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推理将棋第79回解答(3)

[2014年7月31日最終更新]
推理将棋第79回出題の79-3の解答、第79回出題の当選者(Pontamonさん) を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第79回出題  推理将棋第79回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


79-3 上級 渡辺さん作      金一枚違う         11手×2

A「11手で詰めて勝ったよ。ほら」
B「奇遇だね。僕もそうだよ。あら、僕のも同じ局面かな?82に銀があるし」
A「いや、盤面は同じだけど駒台を見ると僕の方が金一枚多いよ」
B「なるほど、実力は金一枚違う、という訳だね。ところで僕は後手の金を
  同角生と取ったんだ」
A「僕もそうだよ。だけど君とはそのときの角移動の左右の向きが違うんだ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 2局とも11手で詰んだ
  • 終局図は2局とも盤面は同じで82に銀が居たが、
    先手の持駒はA君の終局図の方がB君の終局図より金一枚多かった
  • 2局とも先手は後手の金を同角生と取ったが、
    一方の局では1筋側から、他方の局では9筋側から取った

出題のことば(担当 DD++)

 連立推理将棋の前例は30-2,340-5などを御覧ください。

追加ヒント

 最終形は61玉に頭金。
 B側は同角生で取った金を後手に渡してしまうので、詰めるための金を改めて入手。
 A側は逆側から取る必要があるので、一度51から62に動いて51同角生と戻ります。


推理将棋79-3 解答  担当 DD++ Suiri793a

▲7六歩    ▽6二金    ▲3三角不成▽6一玉
▲5一角不成▽9二飛    ▲6二角不成▽5一金
同角不成  ▽8二銀    ▲6二金  まで11手

Suiri793b B

▲7六歩    ▽5二玉    ▲3三角不成▽5一金左
同角不成  ▽9二飛    ▲7二金    ▽8二銀
▲6一金    ▽同 玉    ▲6二金  まで11手

最初の手がかりに気が付かないと全く手が出ない問題です。ヒントではまったく別方向からかなりのヒントをだしてみましたが、それでも難しかったようですね。

全ての鍵となる最初の手がかりというのはBの持ち駒の金。盤上配置は同じで持ち駒の金の枚数が違う。これは普通に指していては絶対に起こりえない現象です。短手数で起こす手段はただ1つ、取った金をわざわざ相手に渡す手があった場合以外にありえません。ではなぜこれが鍵なのか。ここで例の詰みには2枚必要という考えが役に立ちます。先手が金をわざわざ1枚渡すということは、先手は後手陣に駒を3枚用意する必要があるということ。これは11手あってもそれほど容易なことではありません。

では、角と金とあと1枚何を用意するか。可能性として最も高そうに見えるのは2枚目の角。なぜなら、角だけは他の駒より2手早く3手目に取れるから。ということで考えてみましょう。金を渡すBの方は「▲76歩△34歩▲22角不成△XX飛▲33角打△42金▲同角不成△41玉▲82金△同銀▲31角成」というような流れになります。しかし、A側では△42金を▲同角不成と取る時に51も53もふさがっているので9筋側から取ることができませんし、金を取る位置を51に変えるのも無理です。

他の候補の場合は3手目に取れないので、B側は5、7、9、11手目で2枚取って2枚打つ形になります。つまり最後は金でない方の駒打ちでトドメ。しかし飛車打ちで詰ますには82銀が都合が悪く、Bが11手では詰みません。銀の場合は82銀が先手が最後に打った駒という可能性も考慮した上で、それでもやはりBに詰みはありません。桂香も無理。ということで、先手が金を2枚とも取る可能性だけが残ります。

金を2枚とも取る場合普通は角で2枚取る手順を想像します。しかしそうすると後手は金を両方とも角の利きに動かし、玉を41か52に逃げ、飛をどかして銀を上がり、それで手を使い切ります。このとき角は42か51か62にいて、金打ちでは41玉も52玉も詰みません。金もダメなのでしょうか?

ここがこの問題の第二の大きな鍵。攻め駒を3枚用意する問題があまりないので忘れがちなのですが、3枚目の駒は2枚目の駒で取ってもよいのです。つまり、1枚目の金を取って打ち、それを2枚目の金と交換し、再び金を打って詰み。これなら後手が金移動を1回省けるので、玉を61に移動することができるのです。すなわち「▲76歩△52玉▲33角不成△51金左▲同角不成」で始め、飛車が邪魔にならないよう「△92飛」と端に追いやり、「▲72金△82銀▲61金△同玉▲62金」で詰みになります。これでBの方は詰み。

あとはAが「金を渡す必要がない代わりに同角不成は9筋側から」で同じ盤面で詰むかどうか。こちらは三段目に金打ちができないので最終手62金での金取りは不可能。よって今度こそ角で金を両方取るしかなく、後手は金移動が2回と92飛82銀61玉で全て。金は片方は9筋側から取る必要があるので51~62~51と戻りながら達成するしかありません。そうなるとどの手から指すかは厳しく制限され、A側の作意となります。

