大道棋よもやま話 第19回 利波さんの飛問題を改作
[2013年11月21日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2013年8月号掲載
大道棋よもやま話 第19回 利波さんの飛問題を改作 加藤 徹
第18回で出題した利波さんの新型大道棋、解答はよもやま話最多の31名様、しかも全員正解と客寄せの役割をしっかり果たしてくれました。またこの類型の改作を投稿してくださった方もいらっしゃいます。
そこで、今回はこの類型を素材として、第8回で紹介した大道棋改作の技術を実践してみました。皆様もこれを参考にして、ぜひおもしろい改作に挑戦してみてください。
技術1 簡素な原型を作る。
前回の例題(ドキ展29)が原型に近いので、ここから詰方76銀をはずした形を原型として考えましょう。この原型は不詰ですが、誘い手はしっかり入っています。
◇利波型飛問題原型(不詰)
誘い手としては
- 74飛、84合、同金。 2手目84角引で逃れ。
- 73金、84玉、74飛、93玉、83馬。 2手目61飛で逃れ。
- 93金、同玉、73飛、84玉、83馬。 4手目73同角で逃れ。
そのほか周りの配置によって、初手92飛・93飛・92金・82金・84金なども誘い手になり得る形で、簡潔な配置の割に非常に誘い手が多い原型です。
3枚の大駒は成生どちらも可能、85歩も桂香でも可能と、配置の自由度が高い点も原型として優秀ですね。
技術2 原型を元に改作
改作のポイントは次の3つ。
「好形を崩さない。」
「誘い手を消さず可能ならふやす。」
「読みにくい作意にする。」
まずは4×5内で作図してみました。
これも一桁手数の客寄せです。懸賞問題前のトレーニングにどうぞ。感想があれば大道棋19の解答とご一緒に。
◇大道棋18 利波偉 正解
84金、同玉、74飛、93玉、94馬、92玉、72飛成、82合、83馬迄9手。
桂が2枚あるので5手目94飛から74桂、73桂と行きたくなるが、同角で奉納。65桂は、この順や92金、61飛、93飛、84玉、73飛成以下の誘い手の為の大道棋特有の配置である。
前回のドキ展29の順(92飛、同飛、82金、84玉、83馬まで5手)は、75が空いているので失敗する。
山下誠「初手に飛びつきやすい紛れがあって、客寄せに最適ですね。」
前田知弘「大道棋の新型は創作するのが難しいと思うのですが、良さそうですね。今後の発展に期待します。」
藤川薫「ひと桁とのことでも、むずかしいです。」
原田雄二「大道棋問題が初めて解けましたので、解答致します。」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
◇解答者 31名 全員正解!
【正解者】 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋19 利波偉
10手台。入り方を間違えなければ簡単です。お気軽に挑戦してください。
解答は8月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で1名に加藤徹好形大道棋50番「ドキドキストリート」などを贈呈。
注1)上記の大道棋18の解説および全短評はこちら。
注2)上記の大道棋19の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
| 固定リンク
コメント