« 詰将棋メモ(2013年10月12日) | トップページ | 詰将棋メモ(2013年10月13日) »

推理将棋第70回解答(3)

[2013年10月13日最終更新]
推理将棋第70回出題の70-3の解答、第70回出題の当選者(橘圭伍さん) を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第70回出題  推理将棋第70回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


70-3 中級 渡辺秀行さん作    4段目の角は何処?    9手

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 6手目は6段目
  • 7手目は5段目
  • 8手目は4段目に角
  • 9手目は3段目

出題のことば(担当 DD++)

 もちろん条件の全てが詰みに関わる手とは限りません。

追加ヒント

 角が派手に動き回りますが、実は詰みの主役は角ではなく飛車(龍)。


推理将棋70-3 解答  担当 DD++ Suiri703

▲7六歩    ▽4二飛    ▲3三角不成▽5二玉
▲4二角不成▽6角    ▲5飛    ▽8四角
▲5飛成  まで9手

着手段が順番に並んでいますが、場所が場所なのであまり簡単にクリアできる条件とも思えません。最終手3段目はともかく、6~8手目が全て中段。初形から詰ませるには先後合わせて最低7手有効な手が必要なので、このうち最低でも1手を詰みに結び付けなくてはなりません。しかし6段目の手は駒を先手に受け渡す手には使えませんし、最後に四段目に角を動かすのも詰みに役立つとは思えません。

だとするとやはり怪しいのは7手目の五段目の手。ぱっと思いつくのは65桂として53桂成ですが、残念ながら角が1回しか動けないので51地点を塞ぐのが間に合わず。ならば65桂から73角成と考えようにも8手目に四段目角など指す余裕はありませんね。ということは狙うは駒打ち、それも五段目から後手陣に届く飛香打ちという線が濃厚になります。ここまで予想が付けばそこからは難しくありません。

取った後の角の位置を考えて「76歩、42飛、33角不成、52玉、42角不成」と玉腹の角を作る手筋を思い出せば、あとの4手は条件があるので簡単ですね。6手目の六段目として指せるのは「66角」のみ、7手目は53に利かせて「55飛」、8手目は44に引けないので「84角」と引き、最後は「53飛成」で詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

渡辺(作者) 「後手が6段目に指したこと、続いて4段目に角を指したこと、から考えて頂ければ解き易いかと思います。」

■と、作者の意図は私の解説とは逆順だったようです。最初から66角84角を決め打ちしてしまえということですね。

斧間徳子 「最近見たような手順と思ったら、先月の69-3とよく似てました。」

■そういえば。

チャンプ 「これは素直な問題で助かりました。最終4手を明かすだけのヒントで最大何手ぐらいの作品ができますかね?」

■どうなんでしょうね。最終4手の棋譜をまるっと明かしてよければそこそこの長さができそうですが、面白いかとは別問題ですし難しいところ。

しまぎろう 「無駄手の使い方がさすがですね。」

■条件を整えつつ多数の余詰を消すさすがの手腕。

占魚亭 「角桂で詰めると思っていたので、この詰み形に辿り着くまで時間がかかりました。」

■角桂9手の形は先手が後手陣に手を加えられないことを知っておくといいかも。

橘圭伍 「55に駒を打つ事で4段目への退路を断つのは分かっていても巧い」

■実は打たなくても53に利くとまずかったりするんですけどね。

EOG 「なぜか難しかった。」

■解けてみるとなんで難しかったのかわからない、推理将棋ではよくある話です。

はらたっと 「条件から5段目飛打ち3段目飛成が早いかなと思ったらビンゴ!」

■数を解いている経験が活きた感じですね。

NAO 「69-3のイメージが残っていたので、すぐ解りました。」

■NAOさんならそうでなくてもすぐだったでしょう。

変寝夢 「76歩指定で30分4600万局面。別に利きを遮る必要が無いのに5五飛なのが面白い。前半手が広いのは難しそう。」

■あ、これでも76歩だけで30分に収まるんですね。6手目に条件を満たす手がなくてバッサリ切られる枝が多いからかな?

S.Kimura 「6手目と8手目は見当が付いたのですが,7手目と9手目が浮かばなくて苦労しました.」

■桂の方を考えちゃいました?

