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推理将棋第76回解答(3)

[2014年4月30日最終更新]
推理将棋第76回出題の76-3の解答、第76回出題の当選者(しまぎろうさん) を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第76回出題  推理将棋第76回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


76-3 上級 はなさかしろうさん作 相乗効果          13手

「13手で詰んだって」
「金右と指したら、相手は2筋の手で応じたよ」
「55への着手で駒柱が完成したね」
「成る手はなかったな」
「それにしても、13とか金とか、駒柱とかって...」
「マイナス掛けるマイナスはプラスってことで、どうかな?」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 13手で詰んだ
  • 金右の手に対して2筋の手で応じた
  • 55への着手で駒柱ができた
  • 成る手なし

出題のことば(担当 DD++)

 中級と同じ13手でもこちらは非常に難しいです。じっくりどうぞ。

追加ヒント

 3筋の手が6回もあり、その中に3種類の駒の不成が登場します。詰みは飛による合い効かず。


推理将棋76-3 解答  担当 DD++ Suiri763

▲7六歩    ▽5二金左  ▲3三角不成▽同 桂
▲5八金右  ▽五桂    ▲3八飛    ▽3七桂不成
▲同 飛    ▽5六角    ▲5四桂    ▽5五角
▲3一飛不成まで13手

5筋の駒柱を作って成なしの13手で詰み。これだけだと実はかなりの順があります。しかしその中で2筋の手が入るのは手順前後を除いておそらく1つしかありません。順に考えてみましょう。

まず、5筋の駒柱を作りづらい理由は、54地点と56地点の存在。ここを埋めるにはわざわざどこかの駒を取って打つか、歩をついてさらに2手で53や57を埋め直すか。いずれにせよかなり手間がかかります。加えて詰みを目指すとなれば困難がもう1つあり、後手陣内の5筋が後手駒だらけになるので非常に詰ませにくいこと。その条件でも詰みやすい形は大きく2通りで、△52玉△51金左としておいて駒柱完成から▲53金または銀と歩を取って詰み、もしくは居玉のまま△52金としておいて飛金の横利きで詰み。

手数としては前者の方が少なくて済みます。玉金の形を作るのに2手、先手が33歩をかじり銀を取って54に打つのに5手、後手が99香を取ってから55角と56香で3手、58を埋める1手と11手で駒柱ができ、トドメの53銀不成で12手。ところが金を動かしたせいで31の角が成らなければ詰みになりません。31角不成で71の銀を51まで持ってくると今度は余り手が消えてしまい、2筋の手を指せるようには見えません。

一方後者。△54歩から飛銀を取るのに5手、55角と56香で4手、52金右と58を埋める手で2手、53銀と71飛を打つのに2手。または、△54歩から飛銀を取って▲53角に7手、55角で2手、52金右と58を埋める手で2手、56銀と71飛を打つのに2手。いずれにせよ13手で2筋の手を指せるようには見えません。

ここでこの問題特有の事情に気がつけるかどうかが運命の分かれ目。通常攻め込んだ先手角を取らせるのはデメリットだらけですが、この問題ではさにあらず。角捨ては54や56を埋めるのに使ってもらえるので、実はあまりデメリットにならないのです。加えて困難な2筋条件。これらを踏まえると▲33角△同桂から△25桂、そして△37桂という手順が浮かび上がります。

たった13手なのにそんなことをしていていいのか? ということで手数を数えてみましょう。33角不成で2手、桂跳ね3手、52と58を塞いで2手、55角で1手、56に角を打って1手で残り4手。飛車は奪うのではなく自飛車を31へ出動させて3手、そしてその途中で取る駒が桂であることが本手順最大の鍵で、これを54へ打つ1手が都合よく42と62を塞いでくれるのです。あとは条件通り並べ替えて手順完成。

普通は駒柱を作る順は無駄手になりやすい中、54桂(逃げ場封じ)、55角(31への利きを外す)、56角(合駒を消す)と自由度の高い有効手で駒柱を作っていくのが本手順を13手で成立させる要因となっています。駒柱と詰みを独立に考えていた方はこの手順にはなかなか気が付かれなかったのではないかと思います。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「出題コメントにも書いていただいたとおり、「5筋駒柱からの詰み」の最短手数を探索していて、13手で最初に見つけた手順がこれ。ところが、、検討中に別の順や12手の順にも行き当たりまして、そちらが先ならこの順には気付かなかったのではないかと。。筋悪から生まれた魔の難問...ではなく、△25桂の決め打ちからさらっと解いていただければ幸せます。」

■いろいろ見つけたなかでキワモノを選んだのかと思っていたのですが、まさかの最初ですか。ところで12手って実質ではなくちゃんと指して12手でいける順あるんでしょうか?

