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推理将棋第74回解答(5)

[2014年3月10日最終更新]
推理将棋第74回出題の74-5の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第74回出題  推理将棋第74回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


74-5 中級 NAOさん作     26には勝負手を放つ         11手

「今年の指し初めの一局はどうだった。馬の手が1回だけあったそうだけど」
「そうなんだ。玉が動いたから馬で王手をかけたんだけど、馬は玉に取られちゃった。でも、最後は11の手で11手で詰ませて勝ったよ」
「どんな手を使ったんだい?」
「好手を発見して、26地点に勝負手を放ったんだ。それが勝因だよ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?そして26年、貴方の勝負手は?

(条件)

  • 11手目に11の手で詰んだ
  • 26の手あり
  • 馬の手は1回だけで、玉の手に対し王手をかける手だった
  • 馬は玉で取られた

出題のことば(担当 DD++)

 馬を捨てるためにはまず攻め駒確保から。

追加ヒント

 馬を捨てるとなると駒打ちを頑張る必要がありそうですね。さて26へ打って有効そうな駒は。
 26香11角と連続で打って33の玉が詰みますが、うっかり合駒を許さないよう注意!


推理将棋74-5 解答  担当 DD++ Suiri745

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2二角不成▽3二銀
▲1一角成  ▽4二玉    ▲3三馬    ▽同 玉
2六香    ▽4二角    ▲1一角  まで11手

攻め方の駒捨てが条件付けされています。詰将棋では鮮やかに大駒を捨てる手は数多く見られますが、推理将棋ではなかなか見られない手ですね。理由は単純、攻め駒を確保するのが一気に大変になる所為。馬を捨ててなお短手数で詰めようとすれば、先手着手中に駒取り2回、駒打ち2回が常道です。

さて、まずはやはり最後に11にある駒を決めたいところです。歩香桂はもちろん論外。金や成小駒の場合21玉か12玉が必要ですが、そんなところに玉移動をしている暇はありません。11飛の離し打ちも一段目を通すのは無理筋。銀の場合は22玉を詰ませることになりますが、銀への紐は14香や14飛などでつける羽目になってやはり無謀。角も22玉では同様。龍なら22玉を詰ましながらもう一枚の駒(角桂以外)と相互の紐付けが可能そうに見えますが、先手が打った飛を成りながら角以外をさらに打つのは先手6手では間に合いません。

ということで11角の離し打ちでの詰みだけが可能性として残ります。11に角を打つには最終手までに11地点が空いていなければいけません。これと駒打ち2回という推測、そして26に打って有効そうな駒を考えると、完全に確定ではないにしろ「▲76歩▲22角不成▲11角成▲馬捨て▲26香▲11角」で△33玉を詰めるという手順が一気に浮上しますね。

条件を再確認すると後手順も「▲76歩△34歩▲22角不成△何か▲11角成△42玉▲33馬△同玉▲26香△何か▲11角」まで確定し、あとは32と42を塞ぐだけ。ここで注意しなければならないのが、最後に合駒できないようにすること。△22銀を防ぐために4手目△32銀は当然の一手ですが、推理将棋に慣れすぎると忘れがちなのが△22角という玉方駒打ちの合駒。これを防ぐために10手目は金や飛ではなく△42角と持ち駒をなくしておくことが肝要です。

なお、馬の手が1回であるためには11で成らなければなりませんが、22で成って馬の手を2回指した方が1名、33で成って馬の手を指し忘れた方が1名。条件不適合ながら実際に指せる手順なので、どちらも誤記ではなく誤答とさせていただきました。ご了承ください。

それではみなさんの短評をどうぞ。

NAO(作者) 「実は、馬の活躍は一瞬だけ。」

■続く諏訪さん作に比べればまだ長い方。

まさ 「比較的解図方針が立て易い。」

■攻め入るための入り口が多い感じです。

渡辺 「普通に玉を11の近くまで運ぼうとすると26の手がなくとも手数が全然足りない。詰み位置を33と決めてしまうと、すべての条件が適合してくるのが不思議。」

■▲22角成△42玉▲31馬△同玉から△22玉という手順だとすんなり運べて先手も2枚確保できますが、しかし詰まない。

はなさかしろう 「裏側からの合い利かずは想像以上に詰ましやすい印象。馬を消して詰み形が良く、26の手も入って年賀らしい問題でした。」

■玉腹に歩が使えるので四段目への対処さえできればそれ以外は作りやすいですね。

EOG 「香を取る手が盲点だった。」

■推理将棋ではあまり登場しない駒なので活用しなれていない方も多そうです。

隅の老人B 「奪った馬の使い方が上手かった、そういう事にしておこう。」

■そう、馬だけに。

ジェシー 「2六の勝負手がただの2六歩とかだったらどうしよう、と一瞬考えてしまいました。」

■それはそれで面白そうではありますけどね。

チャンプ 「26香での逃げ道封鎖は斬新で手順自体は面白いものの、やや条件が多くなってしまったのは残念。」

■とはいえ、実は非限定がかなり多いのでこれ以上簡素にするのも難しそう。

橘圭伍 「何か1年前を思い出します。来年も別作者の11シリーズに期待します」

■来年はどなたの「11角まで」が登場するのでしょうか。それ以前に27から24地点を押さえるのは11手で可能なのでしょうか。

小山邦明 「最初の条件が大きなヒントになりました。」

■最終着手地点が書いてあるのは大きなヒントですね。ただし開き王手だったというミスディレクションでなければですが。

波多野賢太郎 「これは、2六香、1一角の詰上がりしかないと考えて解きました。合効かずにするため、3二銀がなるほどの1手だなぁと思いました。」

■そこを決め打ちするとかなり早いですね。

占魚亭 「後手が角を持っていることを忘れていました(苦笑)。」

■私も投稿を見てうっかり「これ非限定では?」と送りかけました。

諏訪冬葉 「42を塞ぐときに角を使っておかないといけないのですね。」

■馬を捨てたのは実はここの限定の伏線。

S.Kimura 「この詰ませ方は想像できませんでした.」

■馬捨て条件がなければ21玉に11角成までとかの方が現実的なんですけどね。

Pontamon 「退路を塞ぐお手伝いの△42角が推理将棋らしい手ですね。24に居る玉を26香、11角で詰める手順かと思ったけど、それだと後手の手数が足りなくて困ってました。(詰将棋じゃないから連続王手の必要はないんですよね。その感覚がまだ慣れなくて。)」

■そうです。連続王手じゃなくていいので本当に奇抜な手が出てくるのが推理将棋の魅力の一つ。


正解:17名

  EOGさん  S.Kimuraさん  小山邦明さん  ジェシーさん  時風瑞季さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  橘圭伍さん  チャンプさん
  NAOさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  はらたっとさん
  Pontamonさん  まささん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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