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推理将棋第77回解答(2)

[2014年5月29日最終更新]
推理将棋第77回出題の77-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第77回出題  推理将棋第77回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


77-2 中級 Pontamonさん作    桂馬の駒を5手      11手

A「11手で勝ったよ。」
B「どんな将棋だったの?」
A「2手目は歩以外の駒だった。後手玉の着手は2回だったね。」
B「先手の君は?」
A「着手した筋は2つの筋だけで、王手は2回だったよ。」
B「やたらと「2」ばかりだね。」
A「そんなことないよ、ぼくは桂馬の駒を5回指したよ。」※

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • (後手)2手目は歩以外の駒の着手で、玉の着手は2回。
  • (先手)王手は2回で、着手は2つの筋のみ。
  • 先手は、桂馬の駒を5回指した。※

※「桂馬の駒」とは桂馬の駒を使う手、つまり桂または成桂の着手という意味です。


出題のことば(担当 DD++)

 詰み形はいくつか考えられますが、さてどれが正解?

追加ヒント

 玉と金を3手かけて入れ替えましょう。最後は桂打ち。


推理将棋77-2 解答  担当 DD++ Suiri772

六歩    ▽5二    ▲    ▽7四歩
    ▽7三桂    ▲同桂成    ▽5一金右
6三成桂  ▽6一    ▲7三桂  まで11手

初手に桂は指せないので、先手は3手目以降桂馬と成桂のみ。これが攻方5手中桂4手なら歩を突いて三段跳ねで桂を取って吊るし桂までなのですが、この問題では攻方6手中5手なので余った1手をどう使うかがカギとなります。

可能性としては、7手目に成った桂を9手目に移動して吊るし桂か、9手目に桂を打ってから成桂を動かして詰み、9手目に桂を打った桂の方を成って詰み、また2枚目の桂を使わずに成桂を動かす形、など1手増えるだけでバリエーションは広がります。個々に検討していくことになりますが、どれから順に考えたかで解図時間は大きく左右されたでしょうね。

結論としては「7手目に成った桂を9手目に移動して吊るし桂」が正解。後手は歩突き桂跳ねで2手要するので残り3手。これを使って51金と61玉を入れ替えることで10手によくある居玉吊るし桂をちょうど1筋ずれた形で作ることができます。先手は2つの筋しか着手できないので非限定は全て消え、後手は玉がちょうど2回王手されるように動けば手順が決まります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

Pontamon(作者) 「「吊るし桂」という言葉をまだ知らず、「桂でのトン死筋です」と書いて投稿した派生作品です。いつもと作風が違っていて「比較的おとなしめ」で、自分でつくった気がしません。(笑)」

■他のは良くも悪くもぶっ飛んでるものばかりで、投稿作検討が全く追いついてません……。

飯山修 「桂の指手五回となるとどうしても手が限定されます。この条件以外の方法は無理なのでしょうか。」

■玉の手2回の条件を外せば「▲76歩△52玉▲77桂△54歩▲85桂△53玉▲73桂成△64玉▲74成桂△65玉▲75成桂」とか、あるいは諸々無視すれば「▲36歩△34歩▲37桂△33桂▲45桂△54歩▲33桂不成△52金右▲53桂△62銀▲41桂右成」みたいに全く違う形はいくらでも出てきます。

まさ 「52玉がとぼけた味で面白い。」

■無駄手に見えて実は必要な一手。

斧間徳子 「条件がやや多すぎるのが難点。今後の作に期待します。」

■2つをまとめて1条件にする技術は慣れですから、今後自然と身につくと思いますよ

はなさかしろう 「桂打―成桂移動の順をしばらくさまよいましたが、桂打まででしたか。左右が玉方の飛角の違いで決まるのが巧みで面白い手順でした。」

■感覚的にそちらの方が詰みやすそうなんですよね。

隅の老人B 「桂を跳ばすのには、初手はどの筋の歩を動かすのかな?最後に気付いたのが、76歩。情けないなぁ。」

■2つの筋しか着手できないのにさすがに端攻めはちょっと無理があるでしょう。

小山邦明 「先手の5手が桂の着手である事と、着手の筋が2つだけ」は、大きなヒントでした。」

■ジグザグに跳ねていくのが容易に見えますからね。

NAO 「63成桂と73桂の形は、よく見る形とは逆形になっている分気づきにくい手順でした。「桂馬の駒」という表現は違和感があります。率直に桂馬か成桂でいいと思うがどうでしょう・・・飛車か龍を「飛車の駒」とはまず使わない表現でしょうし。」

■誤解の余地がないのであればどちらでも好みの問題かと思います。パラと違って字数に制限があるわけでもないですし。

波多野賢太郎 「この詰上がりになかなか気づかず、2九の桂を動かしたり、後手の桂を動かさずに取らせたりしてずいぶん悩みました。5二玉はなるほどなぁと思った一手でした。」

■特に成桂を動かす順はかなりいろいろ紛れがありますからね。深みにハマると大変。

金少桂 「初手に桂の道を開けたら先手の手が残り全部桂というのがわかっているので、頑張ってみる気になりました。後手が桂を渡すところまではすぐにわかったのに、61という詰み場所がなかなか見つからずに苦戦しました。2手目52玉がなかなか難しかったです。てっきり62玉(か左右逆の42玉)と思ってしまっていたので。」

■思い込み、というのはベテランでもやってしまう推理将棋最大の敵ですね。

EOG 「52玉が洒落ている。」

■王手2回というのに62へ出るでもなく51で待つでもなく。

チャンプ 「初々しさを感じる条件付けで親のような気持ちで解かせて頂きました(笑)Pontamonさん初入選おめでとうございます。今後の問題も楽しみにしてます。」

■今後の問題はなんというか、こう、恐ろしいです。特に担当にとって。

ジェシー 「玉と金の入替だけで3手も使うという無駄手感が盲点でした。」

■実際は無駄手ではない最短なんですが、どうにか短くなりそうな気がして仕方ありません。

占魚亭 「詰み形はすぐ見えたのに52玉に気付くのに一週間強。ギブアップ寸前でした。」

■玉金の3手入れ替えは実は2通りに見えて3通りあるんですよね。

諏訪冬葉 「63成桂が見えませんでした」

■成桂はトドメだと思っちゃいました?

渡辺 「際どいところで色々なものが限定されているのが良い。29桂を出動すると33の角の利きか2つの筋の条件に阻まれる。」

■検討という目で見てみると実はかなり綱渡りしてるんですよね、この条件。

変寝夢 「条件の二つの筋を6筋7筋に固定して120万局面1分40秒でした。条件を入れてる最中にMy脳でも発見できました。ちょっぴり嬉しい。いや嬉しくないか」

■機械は速いだろうと思いましたが、初級より速いとは驚き。

S.Kimura 「桂馬を打ってから成桂で詰ませることばかりを考えていたので,ヒントを見ても,しばらく答えが分かりませんでした.」

■思ったよりも幅広いですよ、桂と成桂で5手。

はらたっと 「3、4筋でダメで角の効きがない6、7筋だなと。」

■問題によっては飛の利きがない32地点を使うこともありますね。


正解:20名

  EOGさん  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  金少桂さん
  小山邦明さん  ジェシーさん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  チャンプさん  NAOさん  のくせにさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  変寝夢さん  Pontamonさん  まささん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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