ・・・」
  • 最近お亡くなりになられた詰キストの皆様の思い出 (詰将棋の会合 香龍会
     「・・・ 詰パラ平成3年9月号に掲載された短編競作展の解説のときには、投稿図に添えられていた青木みどりの自画像を載せたり、私自身も「鳥越九郎」というペンネームの誤植を狙って(?)「烏越九朗」というペンネームで解答したり、「青木みどり」というペンネームに対抗して(?)「青木あかね」というペンネームで初形イの安南詰を投稿したものです。 ・・・」

2013年8月3日

  • Problem Paradise@propara
     「鳥越九郎さんが亡くなった。この人については、あまりにも愉快なエピソードが多すぎるが、そのなかでもとびきりは、同人作家になりたくなくて、「青木みどり」という別のペンネームを使いだしたことだろうか。実はわたしも、これから多作になれば同人作家になることは理屈として可能。どうしたものか。」
     「詰将棋界には俗に言う「三奇人」がいて、この三人から怪文書をもらうとマニアとしては一人前と認められたものだ。鳥越九郎さんから来るハガキは、そういうたぐいの攻撃的な怪文書ではないが、自然と不思議なものになっているという、まったくジャンルが違う怪文書だった。保存しとけばよかったな。」
     「鳥越九郎さんの得意技は、「棋友の家を訪問する」こと。まったく予告なしに、カメラを持ってフラッとやってくることが何度かあったなあ。その逆に、こちらが鳥越さんの家に行くことは一度もなかった。「加古川市 鳥越九郎」で郵便物が届くと言ってたっけ。どういうところに住んでたんだろう。」

2013年8月1日

  • 詰将棋パラダイス2013年8月号 編集室
     「二瓶誠氏が亡くなられました。昭和8年生れで享年80歳でした。多数のペンネームを駆使、初期から中期までは棋村迷人、鳥越九郎、後期は青木みどり、鳩成平名義で作品を多数発表し、その数は2百局近くあります。不採用作品を返送すると、必ず手紙が来ましたが、今年の1月24日付が最後でした。体調が悪かったと思います。氏のご冥福を心よりお祈りします。(柴田)」

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