推理将棋第74回解答(6)
[2014年3月12日最終更新]
推理将棋第74回出題の74-6の解答、第74回出題の当選者(EOGさん、諏訪冬葉さん)
を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第74回出題 推理将棋第74回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
74-6 中級 諏訪冬葉さん作 26年の将棋 11手
「今年の年明けにふさわしい将棋を指してきた」
「どんなの?」
「11手で勝ったんだけど後手玉が5段目まで上がってきたんだ。初日の出みたいだろ」
「それはちょっと無理がないか?」
「こっちは馬を作る手と桂馬の手を続けて指したんだ。午年らしいだろ」
「まあそれはわかる」
「あとは2014年で平成26年だから最初の2手は26と14の手だった」
「・・・最初の初日の出はいらなかったんじゃないか?」
さて、どんな将棋だったのだろうか?(条件)
- 11手で詰んだ
- 最初の2手は▲26歩△14歩
- 先手は馬を作る手の次に桂馬の手を指した
- 後手玉は5段目まで動いた
出題のことば(担当 DD++)
さて最後の玉位置は何筋?
追加ヒント
馬は取られますし、桂跳ねも実はフェイク。では何で詰ませましょう。
初日の出みたいに一直線に15玉。となれば詰みには端歩の出番ですね。
推理将棋74-6 解答 担当 DD++
▲2六歩 ▽1四歩 ▲7六歩 ▽4二玉
▲3三角成 ▽同 玉 ▲7七桂 ▽2四玉
▲2五歩 ▽1五玉 ▲1六歩 まで11手。
諏訪さんのデビュー作ですが、非常に年賀作品らしい気軽に解ける作品です。最初が「▲26歩△14歩」ですから残り9手。ここから後手は4手で五段目まで玉を運ばなくてはならないので、玉を上がる手以外指せません。ということは三段目に上がるために続きは「▲76歩△42玉▲33角成△同玉」しかありません。条件上この次の「▲77桂」も自動決定ですね。ここまでくると残り4手なので、あとは練習問題感覚でしょう。
77桂と跳ねたのを見て55玉を目指したくなりますが、その誘惑をしっかり断ち切って最初に指した方へ△24玉△15玉と上がります。そうです、10手作品でよくある1筋2筋の歩を使う形が正解です。
いわゆる絶連ですが、しかし推理将棋では絶連であることは決して悪い評価にはなりません、どころか短評をご覧いただければわかるように好評価につながる場合も多いです。詰将棋でいう3手詰5手詰が推理将棋では作りづらいというのもあるのでしょうね。諏訪さんに続いて出題デビューされる方を期待しています。
それではみなさんの短評をどうぞ。
諏訪冬葉(作者) 「「▲26○」と「△14○」がテーマです。最初は14玉を考えたのですがそれは別解が出そうなのでこの形に落ち着きました。そのために先手が1手浮いてしまったので取ってつけたような「桂馬の手」を入れました。あれ?初手が76歩でないのは私だけ?」
■私も「▲26歩△14歩以下」はバッティングを覚悟していたのですが、蓋を開けてみれば意外や意外。
斧間徳子 「後手の4手目以降は玉が上がっていくしかないので非常に易しい。」
■上がり続けるのに一工夫(33角成捨て)も必要で、初心者向けとして秀作。
NAO 「馬の手はなかった。6問中の最易問と思いますが桂の意味がわからないと難問になりますね。」
■わからないというか深読みし過ぎるとですかね。
まさ 「玉を5段目に進めるにはこの順しかない。ほぼ絶連だが年賀詰はこの位の難度が望ましい。」
■年賀でなくともこういった作品は定期的に出していきたいものです。在庫さえあれば。
渡辺 「後手は残りは玉を上がる手しか指せないので、7手目までは決定、あとは練習問題の要領で解ける。これは「初級」としても良かったかも。」
■私も初級にするかどうか悩みましたが、1つだけ中級でないというのもそれはそれで収まりが悪かったので。
はなさかしろう 「これぞまさしく年賀推理将棋という条件で、桂を使った手数調整もぴったりですね。」
■1つはやや無理矢理とはいえ全条件年賀に絡んでいるのは素晴らしいです。
EOG 「指示通り動かしたら詰んだ。」
■という方もいるくらいが丁度良いのです。
隅の老人B 「11手で2手教えてもらえば、やはり楽。手抜きが出来ないので、しぶしぶ桂跳びですね。」
■手抜き代わりは飛でも手順としては面白かったかもしれませんね。年賀に絡ませにくいですが。
ジェシー 「7七桂は玉を中央側へ行かせそうになるミスリード、と考えれば無駄手ではないのかも。」
■こういうタイプの条件はうまくハマれば面白くなりそうです。
チャンプ 「相方のツッコミがツボ。問題文だけで十分楽しませてもらいました。私も初日の出はいらなかったと思います(笑)」
■どちらかというと西の地平線に沈んでいる気もしないでもない……。
橘圭伍 「此からに期待ですね。作ってみる事が最初は大切です。」
■最初から鍵を大きく提示するタイプの解きやすい短編を作る方はあまりいらっしゃらないので、今後も期待できそうです。
小山邦明 「年賀詰にぴったりの楽しい手順でした。」
■およそ考えられる年賀要素(11、14、26、馬)全部使ってますしね。
波多野賢太郎 「他の問題と手順がかなり違って面白かったです。最初の2手や玉が5段目までという条件が厳しいので比較的易しかったです。」
■前半後半に分けて考えられると手の幅広さがある程度に収まるので解きやすくなります。作る方の難易度調整でよく使うテクニックです。
時風瑞季 「6番目が、出題全6問中最初に解けました。」
■他のは一目で解くにはかなりの経験が必要でしたからね。
占魚亭 「桂馬の手にひっかからなければ超やさしいですね。」
■75玉の可能性とかあると強烈なヒッカケだったでしょうが、55玉までしか来られないのでヒッカケ度もほどほど。
