推理将棋第71回解答(1)
[2013年11月5日最終更新]
推理将棋第71回出題の71-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第71回出題 推理将棋第71回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第71回解説 担当 DD++
先月に続いて台風26号27号コンボのせいでバッタリ。今年は夏が異常に暑くて秋は台風だらけ、冬は寒さが厳しくなる予報と、何かと気象が荒れ気味ですね。来月こそ本来のスケジュール通りに原稿を執筆できればいいのですが……。
71-1 初級 山葵茶漬けさん作 マイペースな将棋指し 9手
「あれ、あそこの対局もう終わり?」
「なんでも、先手が2手続けて空成して9手で詰んだらしい」
「お、後手が2手続けて同じ駒を動かしたのが敗因とか聞こえるな」
「お互い2手続けてって、どっちもマイペースだねぇ」
「しかし、一体どんな将棋だったんだろう」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 9手で詰み
- 先手は2手続けて空成の手を指した
- 後手は2手続けて同じ駒を動かした
出題のことば(担当 DD++)
先手が成る駒はすぐにわかりますね。
追加ヒント
2回続けて動くのは41金。角空成のために逃げながら先手の手が届かない逃げ場を塞ぎます。
推理将棋71-1 解答
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2二角不成▽4二銀
▲3二角 ▽5二金左 ▲3一角成 ▽6二金寄
▲4一角成 まで9手。
2手続けて空成。珍しい条件です。それもそのはず、9手でこれをできる手順はほとんどありません。「76歩、34歩、22角不成」で始めて5手目に角打ち、後手が必死に駒を逃がして7手目9手目で連続空成が唯一条件を満たせる手順なので、この問題はこれをベースに後手の手順を整えるだけです。
さて、後手は既に34歩を指していて、残り3手中に連続着手があるのですから動かせる駒は2枚だけ。先手は角以外取れないのですからこの2枚で守備駒外し+空所確保+逃げ道塞ぎをする必要があります。
いくつか目につきやすい手順はありますが、何パターンか試していると二段目の利きを外すのはほぼ不可能なことと玉を移動させている余裕などないことに気がつくでしょう。そうなれば22の角を31へ成って打った角を41へ成る形にたどり着くのはそう遠くないはず。あとは62地点を塞ぐことと31銀のどけ方を間違えないように手順を並べて完成です。
それではみなさんの短評をどうぞ。
NAO 「第一感では2手動くのが玉。ハズレました。42銀のタイミングが微妙ですね。」
■32玉か72玉でしょうか。32玉は一見有力そうですが馬だと強すぎて逆に使いづらいんですよ。
中村雅哉 「方針が立てやすく客寄せに最適。」
■こういった初級がたくさん投稿されると嬉しいんですがなかなかうまくいかないもので。
EOG 「連続空成の条件が考えさせてくれる。」
■ただの連続駒成なら後手駒を取って排除できるので楽に達成できるんですけどね。
斧間徳子 「76歩、34歩、22角生の後、角打→角成→角成とするしかなく、あとは詰み型を考える問題。第1問にふさわしい軽好作。」
■しかし詰み形の候補が豊富なのであと一歩で解けそうという状態で足踏みになるという。それもまた大道棋的な面白さがあるといえるのかもしれませんが。
チャンプ 「一つ目の条件で最初の3手は確定するものの、その後の6手が2つ目の条件にことごとく行く手を阻まれ大苦戦。私にとっては、易しい条件+簡素な条件=難問となりました(苦笑)」
■さては32銀にはまりましたね?
隅の老人B 「空成り、でも、最初は駒取り、ずるいずるい。」
■駒取りと駒成を小分けにすることで巨大利益をひっそりと得る大人のやり口。
S.Kimura 「空成り2回にちょっと悩みました.馬が2枚並ぶのは見たことがないような気がします.」
■普通この順は22角成から23馬と引いたりあるいは14角と打たせたり、紐を遠くに置くように作りますから、31馬は普通すぎて逆にほとんど使われませんね。
はらたっと 「金銀は避難したのに王は間に合いませんでした。」
■62金寄でなく62玉と3人が1回ずつ逃げたらかなり攻めづらかったのに、臆病な金の大チョンボです。
しまぎろう 「31角成を空成にするための42銀が面白かったです。」
■しかも32銀だとダメというのも不思議ですよね。その場合どうしても途中で余計な王手がかかってしまって。
渡辺 「条件が綺麗。52玉を想像していたために意外と梃摺った。」
■手数+2条件でも条件が対になっていると見栄えはいいですね。
たくぼん 「逃げていく金と角成2発。玉が不動なののもちょっとユーモラス」
■金さえいなくなれば意外と玉座は脆いのです。
変寝夢 「3手目2二角生、5手目3二角指定で50万局面4分少し。3手目22角生指定のみで8800万局面15時間でした。2連続空成の条件設定が旨いと思う。」
■かなり荒い見積もりですが50万×41箇所=2050万局面くらいが5手目に他の場所に角を打った局面の読みで、残り6700万局面が5手目に角を打たなかった読みでしょうか。だとすると「3手目22角不成、5手目角打ち」でやるのが確実性と計算時間のバランスとして最適かもしれませんね。
はなさかしろう 「馬の並びが美しい。後手がかわしてかわして手数を合わせる感じですね。」
■題名とは裏腹に後手はけっこう必死な感じがしますね。
chemical 「馬が2枚並ぶことって珍しいですね。」
■斜めに並ぶことはそれなりにありますが横は珍しいです。そして縦は9手だとさらに珍しくなりますね。
占魚亭 「角から逃げる金銀。」
■そして置いてけぼりの王様。
鈴木康夫 「簡単な条件で見事に限定されているのが良いです。」
■一見後半が決まりきらないように見えてギリギリ足りています。
諏訪冬葉 「最初の5手はすぐ分かったのに先に金を動かしてはまりました。」
■前から考えるとこの銀は確かに思いつきづらいかも。
やまかん 「ヒントを見るまでは3手目22角不成も盲点で33角成としてどうやっても不可能じゃないのかと思いました。ヒントを見てからは金の動きは予想通りでしたけど42銀が盲点で相当考えてしまった。頭の中で考えてるときに32銀~31角打を閃いてやったと思ったら王手があって、がっくしでした。それにしてもこの問題は条件もシンプルで好作ですね。」
■悩ませてくれるけどそれが嫌な感じではない、という感じでしょうか。
正解:18名
EOGさん S.Kimuraさん 斧間徳子さん chemicalさん しまぎろうさん
鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん
チャンプさん NAOさん 中村雅哉さん はなさかしろうさん はらたっとさん
変寝夢さん やまかんさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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