推理将棋第73回解答(1)
[2014年1月20日最終更新]
推理将棋第73回出題の73-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第73回出題 推理将棋第73回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第73回解説 担当 DD++
原稿を仕上げている本日、世はセンター試験初日。文系試験ばかりなので仕事で出番がない私は久々の休みで執筆しております。来年からは新課程教育を受けた生徒が受験に参入するため、センター試験も理科を中心に出題範囲どころか制度ごと変わるそうで。そんな話を聞きながら推理将棋の原稿を書いていると、ここでも何かガラッと違う形式での出題ができないものか、などと考えてしまいます。何か面白い形式での出題アイデアを眠らせてる方、いらっしゃいませんかね?
73-1 初級 橘圭伍さん作 秋珊瑚 9手
「9手で詰んでいたけどどんな将棋だったの?」
「先手は自身を除く3種の駒の効きがある地点へ角生・角成・飛打の着手を指していたよ」
「後手は自身を除く3種類の駒の効きがある地点へ金を動かしたよ」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 9手で詰んだ
- 先手は自身を除く3種の駒の効きがある地点へ角生・角成・飛を打つ手を指した
- 後手は自身を除く3種類の駒の効きがある地点へ金を動かした
※参考:「自身を除く3種類の駒の効き」の例
- 初手68玉とした場合、(玉を除いて)飛金銀が利いているので3種類でOK。そこから78玉は動かす前は飛の利きがないので金銀2種類でNG。
- 先手馬、後手角、後手金、後手金の4枚が利いている地点に別の駒を着手する場合は馬角金の3種でOK。
- 先手馬、後手角、後手金、後手銀の4枚が利いている地点だと4種になってしまうのでNG。
出題のことば(担当 DD++)
6手目まではあっという間に二択に絞れます。
追加ヒント
先手の条件は7手目までに満たして飛成でトドメ。2手目の駒種は金が正解です。
推理将棋73-1 解答
▲7六歩 ▽3二金 ▲3三角不成▽4二飛
▲同角成 ▽6二玉 ▲5一飛 ▽5二金
▲同飛成 まで9手。
何枚の駒の利きに着手、という条件は以前57-1や57-2でも出題されました。その時も駒の利きについて問題になったので注意深く注釈をつけたつもりだったのですがまだ不足だったようで、申し訳ありませんでした。
さて解いてみましょう。まず先手は3種の利きに3回着手しなければなりませんが、さすがにこの手数で敵陣に味方の駒3種の利きはないでしょう。また9手なので開き王手や両王手の詰みでもなさそう、と考えるとこれらは最終手にはなりえません。つまり、3手目角不成、5手目角成、7手目飛車打。3種の利きということも考えると「▲76歩△32金か飛▲33角不成△42飛▲同角成△62玉、以下」まではあっという間に決まります。
ここから「3種の利きに飛打ち、3種の利きに金、トドメ」という形にするには2手目に32金と金をどかしておいて「▲51飛△52金▲同飛成」の形しかなく、練習問題をいつも解いている方ならすぐに答えは見つかったかと思います
それではみなさんの短評をどうぞ。
橘圭伍(作者) 「題名は「三種の利き」→「サンシュのキキ」→「サンシュの木々」→「サンシュユの木々」という駄洒落?です。生薬なので効果とかでヒントにならないかとも思いますたが無理でした。」
■仮にうまくヒントになっていたとして、絶対伝わらないのでは……。
まさ 「条件が不明確でこれでいいのか自信がありません。「自身を除く3種の駒」とは、自身が角だったら角以外の3種が効いている必要がある、ともとれます。この場合上記解答では3手目33角生は条件を満たしません(22「角」の効きも除外される)。多分動いた駒の効きを考慮しないというだけだと思いますが、わかりにくいです。」
■仰るとおりですね。ここも注意書きをするか表現の修正を求めるべきでした。
はなさかしろう 「後手の条件を満たすのは2度目の金の手なのですね。形の良い詰め上がりでした。」
■8手目72金とするよりも最後気分がいいですよね。
鈴木康夫 「3種の駒に勝手に「自分の」と言う条件を付けて「不可能だ」と思ってしまいました。」
■そうなんです。「実はこれは書いてない」を見つけるのはけっこう大事。
EOG 「7手目以降利きの確認で少し考えた。」
■わかりにくい基準ですみませんでした。
渡辺 「飛打が7手目であることを考えると、最初の5手はほぼ確定(この段階では一応最終手角成の可能性もあり)するので、あとは条件を満す金を探せば良い。」
■角成の可能性があるというのは、9手だから開き王手はないし両王手は手順が限られているという消し方を最初にしなかった場合ですかね。
斧間徳子 「2手目32金は2種の効きだからNG、と思わせて後から52金。」
■条件を満たすことを焦るのは禁物なのと同様、こういうので正解を切らないようにも注意しないといけませんね。
NAO 「8手目52金は吸い込まれるような1手でした。」
■こういう最後に取らせるために動かす手、推理将棋だと多そうに思えて実際そうでもなかったり。
S.Kimura 「題名の読み方が分からなかったのですが,35で空き王手とか,ヒントになっているのかと思い,調べてみると・・ああ,そっちでしたか.」
■私も一瞬それを考えて、9手の開き王手までの詰みはないなと思い返し、検索して納得。
chemical 「初型で4枚も利いている52への着手で詰みとは面白いです。」
■同じ初形4枚利きの42地点での詰みは結構多いですけどね。62地点はあまりないかな?
諏訪冬葉 「よく見たら2手目が条件を満たしてなかったのであわてて8手目(最初72金を考えていた)を変えました」
■危なかったですね。
占魚亭 「2手目は飛車か金かで迷いました。」
■推理将棋ではそういう場合2手目は後から指すのが手筋(?)です。
しまぎろう 「条件をクリアしない2手目が指しがたかったです。」
■どうせ金なんて後でまた指す、と割り切れるかどうか。
変寝夢 「与えられた条件プラス、3手目までに角生、5手目までに角成、7手までに飛打(それぞれ3種の利きに打つように設定している)で5手目までに少なくとも1回は先手は3種の利きに打つ、5手目までに先手は後手の飛車を取る、初手は7六歩にして9000局面、秒殺でした。利きの数を数えるとき、先手の駒をうっかりしてしまいそうになりますね?。」
■こういう条件は機械のほうが強いでしょうね。数え間違いも(プログラムのバグがなければ)ありませんし。
隅の老人B 「なんとなく解けた気がする。あと2題、これで今年が暮れて行く。」
■そういえば今年は2ヶ月出題が1ヶ月ずれているので2013年は1年の出題数がこれまで最も多かったのですね。
チャンプ 「新しい感じの条件設定で面白いと感じました。解く側も慣れれば問題ないと思いますので、条件文の確立こそが今後の課題かも知れませんね。」
■駒の利き枚数は難しいんですよね。▲18飛としてから▲16歩とした場合、この歩の着手点に飛は利いていたのかだけでなく香の利きはどう考えるの かも絡んできますし。そこでの取り合いに何枚が参加できるかで決めると今度は△54玉△55金▲58桂▲59香での46地点の取り合いに55金は参加でき るのかなどが判断が難しいですし。結局は場合ごとに注釈しておくしかないのかなと思います。紙面が限られるパラなどでは話は変わるかもしれませんが。
正解:16名
EOGさん S.Kimuraさん 斧間徳子さん chemicalさん しまぎろうさん
鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん 橘圭伍さん
チャンプさん NAOさん はなさかしろうさん 変寝夢さん まささん
渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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