なお、ヒントでは反対側からも攻められるようAについてほぼ確定する情報を出したのですが、Bを同じ盤面に持っていくことができず片方解答だった方が三名。条件が両局の関係性を含んでいるので正解にはできませんが、努力賞を差し上げたいと思います。

それではみなさんの短評をどうぞ。

渡辺(作者) 「82銀指定は後手飛無力化に92に運ぶしかなくする条件。9筋側からの同角生による金取りが条件として厳しく、論理的に先手角の軌道が定まるのがポイント。普通の詰上がりに地味な手順なので論理を構築すれば解ける筈なのですが…、逆に発想だけではこの手順には至るのは難しく論理構築を強要されるのですが。」

■こういう作品は解き慣れていないとやはり厳しいようで。

斧間徳子 「連立問題は解きづらいので好みでないが、本作は終局時に後手の持駒に金がある手順を探ったら、すんなり解けました。」

■そこに気づくとしばらくはスルスル進むんですけどねえ。

まさ 「わざわざ金を渡すBの方が好みの手順です。」

■Aの順は単品としては冗長で、Bとセットにするからこそですね。

NAO 「金2枚取る手順は想定外でした。金とほかの1枚(銀か角)と思い込んで迷走。直前ヒントをもらっても2日間は頭の中真っ白状態でした。詰パラ7月号の227番も併せ、連立問題は発展が期待できます。作るのも解くのも大変ですが。」

■連立問題、実は一番大変なのは担当者ではないかというウワサ。

Pontamon 「ギブアップのコメントを書いている最中に突如見えました、B局の詰みが。動かずの右金ですか!!」

■そう、それこそがB局を11手で間に合わせるための全て。

小山邦明 「連立作を初めて解きましたが難しかったです。後手の5つの着手は、92飛と82銀で飛車の横利きを止める手と、玉を角筋からはずす手と、金を角の取れる位置に移動する手とわかるのですが、Bのように先手が金打ちから後手の金を取る事で玉の2回移動でも可能な事になかなか気付きませんでした。」

■3枚で詰めたり、攻め駒を1枚捨てる場合特有のやり方です。一度気づけば当たり前にしか見えないのですが、けっこう盲点になりやすいんですよね。

枡彰介 「先手角がすぐ近く(隣)に侵入しているのに全く気づかない玉の姿を想像しました。」

■「志村!後ろ、後ろ!」ということですね。

隅の老人B(努力賞) 「ギブアップ。暑い、暑い。ただ、Aさんの手順は(A局正解)のような気がする。」

■BさんがAさん局だけ解答、と書くとなにやらトンチのよう。

諏訪冬葉 「Bの方向条件を満たすと後手飛車を取る暇がない→92飛82銀 が思いついてなんとか解決しました」

■飛車を取るのは「▲82角不成△73金▲同角不成」という形が使えるので左右条件は満たしやすいのですが、いかんせん詰まない。

S.Kimura(努力賞) 「ヒントを見ると,Aはこのようになりそうですが,Bは玉と61の金が交換できないので,間違っているかもしれません.」

■右金については「何も指さない」というのが妙手なのでした。


正解:9名

  斧間徳子さん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん  チャンプさん  NAOさん
  Pontamonさん  まささん  枡彰介さん  渡辺さん

努力賞(Aさんのみ正解)

  飯山修さん  S.Kimuraさん  隅の老人Bさん  


総評

Pontamon 「提示された条件の意味するところを理解していたつもりでしたが、中級、上級は手ごたえ十分な難問でした。中級では、ミスディレクションも警戒して後手の角成りに先手が72銀と打つ順まで検討したのに、上級B局では7手目までに角で駒2枚を取ることしか考えず、ギブアップ寸前でした。結局、条件の理解不足ってことですね。」

■条件に対しどんな可能性があるのか考慮するのは慣れや経験も必要。おそらくみんな最初の頃に通ってきた道です。

チャンプ 「創作が止まりません。しかし送っては余詰の指摘を受ける日々が続いています(笑)近い内に完成品を発表できればと思います。どうぞお楽しみに。」

■けっこう簡単な余詰で返送になったものが多いので、検討はぜひ慎重に。

枡彰介 「練習問題の解説通り、解いた後にその手順が限定されている理由を確認したら二度楽しめました。」

■簡素に見えても裏に膨大な意味が隠されている場合があって、けっこう楽しい見方です。もちろん解図にも有用。

隅の老人B 「さすがに7月は暑い。加えて上級の79-3が解けなくて、更に暑い。寝苦しい夜、床に横たわって推理将棋を考える。これで幾晩が過ぎたやら。」

■春ごろには今年は冷夏だと予測されていたのに……。

渡辺 「難しすぎたようですね…。締切前ヒント付のおもちゃ箱なら、と思ったのですが…。」

■中間ヒントを出すべきでした。難易度判断はやはり難しい。


推理将棋第79回出題全解答者: 14名

  飯山修さん  猪狩守様fanさん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  小山邦明さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  チャンプさん  NAOさん
  Pontamonさん  まささん  枡彰介さん  渡辺さん

当選: Pontamonさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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