推理将棋第71回解答(2)
[2013年11月7日最終更新]
推理将棋第71回出題の71-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第71回出題 推理将棋第71回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
71-2 中級 DD++作 成大駒のカニ歩き 11手
「よし、この将棋2回目の龍の手で横移動だ」
「では、この将棋2回目の馬の手も横移動だ」
「あれ、11手で詰んじゃった?」
「そういえば飛車の手も角の手も2回だったね」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 11手で詰んだ
- 龍も馬も2回目の着手で横に動いた
- 飛車の手も角の手も2回だった
出題のことば(担当 DD++)
11手で龍を2回も動かす方法はかなり限られます。
追加ヒント
42龍と引いた位置が一番都合がいいのに横移動しなければならない、となればどこへ行くかは簡単ですね。
推理将棋71-2 解答 担当 DD++
▲7六歩 ▽4四歩 ▲同 角 ▽4二飛
▲5三角成 ▽4七飛成 ▲3一馬 ▽4二龍
▲3二銀 ▽6二龍 ▲4一馬 まで11手。
龍と馬が少なくとも2回着手される、というのはなかなかハードな条件。馬はともかく龍はまず作るのすら最短で6手ですから、まずは最短で龍を作るのを目指す必要がありそうです。6手で作る順は「76歩、32飛、33角(成)、王手対処、角(馬)移動、37飛成」か「76歩、44歩、同角、42飛、角移動、47飛成」のどちらか。いずれの手順でも後手はここから龍しか動かせません。
さてでは先手が5手目を含めた残り4手で詰ませられるのはどちらでしょう。一見前者の方が詰ませやすそうに見えますが、こちらはもう1枚の攻め駒の入手がネック。33から取れるものだと22角が目につきますが、これだと馬が玉から遠ざかる上に4手目に指した王手対処も邪魔になってギリギリ間に合いません。特に龍の残り2手が自陣に引いても嬉しくないのが痛いですね。馬を43や23に動かしても条件から金は取れませんし51馬などでは王手になってそもそも龍が成れません。33角(馬)という手は実は後手が有効手を指しにくい状況だと攻めに適さないのです。
というわけで正解は後者。これだと5手目に角を53へ成れるので、71馬と取った銀を72へ打ち、龍に42を塞いでもらって61馬まで。42を塞ぐ駒が生飛や金銀なら先手6手後手1手または先手5手後手2手という偏った手数になるものの合わせて有効手7手で済む早い攻めです。今回はその42の駒を無駄手を使って龍でやろうというわけですね。
ところがここで龍の条件で問題発生。47から2回龍を動かして42に行く場合、どうやっても2回目が横移動になりません。というわけでここで大胆な発想。53の馬を作った段階で関係する駒はほとんど左右対称配置になっています。よってここから先をまるごと左右反転して31馬から攻め、龍は42経由で62へ。これでちょうど詰みになって、作意となります。
1条件でありながら龍のために左右逆を要求されるなかなか面白い順でかなりの自信作、のつもりだったのですが、しかし1つとても単純な見落としがあって不完全でした。左右反転した結果41馬の後ろがずーっと自陣まで空いているため、32銀の代わりに48飛という奇手が成立。中村雅哉さんからご指摘の他、修正後も飛の方で解答される方がちらほら。修正は元の作意が銀だったのでそちらで修正しましたが、飛の方が手順はおいしかったですね。なお修正後に、
中村雅哉「手数+1条件での修正案として、作意は若干変わりますが以下の案はないでしょうか?」
(1)11手で詰み
(2)駒が31、41、42の3か所に成った。
作意:76歩、44歩、同角、42飛、53角生、47飛生、31角成、42飛成、48飛、62龍、41飛成まで。
という案をいただきました。おそらく成立していると思います。そして私も同じことは頭をよぎったのですが、解答募集をしている性質上作意が変えられないため泣く泣く断念しました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
NAO 「1テンポずらせてから馬を寄るため71でなく31銀を取る。32銀打が珍しい手。」
■33馬+32銀打ちという形は以前パラで出したことがありますが、32銀をひも目的というのは確かにあまりない?
中村雅哉 「9手目非限定(余詰)と思います。」
■はい、ご指摘の通りでした。申し訳ありません。
EOG 「龍は横に一マス以上動けるんだった。成ったあと2回づつ動くという条件がちょっと分かりにくい。」
■推理将棋では成駒と生駒は特に注釈がなければ別種扱いなのです。場合により念のため注意書きをすることもあるのですが……。
斧間徳子 「龍を横に動かすため、71馬~61馬ではなく31馬~41馬とするところがにくい。やはり1条件作品は簡潔でいいですね。」
■あとはそれで完全だったら文句なしでしたが、残念ながら欠陥品でした。
チャンプ 「普通に考えれば馬は先手、竜は後手になるので、馬の横移動が最終手、竜の横移動が詰み形を演出する一手と予想した上で解き始めたので悩まずに済みました。発見は出来ませんでしたが余詰め順は全く違う感じのような気がしてます。」
■慣れていればすぐ見える形ですよね。が、それゆえに自陣の駒なんて考えから除外されがちです……。
S.Kimura 「玉の退路を断つために龍が戻ってくるのが好手(?)ですね.」
■推理将棋の好手はたいてい好手と表現するのに違和感がありますよね。
はらたっと 「わざわざ強力な龍にしたのにこの有様。」
■きっと4筋6筋両方突破すれば強力だろうと思ったんですよ。
渡辺 「美しい条件ですね。後半は48飛を防ぐ意味で角の手2回は言わなくても良い気がしますが、良くも悪くも大道棋の花駒のような感じがします。」
■はい、追加条件はそういう狙いでした。1条件でなくなる時点で追加条件が短いことにあまり意味はなく、ならばいっそということで。
たくぼん 「作意はすぐ分かったが非限定箇所がよく分からないなあ」
■担当もがっつり検討したくせに気づきませんでした
はなさかしろう 「この筋が第一感。やはり銀より飛で行きたいですね。」
■飛があることに先に気づいていれば……。
占魚亭 「6手目までは一本道。竜を自陣に戻すことに気付けば万事解決。」
■あら、33角成には目もくれずですか。
鈴木康夫 「飛(龍)が後手の駒であることは直ぐに判りましたが、先手角は33から侵入させる物とばかり思って苦心しました。綺麗な手順ですね。」
■この龍の動きはかなり独創的だと思っています。
諏訪冬葉 「飛車角を早く成らせるなら44歩は定番」
■ですね。33角成はその後が続けにくい。
やまかん 「ヒントを見なければ絶対解けなかったです。序のパックマン風の手順が思いつくかどうかですね。」
■ベテランになると龍と聞くととりあえず44歩を突くようになります。で逆に3筋の問題で煮詰まったり。
正解:14名 双方解:中村雅哉さん
EOGさん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 鈴木康夫さん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん たくぼんさん チャンプさん NAOさん 中村雅哉さん
はなさかしろうさん はらたっとさん やまかんさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
なんと、、飛車の手の回数を数え間違えてました... 失礼しました、恥ずかしい(^^;
投稿: はなさかしろう | 2013.11.07 23:54