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推理将棋第77回解答(1)

[2014年5月28日最終更新]
推理将棋第77回出題の77-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第77回出題  推理将棋第77回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第77回解説  担当 DD++

前回は凶悪な難易度でしたが、今回はかなり簡単だったようで、解答の集まりが早かったです。あとは全部完全作なら担当としては非常に安心できる回になったのですが。


77-1 初級 はなさかしろうさん作 ささやかな軍議      10手

「殿、御味方の動きが鈍うござるが、本日のいくさはいかがあいなりましょうや」
「うむ、やはりな。されど五助よ、いまさら言うまい。我らは前進あるのみぞ」
「喜んで先駆けつかまつる。殿を玉、私を歩に見立てて、交互に直進させまする」
「とはいえ彼奴らめ、きっと裏切り成り上がるであろうよ。それ、この通り」
「南無三、10手目の成で詰まされるとは。なれど、ならばこそ最後までお供しますぞ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 10手で詰んだ
  • 先手は玉と歩を交互に真っ直ぐ前に進めた
  • 最終手は成

出題のことば(担当 DD++)

 先手の順に捻りはありませんので先に決めてしまいましょう。

追加ヒント

 56まで来た玉を角と馬で詰ませます。取った方の角で上手に57を防ぎましょう。


推理将棋77-1 解答 Suiri771

5八玉    ▽3四歩    ▲5六歩    ▽7七角不成
5七玉    ▽8八角不成▲5五歩    ▽4六角
5六玉    ▽5五角右 まで10手

先手は玉と歩を交互に進めた。歩はともかく、玉は57の歩が邪魔になるので前進するのは大変。これが上級なら△57角▲同玉なんてトリッキーなやりとりがあるかもしれませんが、初級なので素直に5筋の歩を突くことを考えましょう。

そしてもう1つ、玉の最終位置は初手玉なら56、初手歩なら57になりますが、57玉は上下に逃げ道が分散するので詰ませるのが大変。ということで56玉を考えましょう。これらを信じた場合、先手の手は「▲58玉▲56歩▲57玉▲55歩▲56玉」。

一方後手はこの玉の周りをとにかく押さえてしまえばいいですね。1枚では足りないので2枚欲しいところですが、玉方の協力は得られないので「△34歩△77角不成△88角不成」と最速で攻め駒入手(銀を狙うのは▲57玉が指せなくなるので不可)。

ここからあと2手、となると△46角で57を押さえつつ55への利きを作って△55角成までを見つけるのは練習問題より簡単。素直に考えれば素直に作意に辿り着ける、初級にふさわしい問題なのでした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「55-3の元出題にあった余詰手順の遊びを一手短縮しました。例題よりも冗長ながら解きやすいのではないかと思います。5筋の歩なので五助、なのですが、モデルの湯浅五助は侍大将で槍の名手とのこと、本当は歩では役不足のようです。」

■片側の手を大きく明かすのは難易度下げにかなり有効。研究してみると初級用良問が量産できるかも。

飯山修 「「儂の隣にいた四助は何をしておったのじゃ」という殿の嘆きが聞こえそう。」

■そのころ四筋の歩は殿の退路を塞いでいました。

まさ 「素朴な手順。」

■それでいて詰め上がりはかなり綺麗な形。

斧間徳子 「易しい客寄せ問題ですが、後手の手を「最終手は成」だけで限定しているのがうまい。」

■成生の限定はいろいろやり方がありますが、「不成なし」とどっちが綺麗かな?

隅の老人B 「最終手を成りで決めるには?これで2回の不成が決まります、易しいけれど、ウマイ上手い。」

■最終手成指定の方が推理将棋特有の不成が出てくるので客寄せ向けでしょうかね。

小山邦明 「後手の着手が、この条件で限定できているのが素晴らしいと思いました。」

■玉方の協力がないといかに手順に不自由するかがよくわかります。

NAO 「46角が見えず、ちょっとだけ戸惑いました。」

■玉腹に生角、は手筋なんですが普通は二段目でやることですからねえ。

波多野賢太郎 「これは先手の指し手が決まるので易しくありがたかったです。戦国時代を思わせるやりとりにちょっと面食らいましたが、これもなかなか面白いですね。」

■やはりこういう条件は解きやすいんですよね。初級用に研究の価値あり。

Pontamon 「「成り上がる」に騙されそうになったけど第一感通り、角を下がって(引いて)成るので正解でした。成れるのは右の角だけなので「棋譜表記に右は不要か?」と悩みましたが、練習問題が「引成」になっていたので右を付けました。(最近、棋譜表記が気になっていて)」

■2枚以上動ける場合はどんな場合でも必要ですね。片方が動かすと自殺手になる場合とかでも。

金少桂 「推理将棋初挑戦初解答です。そして初めて推理将棋が解けました!親切設計の客寄せ問題ですね、ありがとうございました。」

■ありがとうございます。客寄せ問題を毎回出し続けた甲斐がありました。

EOG 「面白い。」

■46角という打ち場所は独特。

チャンプ 「これが初級の作り方ですね。条件もスマートで考えやすく好感が持てます。」

■条件で道標をはっきりおいてあげることですね。

ジェシー 「頑張った(?)歩を取って成るというのが、ちょっとした盲点でした。」

■動かす駒は取られてはいけない、という先入観ですね。

占魚亭 「歩頭角に気付くまでだいぶ時間がかかりました。」

■よく知る手も場所が変わると途端に見えなくなります。

諏訪冬葉 「最初 54歩+55馬 の詰みを考えていたので57をふさぐ方法に迷いました」

■玉の尻は推理将棋では玉方駒があることがおおいですが、そうでない場合はだいたい玉腹角です。

渡辺 「最終手55角成でも通じますが、将棋連盟の記法だと右成なんですよね。」

■補助記号をつけるかつけないかに、例外は少ないほうがわかりやすいということなのでしょう。

変寝夢 「初手から3手ごとに、直接58玉等指し手を、さらに最終手を成に指定して、283万局面で2分半でした。それにしても泣かせる話ですね」

■五助が先に討ち取られている点がなんとも。

S.Kimura 「玉が57か56で詰む形を考えたら,55角成に気付きました.」

■55金は難しいですから55馬か龍、55飛成までは無理と考えると自然にたどり着ける親切設計。

はらたっと 「46角がピッタリです。」

■すんなり見えました?


正解:20名

  EOGさん  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  金少桂さん
  小山邦明さん  ジェシーさん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  チャンプさん  NAOさん  のくせにさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  変寝夢さん  Pontamonさん  まささん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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