推理将棋第74回解答(1)
[2014年2月27日最終更新]
推理将棋第74回出題の74-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第74回出題 推理将棋第74回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第74回解説 担当 DD++
締め切り間際に日本全国大雪が降っていましたが、皆様ご無事でしたでしょうか。2013年夏が猛暑だと思ったら秋は10年に一度の台風が3つ来て、冬は数十年に一度の大雪が2回。ではこれから先数十年間は気候が安定するのかといえば、きっとそんなことは全くないのでしょうね。
74-1 中級 チャンプさん作 今年の運勢は? 11手
「元旦に指した将棋どうだったの?」
「11手で詰まして勝ったよ。」「元旦に11で勝つとは洒落てるね。他には?」
「26馬という手があったかな。」「26年午年に26馬とは縁起がいいね。他には?」
「初王手で駒柱が完成したよ。」「えっ?新年早々駒柱って・・・。」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 11手で詰んだ
- 26馬という手があった
- 初王手で駒柱が完成した
出題のことば(担当 DD++)
条件から詰み形をさっさと決めてしまいましょう。
追加ヒント
駒柱はもちろん2筋。24と25には何があるのが理想的でしょうか。
攻め駒補充は急がずに。駒を取った次に直接26馬が指せる場所を狙いましょう。
推理将棋74-1 解答
▲7六歩 ▽4四歩 ▲同 角 ▽5二玉
▲5三角不成▽4三玉 ▲7一角成 ▽3四玉
▲2六馬 ▽2四玉 ▲2五銀 まで11手。
チャンプさんからの年賀作品はお得意の駒柱作品。いつもならどの筋の駒柱か悩むところからはじまりますが、本作は年賀らしく26馬という手を明かして大サービス。2筋には最初から6枚駒があるので、あとは24と25を埋めればいいですね。もちろん26馬と引くからには玉はこのどちらかにいたほうがよさそうですが、25玉の場合「▲76歩△34歩(略)△24玉▲何か△25玉▲26馬」という手順で24が空所になるので不可。
というわけで24玉を詰ませることになります。26には馬がいるので、13と23と33の歩のこのまま置いておいて25に金か銀を打てば終わりです。後手は33歩を突けないとなると△44歩△52(42)玉△43玉△34玉△24玉(2手目4手目手順前後可)で全て使い切るので、玉移動以外は全て先手の仕事。
銀を取りに行くとなると▲96歩△53歩▲97角▲31角成みたいな気の利いた順が多いですが、後手の協力が得られないどころか44に歩を置かれてしまうので、地道に▲76歩▲44(同)角▲53角不成▲71角成▲26馬と愚直に進め、あとは途中で王手がかからないように調整すれば正解となります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
チャンプ(作者) 「簡単ながらも条件がシンプルにまとまったので納得の仕上がり。今年は余詰のない良い年にしたいものです(笑)」
■そう言いながら駒柱=不吉の前兆を作るチャンプさんなのでした。
斧間徳子 「するすると忍者の様に動く玉。正月早々駒柱とはおめでたい。」
■筋によっておめでたかったり不吉だったりわける解釈もあるようですが、2筋はどちらなのでしょう。
NAO 「一旦は生角とすれ違う玉」
■33から出て行くと王手無しですれ違いできないんですよね。
まさ 「Mixi推理将棋コミュニティ#100(けいたん作11手)とほぼ同じ。同作は2007年9月発出(余詰有)、翌年元旦に年賀詰として修正案がアップされました。 久しぶりに見た懐かしい手順でした。」
■あちらは駒柱は出題後にヒントとして書かれただけであって、条件自体は全く別。ということでこれは同手順別作品として問題ないでしょう。
渡辺 「初王手が巧い限定。26馬で詰めようと思わなければ簡単。」
■さりげない条件ですが数々の非限定を潰しています。
はなさかしろう 「先手は26馬で一直線。後手の手順も初王手条件のみで一意に決まり、ぴったりでした。」
■後手の協力が得られる場合は26馬にもいろいろあるんですけどね。協力してくれなくても44歩を置かれなければ96歩からとか。
EOG 「王手を避けると手順が限定できてしまうのが不思議。」
■角が33から入るにせよ53から入るにせよ42玉が指せなくなるのが効果として大きいのです。
隅の老人B 「2手目が好手、ここから後手王の散歩の始まりです。」
■どこにいても邪魔になる歩はさっさと盤上から消してしまうに限りますね。
ジェシー 「4二玉からではダメというのがかっこいい。」
■2手目52玉からでもダメ。余裕そうに見えて針の穴を通すような序盤です。
橘圭伍 「その昔PGで似た筋を見たのを思い出しますね。」
■PGだと駒柱は見栄えがしますから、作られていても不思議ではないですね。
小山邦明 「玉を2筋に持っていく手順が巧妙でした。」
■33を開けてしまうと困るのでこんなことをする羽目になりました。
波多野賢太郎 「最初は2二の角を取ることを考えてうまくいかず、次は4一の金を取ることを考えて失敗しました。7一の銀を取るというのは予想外で、なるほどなぁと思いました。」
■示されている地点から遠い駒はけっこう目にはいらないんですよね。
時風瑞季 「26馬が王手ではないという点に気付くまで少しかかりました。」
■馬は強力ですから、最後に使いたくなりますよね。
占魚亭 「26馬迄と思っていました。」
■あらあらこちらにも同じ方が。
諏訪冬葉 「まさか玉が33を通らないとは・・・」
■詰み形を知れば当然な手順も最初は思いつかないもの。
桝彰介 「会話の最後は、駒柱なので「縁起が悪い」と言おうとしたと推理。」
■たぶん正解。
S.Kimura 「71の銀を取りに行くのが意外でした.」
■すぐ取れそうな22角や31銀がどうしても目についてしまうのが人間というもの。
Pontamon 「手数からして、初王手で駒柱が完成して、それで詰み(最終手)なのだろうとは想像していましたが、中々がわからず苦労しました。(3筋の方が駒柱を作り易そうだったので無駄に考えていたこともありますが...)」
■推理将棋の場合は、駒柱を作りやすいのは単純に最初から6枚ある筋なのです。逆に一番作りにくいのは……5筋だったかな?
はらたっと 「33が塞げなさそうだったので、4筋からの玉移動で決まりました。初王手で後手の手を限定するのが巧いと思いました。」
■真にいい条件というのはこういう目立たない仕事をこなす条件なのかもしれません。
正解:21名
EOGさん 飯山さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 加賀さん
小山邦明さん ジェシーさん 時風瑞季さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん 橘圭伍さん チャンプさん NAOさん 波多野賢太郎さん
はなさかしろうさん はらたっとさん Pontamonさん まささん 桝彰介さん
渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
mixiは発表の場ではない(内輪で問題を見せあっているのと同じ)なので、仮に条件同一であったとしても出題に問題はないと思います。とは言え参加者も多数となったため、不公平が出ないように、パラでは短手順以外では出題するなら「忘れたころ」にするようにしていますが...。(その意味でも#100なら十分古く問題ないです)
投稿: 渡辺 | 2014.02.28 00:48