桝彰介 「後手が玉を動かす手のみに限られているので、最初の2手を生かすため狭い方に追ったら手順に解けていた。」
■桂馬を活かすことは、思いつく前に解けちゃいましたかね。
S.Kimura 「「桂馬の手」にかなり混乱させられました.77桂は思いつきもしませんでした.」
■なるほど、右で詰むと読んだ上でどうにか37桂を指そうとしてしまいましたか。
Pontamon 「「桂馬の着手があった」だけで十分な、先手の手数合わせの▲77桂ですが、この条件にすることによって1条件減らせているのですね。」
■そういえば手順指定なくとも7手目しかないのですね。確かにこうすると1つ条件数は減りますが、単純な条件2つと複合条件1つとどちらがいいのかは……。
正解:21名
EOGさん 飯山さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 加賀さん
小山邦明さん ジェシーさん 時風瑞季さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん 橘圭伍さん チャンプさん NAOさん 波多野賢太郎さん
はなさかしろうさん はらたっとさん Pontamonさん まささん 桝彰介さん
渡辺さん
総評
斧間徳子 「辰年と午年が終わった来年以降は、干支に引っかけた年賀詰は無理なので年数に引っかけるしかない。まだまだ先の話ですが、2017年(平成29年)なんか大変そう。」
■だんだん11手詰が作りづらくなります。別に11手に限りはしないでしょうが。
NAO 「本年もお手柔らかにお願いします。なかなか面白い11手問題がそろいましたね。難易度は、易しい方から、6, 5, 1, 4, 2, 3でしょうか。馬の手の少ない6と5は易しく、馬の手、大駒の手が多い4, 2, 3は手応えある難問です。」
■担当の感覚では易しい方から614532でした。5は検討寄りで解いたので香を取らないタイプの手をいろいろ考えさせられた分もありますが。
まさ 「年賀詰としては難しすぎる作もありましたが、バラエティに富んだ作品が楽しめました。」
■来年は干支も使えず数字も組み込みにくいので手順はさらにバラバラになるでしょうね。
はなさかしろう 「採用いただきましてありがとうございます。待ちきれず年内に解いてしまったのですが、自作があると余詰が怖くてなかなか回答できません(苦笑)」
■さっさと解答していただいた上で、万一何かあったらコメント修正でも構いませんよ。
隅の老人B 「今回の6出題、すべて11手の問題ですが、いずれが菖蒲杜若、すべて好手順の作品です。解いて、推理将棋の面白さを堪能させてもらいました。よくぞまあ、こんな手順を考え出して、続いてその手順に合った条件を捻り出すものと、感心しました。」
■いくつかは類似順の前例があるものですが、それらは逆に条件付けの個性がよく出ますね。
チャンプ 「別に打ち合わせしてたわけでもないのに揃いも揃って6作品すべて11手とは驚きでした。今年も皆さんに喜んでもらえるような作品を披露できればと思います。」
■ぜひとも初中級作品を……(切実)
飯山 「今年から解答するようにします。今回は締切前ヒントに大いに助けられました。」
■なるべく多くの方が正解にぎりぎりたどり着けるように調整してヒント出していますので、参考にしていただければ。
橘圭伍 「かなり高水準で楽しめました。個人的な好みは2ですが4も味わい深いですね。」
■好みはかなり割れたと思いますが、2が一番人気ですかね?
小山邦明 「おもちゃ箱の推理将棋のコーナーには初めての解答です。今回の作品はどれも工夫をされていて面白い内容でした。少しずつ慣れてきて解けるようになればと思っています。」
■今後もよろしくお願いいたします。
波多野賢太郎 「今回の年賀特集、かなり頭を悩ませましたが、全て解くことができ、とても楽しかったです。これだけ見事に手順がバラバラというのは本当に面白いですね。」
■9手と10手の間というのが作る側にも解く側にも大きな差がある境界で、11手だと想像よりはるかにバリエーションが豊富。
加賀 「ヒントも届かず急に用紙を手渡されました、参加することに意義ありです。」
■番号と解答が1つずつずれていたのは、よほど慌てていらっしゃったのでしょうか。
桝彰介 「約2ヶ月の解答期間があったので、久しぶりに解答しました。今後も1問でも解けたら解答を出したいと思います。」
■ぜひぜひ、お待ちしております。
S.Kimura 「今回は最初の問題を除き,締め切り前ヒントが出るまで全然答えが分かりませんでした.11手になると,手が複雑になってきて,頭が痛いです.」
■6番の77桂に引っかかってくださったS.Kimuraさんは出題のし甲斐があるいい解答者です。
推理将棋第74回出題全解答者: 21名
EOGさん 飯山さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 加賀さん
小山邦明さん ジェシーさん 時風瑞季さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん 橘圭伍さん チャンプさん NAOさん 波多野賢太郎さん
はなさかしろうさん はらたっとさん Pontamonさん まささん 桝彰介さん
渡辺さん
当選: EOGさん、諏訪冬葉さん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト
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らせください。
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