推理将棋第73回解答(3)
[2014年1月24日最終更新]
推理将棋第73回出題の73-3の解答、第73回出題の当選者(変寝夢さん)
を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第73回出題 推理将棋第73回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
73-3 上級 チャンプさん作 少年の将棋は?(おもちゃ箱限定ver) 13手
少年A「君の将棋早く終わったみたいだけど、どんな将棋だったのか教えてよ。」
少年B「どんなと言われても、王手が3回あって13手で詰ませて勝っただけだよ。」
少年A「それだけでは何も分からないよ。」
少年B「仕方がないなー、じゃあ3回あった王手の内容を教えてあげるよ。」
少年A「そうこなくっちゃ!・・・って、これいつものパターン?」
少年B「〇四角の王手があった」
「〇五角の王手があった」
「〇六角の王手があった」
少年A「一応聞くけど、どっちの王手かは教えてくれないんだよね?」
少年B「全て僕(先手)の王手だったけど?(笑)」
少年A「あれ?じゃあ後手は一体何をしてたのかな?」
少年B「相手(後手)は最初から4手連続全て異なる段へ着手してたよ。」
さて、どんな将棋だったのだろうか?(条件)
- 13手で詰んだ
- 2、4、6、8手目は全て異なる段への着手だった
- 王手は3回あり、その全てが先手の王手
- 王手の内容は
・「〇四角」の王手
・「〇五角」の王手
・「〇六角」の王手※全て棋譜表記のため、同・成・不成・打などは付きません
出題のことば(担当 DD++)
角の手の棋譜に成も不成もつかないためには?。
追加ヒント
3筋の角2枚で14玉を仕留めます。ポイントは15地点を後手が塞ぐことですが1手でどうにかしてください。
推理将棋73-3 解答 担当 DD++
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2二角不成▽4二玉
▲1三角不成▽3三玉 ▲3五角不成▽1五香
▲4四角 ▽2四玉 ▲3五角 ▽1四玉
▲3六角 まで13手。
この問題については本当に申し訳ございませんでした。冷静になればあれで余詰がないわけがない、というところなのですが完全に判断を誤りました。本当に皆様にはご迷惑をお掛けしました。
言い訳めいたものになりますが、この不手際の経緯を。実はこの問題、これでもかなりの回数修正されています。問題はその際の修正の仕方で、条件を追加ではなく変更するという形が取られていました。1回2回ならともかくそれを5回6回繰り返すと、「この手順はさっき確認したから大丈夫」(実は確認したのは1つ前のバージョン)という事態が次々発生して、「よし、余詰修正されたし他の順もひと通り確認したし大丈夫」(実は全然大丈夫じゃない)ということになります。今回送られてきた数々の余詰指摘も、古いバージョンでは大丈夫だったものがほとんどで、問題を修正するということについては慎重になってなりすぎることはないというのを痛感させられました。短手数のものなら機械検討にかけてもらうのも一案ですが、この手数この条件だと時間が恐ろしくかかるでしょうし、他に何か現実的な対処手段があればいいのですが。
さて、解答です。まず条件のためにはやはり角が2枚ほしいですね、ということで「▲76歩△34歩▲22角不成」は必然でしょう。さてここからですが、角は中段に戻りたい一方で後手玉には四段目まで出てきてほしい、という2つをどう両立するかがポイントになります。普通に考えれば「△42玉▲44~66角」と続けたいところですが、これだと次に△33玉ができません。
そこで発想の転換。角はどうせ玉がある程度上がってくるまで王手できないのですから、13角不成から回りこんできましょう。「▲76歩△34歩▲22角不成△42玉▲13角不成△33玉▲35角不成△??▲44角△24玉」でいい感じに進んでますね。手順の流れからするとここから「▲35角△14玉▲36角」とすすめたいところで、問題になるのは15地点。先手の手が残っていないので▲16歩は指せず、ではどうやって。