中村雅哉 「これは初級クラス。1分掛からなかった。」

■経験豊富な方にはすぐわかる問題です。

やまかん 「最初は戸惑ったが飛車を取ればいいのではと思ったらほどなく解けた。」

■そこが見えるかどうかがほぼ全てだったかと思います。

キリギリス 「ヒントを見るまで飛車とは全く思いもよりませんでした。」

■これは経験が物を言う問題でした。

隅の老人B 「条件を付けて無駄手?の行き先を決める。パスは出来ないからね。」

■パスはできない、制作側にも解答側にもよく障害となりますね。

chemical 「5段目から3段目という文章を見て桂馬を連想して苦戦しました。」

■ふっふっふ、見事に引っかかりましたね。

たくぼん 「無意味な66角~84角がなんだかユニークですね。」

■珍しい動きです。

ひろぽん 「王手が続くように金を渡す42金と角の不成がおもしろいです。」

■5手目42角は推理将棋だとけっこうな割合で不成だったりします。

諏訪冬葉 「「6手目に6段目に出た角を8手目で引く」「引く場所が一意的なので多分最終手が53だろう」と予測して手を進めたら予想通りになった・・・が、この手順だとそもそも44に引く手は存在しなかった。」

■44に引けない理由の重複だけはちょっと残念なところではありました。


正解:19名

  EOGさん  HMさん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん
  chemicalさん  しまぎろうさん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん>  橘圭伍さん  チャンプさん  NAOさん  中村雅哉さん
  はらたっとさん  変寝夢さん  やまかんさん  渡辺さん


総評

斧間徳子 「奇しくも(?)最初の2題はよく似た手順ですね。94問題は4つの条件をいかに揃えるかが大きな評価ポイントになりますが、今月の3題はこの点、すばらしいです。」

■この2問が別に打ち合わせたわけでもないのに揃うというすごい偶然の産物でした。

チャンプ 「この流れで行くと来月は難問が揃うパターンですね。皆さん覚悟しておきましょう(笑)」

■上級はハマるかもしれませんが、初中級は71回も簡単です。

しまぎろう 「94問題は解きやすく楽しいですね。来年は上級を狙います!!」

■投稿楽しみにしています。

占魚亭 「3に苦戦しましたが、なんとかヒント前に全作解けました。」

■おめでとうございます。

橘圭伍 「久し振りに全題が真に易しい気がします。この位の作品ばかりだと気楽に解けて良いですね」

■このくらいの簡単な作品の投稿が多ければもっとやりたいんですけどね。

はらたっと 「94問題は解き心地爽快でした。」

■次回は出題者側で、とかいかがですか。

NAO 「3問に共通する着手が4手(76歩,33角生,42角生,52玉)もありましたが、微妙に味の異なる手順になりましたね。94も奥が深い。9月4日に解答します。」

■まあ94形式で限定しやすい順ですしね。それでも条件はこの通りバラバラなのも奥深さ。

変寝夢 「ソフトでの解答及び検討ですが、数十時間という単位なら難しいですが、検討に数百時間ぐらい(1ヶ月前後)使う人なら大丈夫かと思います。結局時間が左右されるのは手数ではなく、ある起点からその終点まで不確定な手数がどれぐらい空いているかというところです。具体的に申し上げると、3手ごとに確定できる条件が入っていれば長手数でも速く解けますが1カ所でも5手確定できなければと簡単な9手でも相当かかります。要は9手の作品でも条件が後ろの4手に固まっていれば相当難儀するのです。そういった意味でこのタイプの作品は早く解けるのではないかと思っています。」

■いつぞやの「打つべし」各種などは20手超えでも一瞬なのでしょうね。

やまかん 「今回は少し易しそうだったのでヒントなしで頑張って解いてみました。それではよろしくお願いします。」

■今回はノーヒント解答の方が多くて安心していられました。

隅の老人B 「9月15日 台風が近づいているらしくて、朝から雨。外出もままならず、それなら「おもちゃ箱」の推理将棋を解こう。暇な爺さん、これで一日?過ごします。」

■一方その頃愛知の東側は干上がるまで1日を切ったダムに雨が降って歓喜していました。代わりに私がぶっ倒れましたが。


推理将棋第70回出題全解答者: 20名

  EOGさん  HMさん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん
  chemicalさん  しまぎろうさん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん>  橘圭伍さん  チャンプさん  NAOさん  中村雅哉さん
  はらたっとさん  ひろぽんさん  変寝夢さん  やまかんさん  渡辺さん

当選: 橘圭伍さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知 らせください。

|

« 詰将棋メモ(2013年10月12日) | トップページ | 詰将棋メモ(2013年10月13日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 推理将棋第70回解答(3):

« 詰将棋メモ(2013年10月12日) | トップページ | 詰将棋メモ(2013年10月13日) »