Pontamon 「12手で同じ駒柱を完成しても、33で桂を早く入手すると詰みがずっと遅くなるという不思議。74-1解説を受けての作品ということで、「駒柱」には何か縁を感じますね。今回も脱線して「最終手で駒柱が完成して飛による合い効かずの詰み」の筋を考えていました。」

■5筋駒柱完成と同時に飛車の合い効かず、15手あればとりあえずできますね。14手はどうかな?

飯山修 「相当難しそうなので締切前ヒントを待っていました。3筋6手は物凄いヒントで2、3、5以外はたった1手。初手76歩でないと到底到達しそうもないので決定。3種目の不成は桂以外考えられないので2筋は桂となり解に到達。このヒントでなければ解けませんでした。助かりました。」

■桂はダイレクトに書いてしまうと面白みがないのでヒント作りが難しかったです。

斧間徳子 「76歩、52玉、33角生、51金左、同角生、99角生、58金右、22銀、として最後が42金打ちとばかり思って苦戦した。4手目の33同桂が非常に思いつきにくい手でした。」

■なるほど22銀からの42金! これは私の検討から完全に漏れてました。あぶないあぶない。

EOG 「21桂を54に使う発想がすごい。」

■その前に桂を渡すのに3回も跳ねる発想も普通じゃありません。

小山邦明 「5筋にどんどん駒柱を作っていくまでの手順がすばらしい。」

■5筋にかける手数が最少の5手なのがまたすばらしい。

NAO 「ヒント無くては、まず解けそうもない難問。条件から11手目に駒柱完成を目指したが、13手目の詰みに結び付く形に全く届かず途方に暮れました。後手が5筋と関係ない桂に3手も費やすとは驚きました。」

■角捨てと54桂にそれだけのメリットがあるんですよね。それが見えないと桂を疑ってもすぐ切り捨ててしまいそう。

波多野賢太郎 「これは本当に難しかったです。これだけの条件でここまで指し手が決まり、5筋の駒柱完成というのがすごいなと思いました。」

■5筋駒柱で2筋というのが非常によく利いています。本当によく作ったもの。

S.Kimura 「詰みの形が見えず,難儀しました.後手の角の着手は一見すると無駄に見えますが,これらをしていないと詰まないのですね.」

■実はそうなのです。無駄手は58金右だけ。

占魚亭 「ギブアップします。31飛不成までだと思うのですが……。」

■37桂不成をもう少しヒントで出すべきでしたかね

ジェシー 「時間切れです。詰め上がりの見当すらつきません・・・。」

■2筋条件を無視すれば、解説であげた2つと、あと51角42金の形も駒柱をかなり作りにくいですが13手で間に合うようです。

諏訪冬葉 「最初△54玉を▲55金▲56歩で詰ます手を考えて手数不足。ヒントを見て「▲76歩△32飛▲33角不成△52玉▲51角不成△37飛▲同桂」という手を考えて失敗。よく考えたら「5筋に最低5手」+「3筋に6手」+「2筋の手」+「76歩」=13手だった。」

■そう、これで合計13手なのです。ヒント投下前に気づいていればもう少し書き方があったのに。

チャンプ 「ヒント見て頭の中が真っ白になりました(苦笑)初のギブアップです。無念・・・。」

■そういえばチャンプさん無解は初ですね。残念。

渡辺 「これは白旗。ヒントと裏読みを駆使すれば、76歩、と33の着手2回、37の着手2回、38飛、31飛生、2筋1回、5筋5回を組み立てれば…。」

■白旗と言いつつ正解されてますが、渡辺さんをしてそこまでの苦戦でしたか。


正解:11名

  EOGさん  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  小山邦明さん
  諏訪冬葉さん  NAOさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  Pontamonさん  渡辺さん


総評

はなさかしろう 「今回は難題が揃ってしまいましたか。固唾をのんで見守ります。。」

■本当に初級が想定外でした。

しまぎろう 「これからは、ガンガン投稿していきたい、と書きたいところですが在庫管理(詰将棋の)もままならない状態なので、もう少し先になりそうです。」

■無事合格されたそうで、おめでとうございます。投稿、楽しみにしていますね。

斧間徳子 「今月は久々に骨のある難問が2題(1&3問目)あり、堪能しました。」

■しかし初級が難問ではいけませんでした。

小山邦明 「今回の推理将棋のコーナーも楽しむことができました。どの作品も本当に良く考えられた手順だと思います。」

■3題とも一見遠回りに見える手段が作意の一部に含まれるのです。

NAO 「第76回は初手76着手特集ですか。3問ともヒント待ちは初めて。難しかったー。」

■最終手76歩な作品とかあれば面白かったですけどね。にしてもNAOさんが初級ヒント待ちはさすがに私の読み間違いがすぎますね。

波多野賢太郎 「締め切り前ヒントなしで解けたのは2問目だけでした。練習問題が1問目のヒントになってたことに全然気づきませんでした。3問目はうまくできていて、とても印象に残りました。」