暗算で解いていた方は気づきにくかったかもしれませんね。13の歩がいなくなっているので、11香が8手目△15香と飛んでくることができるのです。これが本作の目玉の1手。おそらくチャンプさんが安全な修正を取りたがらなかったのは、この手の匂いを条件から極力消したかったからなのだろうなあ、と思います。
なお、余詰指摘をかなりたくさんいただきましたが、主に以下の4系統でした。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2二角不成▽5四歩
▲1三角不成▽5五歩 ▲4六角不成▽6四歩
▲2四角 ▽6二玉 ▲3五角 ▽7二玉
▲3六角 まで13手。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2二角成 ▽5四歩
▲1五角 ▽6二玉 ▲2六角 ▽4四歩
▲3一馬 ▽7二銀 ▲4一馬 ▽9四歩
▲4四角 まで13手。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲1六歩 ▽4四角
▲9六歩 ▽4二玉 ▲9五歩 ▽3三玉
▲4四角 ▽2四玉 ▲3五角 ▽1四玉
▲3六角 まで13手。
▲7六歩 ▽5二玉 ▲3三角不成▽4四歩
▲2二角不成▽4三玉 ▲5四角 ▽3四玉
▲4五角 ▽2五玉 ▲3三角不成▽1四玉
▲3六角 まで13手。
粗検深くお詫びいたします。
それではみなさんの短評をどうぞ。
チャンプ(作者) 「沢山の余詰めのご指摘ありがとうございました。余詰めが発覚してから改めて条件を見直してみましたが、こんな緩い条件で成立してるほど推理将棋は甘くないですよね(苦笑)さすがに夢を見過ぎました(猛省)散々な結果にはなってしまいましたが、ふわりと浮き上がる△15香の感覚を少しでも味わって頂けたら本望です。」
■私も相談いただいて何回かは余詰撃墜したのですが力及ばず申し訳ありませんでした。
はなさかしろう 「手の付け所に迷いましたが、先手が案外忙しいことに気付いたところで道が開けました。▲13角不成から△15香の周到な下ごしらえとショートレンジの角の王手、素晴らしい手順の面白い詰め上がりでした。」
■あとはこれで余詰がなければ完璧でした。
EOG 「13角から15香が好手順。」
■そういう手順があることは知っていても狙って作るのは難しいパーツです。
橘圭伍 「24経由で46角に55角が格好良く見えたがどう足掻いても詰まない。追加条件から2~8手目までに五段目着手があるのに気付ければ易しいですね」
■62や72近辺で詰ませる順が51金を使うことで追加条件をすり抜けないか不安でしたが、一安心。
渡辺 「どうやって後手が8手目まで4つの段を指すのかに悩みました。一つの方法は76歩、42玉、33角(成)、同玉、から玉が5段目まで上がる方法ですが、角を取られては無理そうです(取り返す方法もありますが同角が王手にならないようにするのが難しい)。それに成生条件がない以上、少なくとも作意ではありません。もう一つは玉以外を5段目以降に動かす方法で、35歩や後手角が無駄に出る(それでも66角は面白いのですが)以外の方法で自然に手順が決まる方法を考えると、上記順に辿り着きました。」
■最初の検討手順は33角が余計な王手になる時点でダメですが、やはり5段目(または1段目)の手を探すことでだいぶ近道になりましたかね。
NAO 「修正後の追加条件「異なる段」にはしびれました。指したい手がいろいろある2段目と4段目が1回ずつしか使えないとは・・・特に4段目2回なら手段多いのになあと思いつつ、玉の詰む位置が右か左か中央か解らず。後手の手で5段目を塞ぐ8手目が全くの盲点で、1筋で詰む形は10日後にようやく浮かびました。」
■この15香(95香)は私も何度出されてもなかなか見えるようになりません。
S.Kimura 「玉が中段に出てくるのではないかと予想はしましたが,条件が広すぎて難しかったです.かなり踏み込んだヒントを出してもらえたので,何とか解けましたが,そうでなければ,きっと解けなかったことでしょう.」
■15香を思いつかないと近い順を思いついてもすぐ捨てるでしょうから、難問だっただろうと思います。
chemical 「少ない条件で15香と走る妙手もある好作。」
