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推理将棋第72回解答(1)

[2013年11月28日最終更新]
推理将棋第72回出題の72-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第72回出題  推理将棋第72回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第72回解説  担当 DD++

桂馬特集、いかがだったでしょうか。ダブル上級は桂馬よりむしろ先手金銀に惑わされた方が多いようですが。


72-1 初級 DD++作        早馬           9手

「昨日9手で詰まして勝ったんだって?」
「うん。飛車の手があったんだけどそれより前に7~9筋全てに桂馬の着手があったよ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 飛車の手より前に7~9筋全てに桂馬の着手があった

出題のことば(担当 DD++)

 初級ですから、素直に考えて大丈夫です。

追加ヒント

 9筋桂に何の意味があるかというと、93桂とすれば73地点の防御が消えるわけです。


推理将棋72-1 解答 Suiri721

▲7六歩    ▽9四歩    ▲7七桂    ▽9三桂
8五桂    ▽5二    ▲5五角    ▽6二玉
▲7三角成 まで9手

桂馬問題ウォーミングアップ。桂馬の手が早々に3回必要です。▲96歩▲97桂▲85桂▲73桂成あたりが目につきますが、73桂成の後に飛を指さなくてはいけないので、「▲96歩△74歩▲97桂△62金▲85桂△73金▲同桂成不成△飛の手▲金打ち」くらいしか指せず、1手足りません。

というわけで桂馬の条件は桂の活用効率度外視でさっさとクリアすることにしましょう。5手目まで「▲76歩△94歩▲77桂△93桂▲85桂」または「▲96歩△74歩▲97桂△73桂▲85桂」。ここから飛車の手を含めて4手で詰めば正解です。

ここからはこの2手順の差異を見ればなんとなく想像つきますね。初手で76歩の方を突いてあればここから▲55角▲73角成とした手がちょうど後手桂が跳ねてできた弱点に届きます。後手はそれで詰むように△52飛から△62玉で大丈夫。

それではみなさんの短評をどうぞ。

NAO 「55角から73角成の筋は余詰筋で出てくるんですよね。1条件でまとまるとは目から鱗です。」

■私自身も作ってみてからびっくりしました。2条件にするつもりで作り始めたので。

斧間徳子 「第一感は、96歩~97→85→73桂(駒取り)~駒打ちだったが外れ。よくある詰み型だが、条件が巧妙。」

■とても意外なことなのですが、実は▲73桂成または▲73桂不成を含む9手詰手順は存在しないようです。

やまかん 「攻め方の飛車を使うのは無理かな?と思ったら自然に解答手順がみえてきました。」

■短手数推理将棋で飛車とあったら大抵玉方ですね。攻方だとしたら自陣から睨みを利かす程度。

EOG 「条件の出し方がうまい。」

■百問以上作っているとさすがにこういう小手先の技術も身につくというものです。

まさ 「基本手筋ですね。」

■見た瞬間解けたという方も多いのではないかと思います。

鈴川優希 「非限定が多いことで有名なこの筋を1条件でまとめるとは。」

■8筋着手と6手目以降の飛車を確定させると一気に非限定は少なくなるんです、この順。

占魚亭 「53成桂・43or63桂の形が第一感でした。」

■その形は10手からですね。5手目65桂の時に後手桂が65には間に合わないので。

S.Kimura 「桂馬を動かす順序を少し考えましたが,「素直に考えて」解けました.」

■もし中上級ならこんな条件で桂をギリギリまで引っ張ったりして。

渡辺 「これは慣れれば簡単。」

■特に創作側の方は余詰順として常に警戒する順ですしね。

隅の老人B 「条件通りに桂を動かしてみる、あれ、詰んじゃった。」

■初級の感想としては一番嬉しい感想です。軽快に1問解いてもらうのが初級の役目なので。

はらたっと 「たくさんの手順前後と非限定を一気に解消させる条件付けが見事です。」

■作り始めた時はまさか1条件にできると思っていなかったので、掘り出し物でした。

波多野賢太郎 「9三桂によって7三の効きがなくなる、というヒントのおかげで解けました。桂馬の指し手条件だけでここまで決まるものなんですね。」

■今回の場合は加えて6手目以降に飛車というのが大きいです。これが金だと指す順番がもっとバラバラにできてしまうので。

しまぎろう 「1条件で全て限定できてて、いいです。」

■解くのは簡単、でもこういう1条件を作るのは至難……。

ひろぽん 「桂馬のスピード感がいいですね。」

■まさにタイトル通りでしょう?

chemical 「76歩が角桂両方の出口って所がミソですね。」

■先後逆だと△32飛▲33角成から飛角桂3枚の出口になる荒業も成立します。

鈴木康夫 「85桂の利きを生かして73角成までは直ぐに予想が付きましたが、何故か解けず数日経ってから再開したら何故かあっさり解けました。」

■そこまで見えてなぜ解けなかったのか、逆に気になりますね。

変寝夢 「いやーPCでの条件設定なかなか大変でした。XXの前にXXというのが曖昧なもんで。とりあえず8手目までで桂の手が3回、7,8,9筋の桂が1回ずつ、初手は76歩で複数解を出力。その中から手動で選別。という流れで1億3千万局面17時間でした。豆腐の角に頭をぶつけるようなラスト2手が大好きです。」

■「6手目時点で桂の手がなければNG」「8手目時点または飛の手出現時点で789筋桂各1回以上なければNG」「最後までに飛の手がなかったらNG」に分解したらいけませんかね? 最初のは5手目22角や6手目88角とする順の7手目8手目角打ち総当りをまるごと削る目的で。

諏訪冬葉 「5手目までに桂馬の条件を満たせば6手目に飛車が動かせるのに気付くまでに半日かかりました」

■条件でタイトルの「早馬」が龍馬ではなく桂馬のことであると気づけばもう少し早かったでしょうかね。

はなさかしろう 「73の防御を外す△93桂。簡潔で美しい問題のはずなのですが...この形に思い至るまで結構かかりました。」

■3手目▲97桂からの7手目▲73桂成を考えちゃいました?

橘圭伍 「次作に合わせて急造した作品か?」

■いえ、前から初級の穴埋め用に作っていつでも使える用リストに放り込んであった作品です。

チャンプ 「一条件しかないのに、うっかり条件違反をしそうになりました(笑)」

■一体何をしそうになったんですか(笑)


正解:21名

  EOGさん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  chemicalさん  しまぎろうさん
  鈴川優希さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  橘圭伍さん  チャンプさん  NAOさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  ひろぽんさん  変寝夢さん  まささん  やまかんさん
  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

63の歩が裏返ってますw

投稿: 渡辺 | 2013.12.04 00:13

>一体何をしそうになったんですか(笑)
私は飛を先に動かしそうになりました。

投稿: 渡辺 | 2013.12.04 00:18

渡辺さん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。

投稿: TETSU | 2013.12.04 08:32

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