■最近は練習問題を決めるのに本出題を見ながら考えているので3問のどれかと何らかの関連があることがほとんどです。

隅の老人B 「今回は1題しか解けず、残念。解答の発表を楽しみに待っています。」

■初級でこのようなことが再び起こらないよう心がけます。

諏訪冬葉 「76回だけに全問▲76歩スタートですね。」

■さすがに76歩が絡まない作品は選べませんでした。

変寝夢 「今月はなかなかハードそうな気がしました。たまには趣向手順などをみたい気がしますが・・・。」

■推理将棋は初形が決まっているので舞台作りから始める必要があって大変なのですよね。作るのもそうなのですが、それ以上に解く側が大変。

チャンプ 「ヒントを見たことによって想像してたものが全部吹き飛んで何も考えれなくなったのは私だけでしょうか?(笑) 来月はがんばります。」

■ヒントは正解へ導くものですから、間違ったものを本命だとあまりに強く思い込んでいるとそうなっても不思議ではないかも。


推理将棋第76回出題全解答者: 20名

  あきらさん  EOGさん  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん
  小山邦明さん  ジェシーさん  しまぎろうさん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  占魚亭さん  チャンプさん  時風瑞季さん  NAOさん  波多野賢太郎さん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  変寝夢さん  Pontamonさん  渡辺さん

当選: しまぎろうさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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コメント

いやーなるほど。この手順には恐れ入りました。
これは久々に見る超難問ですね。正解手順を見て感心しました。
今回この問題をノーヒントで解かれた方いるんですかね?
詰将棋と違って難しすぎると逆に評価が分かれるのが
推理将棋の難しいところではありますが、
私の中では最高ランクの評価をさせて頂きたいと思います。

金右が先手の着手、対する2筋が後手の着手というのは間違いない
(逆だと58の地点の限定が出来ないため)と思ってはいましたが
△33同桂~△25桂は全く考えなかったなー(苦笑)

投稿: チャンプ | 2014.04.30 15:45

コメントをくださいました皆さま、たいへんありがとうございます。

5筋駒柱の最短手順検討、詰みに無関係ならば10手ですが、詰みに結びつけるのが難航し、変な方向に逸れたところで発見したのが本作の作意順でした。
そこで、「玉方の角または馬の移動で55をふさぐ」という指針が見つかり、ようやく他の13手の順が見つかるようになった次第。
今まで見つけた13手以下の順はすべてこの指針を満たすものです。成があれば12手で詰むことには回答を書いている最中にようやく気づきました。
この順は駒柱ができると同時に詰みますので、限定が大変ながらオーソドックスな問題になると思います。

作意順は手順限定が余詰回避にも使えて条件づけが済んでしまったのが幸運すぎました。
後手の角を取らない方法、あるいは効率良い詰めあがりの考察、ぐらいしか手掛かりがないところで、△25桂か▲54桂のどちらかを閃かなければならないので、自分なら解けないな......と思ったのですが、DD++さんは、投稿後わりとすぐに解いてくださいました!!
解図の枝葉を刈るならば、第二条件は「55角と指した時点で駒柱ができた」とした方が良かったかもしれず、条件づけの方法はいつも悩ましいです。

N手で駒柱ができる場合、(N-m)手目には駒柱の筋に(9-m)枚いなければならず、手数が進むほど局面数は急速に絞られていくので、駒柱問題はわりとプログラムに解かせやすいのではないかと思っており、プログラミングができたらなぁ、と思うことしきりでした。。

投稿: はなさかしろう | 2014.05.01 00:54

せめて第二条件を「58」金右にしてもらえると、ヒントを駆使しなくても解けたかもしれません。(ここはチャンプさんと異なり自信なかったです)
55角は駒を明かしても変化なかったでしょう。(ここは角しかないだろう、と思っていました)
本条件で3筋を山ほど指すのが意外で見当違いの方向に行っていましたね...。

何時も全部解けてから解答書きするのですが、本作はヒントを駆使しても解けたのが〆切ぎりぎり5分前くらいで、それから慌ててうろ覚えの解答を書いたので解けていたはずの最初の2問を誤答してしまいました...。

投稿: 渡辺 | 2014.05.03 07:49

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