■しかし最初のでは条件が少なすぎました。修正後だと多少ゴツい感じもありますしね。
諏訪冬葉 「ヒントを読んでから始めました。「33に玉を動かすために22角をどかす」と「13歩を消去して15香と出す」がつながって衝撃を受けました。」
■実にテクニカルな手順構成です。こういう順を見つけるとどうしても条件付けで無理したくなるんですよね……。
占魚亭 「五段目の着手の発見に苦労しました。」
■そうなると同じ歩を2回突いて詰む順を探したくなりますね。
隅の老人B 「いつもの癖で、「角生、角打」と書いてしまう。この手順で良いのかな?」
■「(王手条件は)全て棋譜表記のため、(それら王手に)同・成・不成・打などは付きません」という注意書きなので、他の手は普通に生と書いてくださって大丈夫ですよ
正解:14名
EOGさん S.Kimuraさん 斧間徳子さん chemicalさん 鈴木康夫さん
諏訪冬葉さん 隅の老人Bさん 占魚亭さん 橘圭伍さん チャンプさん
NAOさん はなさかしろうさん まささん 渡辺さん
総評
はなさかしろう 「前回は20分遅刻でなんとか最終回答者にしていただきましたので、今月は即答を目指しました。合っているのか一抹の不安はあるのですが。」
■大丈夫、全題正解です。今後はなるべく遅刻なさいませんよう。
鈴木康夫 「月内に解答送るのは久しぶりです。3に修正案がでたら再挑戦します。」
■まだ月末出題にしたばかりでしょうに、と書いてから確認してみたら実は半年も前の話でした。月日の流れる速さに愕然。
橘圭伍 「自作で表現上の問題を出してしまいました。以後は注意したいと思います。」
■担当としても今後はより注意深くチェックします。
斧間徳子 「今月は、最初の2題は条件がややこしく、最後の1題は余詰、と今一つすっきりしない3題と感じました。」
■最初の2題は条件のややこしさよりも注釈を含めた書き方の問題かと思います。以後このようなことがないように心がけます。
chemical 「前回は桂馬特集だったので、今回は桂馬以外が活躍してますね。お正月の特集が楽しみです。」
■というわけでお正月は馬特集ですのでがんばってください。
しまぎろう 「来年もよろしくお願いします。と書いておきながら1月の解答を年内に送るかもしれません(笑)。」
■はい今年もよろしくお願い致します。試験、うまくいくといいですね。
変寝夢 「新年は今より上級が沢山解けるソフトになりますように・・・・・。また担当様もお体ご自愛の程を。来年もよろしくお願いします。」
■本年もよろしくお願い致します。私は昨年後半もかなり無理していましたが、高3生が進路決めてくれるまで講師の方が力尽きるわけに行かないので2月末までは……。
チャンプ 「今年も最後の最後でまた得意の不完全作を披露してしまいました。また来年もめげずに作品を投稿していきたいと思いますのでお付き合いのほど宜しくお願いいたします。皆さん良いお年を。」
■初中上級いずれもドシドシご投稿いただけると担当して非常に助かります。
推理将棋第73回出題全解答者: 16名
EOGさん S.Kimuraさん 斧間徳子さん chemicalさん しまぎろうさん
鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん 橘圭伍さん
チャンプさん NAOさん はなさかしろうさん 変寝夢さん まささん
渡辺さん
当選: 変寝夢さん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト
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らせください。
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コメント
余詰順、いずれも
「2、4、6、8手目は全て異なる段への着手だった」
を満たしていないように見えるのですが。。。
投稿: 桂花 | 2014.01.25 00:35
桂花さん、「2、4、6、8手目は全て異なる段への着手だった」は、余詰があったので修正のため追加された条件です。出題のページをご参照ください。
投稿: TETSU | 2014.01.25 01:21