推理将棋第80回出題(8月20日まで)
[2014年8月31日最終更新] 80-3解答、第80回出題当選者
将棋についての話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル、推理将棋の第80回出題です。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
解答、感想はメールで2014年8月20日までにTETSUまで (omochabako@nifty.com) メールの題名は「推理将棋第80回解答」でお願いします。解答者全員の中から抽選で1名に賞品リストからどれでも一つご希望のものをプレゼント! 1題でも解けたらぜひご解答ください。
推理将棋第80回出題 担当 DD++
このところ、ツインすなわち2局セットの問題の投稿がちらほら。ツインには大きく3つのタイプがありますので整理してみましょう。1つめが「二解」すなわち全く同じ一組の条件を満たす手順2つを答える問題。おもちゃ箱での採用例はありませんが、32-2の解説で紹介されているこの作品の原案が一例。2つめが「姉妹」すなわちほんのわずかに異なる2作品のセット。例としては72-2,3や65-1,2,3(トリプレットですが)で、2問それぞれ独立の問題とみなすこともできます。3つめが「連立」すなわち2局の関係性が条件になっている問題。前回の渡辺さん作が例で、数学の連立方程式のように両局とも答えるまでが1問です。いずれのタイプも2局の手順に明確な対比があることが良作の必要条件です。
今回の出題は初級の姉妹と上級の連立でツイン2組です。初級は投稿が非常に少ないため埋草として担当作を使うことが少なくありませんが、この姉妹作に関してはそうではなく私がずっと機会を待って温存していた自信作の初級。上級は新進気鋭のPontamonさんの連立。条件は言葉にするとやたら複雑に見えますが、(先手)(後手)のところを表にまとめてみるとわかりやすいと思います。攻方の動かす駒がほぼ飛車だけなので前回の渡辺さん作よりは挑みやすいはず。
そして、今回はもう1つお知らせを。私が本コーナーの担当を引き継いだ第43回出題からもう3年半。さすがにそろそろ新しい風をということで、私 DD++ はこの第80回出題をもちましてコーナー担当を引退することとなりました。至らぬ点も多い担当ではございましたが、暖かく支えてくださった皆様には本当に感謝しています。第81回からはNAOさんが担当してくださいます。新担当者へのご祝儀は、奮って解答いただくことと初級問題の投稿を。
■練習問題
「さっきの将棋、▲78飛△42飛▲76歩△74歩▲75歩△同歩まで見てたけどどうなった?」
「9手で詰んだよ、って言えば残りの3手は分かるよね」さて、残りの3手はどんな手だったでしょうか。
■本出題
- 80-1 初級 DD++作 将棋ソフトの謎戦術 (A) 9手 解答
条件は棋譜上表記で指定されているので「44角不成」などではダメです。ご注意を。 - 80-2 初級 DD++作 将棋ソフトの謎戦術 (B) 9手 解答
何が対比になっている手順かを考えるのもひとつの道です。 - 80-3 上級 Pontamonさん作 前後反対の鏡 12手×2 解答
12手分の棋譜の枠を用意し、共通部分に印をつける作業から始めるとよいでしょう。
■締め切り前ヒント (8月13日 DD++)
締め切り前ヒントです。
初級A:▲44角に△62飛と応じます。3手目は不成で。
初級B:△44角に▲62飛と応じます。3手目は成で。
上級A:▲49玉を△69飛成で単騎詰。後手飛は3筋から出ていきます。
上級B:▲69玉を△49飛成で単騎詰。後手飛は4筋から出ていきます。
80-1 初級 DD++作 将棋ソフトの謎戦術 (A) 9手
「この将棋ソフト、なんか戦術おかしくない?」
「どうも棋譜に『44角』と記録されると必ず『62飛』と応じるみたいだね。
実際にそのやりとりが行われた棋譜が2つある」
「どちらも9手で詰んでるね。
こっちは先手が成る手2回で銀歩を取ったのか。
もう1つは先手が成る手2回で金歩を取ってるんだね」
「何にしろ、このソフトは使い物にはならないね」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 9手で詰んだ
- 「44角」に「62飛」と応じた(どちらも棋譜上表記)
- 先手は成る手2回で銀歩を取った
80-2 初級 DD++作 将棋ソフトの謎戦術 (B) 9手
80-1と同じ会話
(条件)
- 9手で詰んだ
- 「44角」に「62飛」と応じた(どちらも棋譜上表記)
- 先手は成る手2回で金歩を取った
80-3 上級 Pontamonさん作 前後反対の鏡 12手×2
A局(?)「すーさん、これが12手で詰めた終局図だよ。」
B局(す)「あれっ、デジャヴかな。そうか、僕が12手で詰めた対局と似てるんだ、これだよ。」
(?)「本当だ、裏から透かしてみると似てるね。鏡って、左右反対じゃなくてこんな風に裏から表を見ている前後反対なんだってね。」
(す)「へぇ、そうなの。それより見比べてみようよ。僕らの飛車の着手は、1マス~5マス移動が一度ずつの5回だね。そのうちの2回は横移動ってとこも同じだね。」
(?)「先手は各手番に着手した駒種は両局とも同じで、7手目は銀だね。 1手目と5手目は着手地点も同じなんだ。」
(す)「2手目は着手地点も駒種も違うけど、4手目は着手地点が同じだね。」
(?)「違うところは、僕は角を取ったくらいかな。」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 両局とも12手で詰んだ
- 両局とも、後手の飛車の着手は、1マス~5マス移動が一度ずつの5回で、そのうち横移動は2回
- (先手)各手番に着手した駒種は両局とも同じで7手目は銀。1手目と5手目は着手地点も同じ
- (後手)2手目は着手地点と駒種の両方が異なり、4手目は両局とも着手地点が同じ。
- A局では後手が角を取った。
■練習問題解答
問題以下、▲同飛△52金右▲71飛成まで。
飛車を使った有名な攻め筋。この一段目の龍の横利きを使う単騎詰は、推理将棋黎明期にはてるまさんが発見したので「はてるま手筋」と呼ばれます。最短では8手から可能ですね。
一桁手数だと居玉に対して△39龍や▲71龍とする形がほとんどですが、二桁手数だと別の筋でのはてるま手筋、あるいは二段目での龍単騎詰などいろいろな応用形も作ることができ、作意でも余詰でもよく登場する形となります。
推理将棋の問題も募集しています
このコーナーで出題する問題を募集します。入門用の易しい問題を歓迎。作者名、問題、解答、狙いなどを記入して「推理将棋投稿」の題名でTETSUにメール(omochabako@nifty.com)してください。
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コメント
A/B局のn手目の着手地点をAn/Bnとすると「1手目と5手目は着手地点も同じ」は「A1=A5かつB1=B5」のことでしょうか?それとも「A1=B1かつA5=B5」のことでしょうか?「も」と言っているから後者かと思いますが一応念のために質問です。
投稿: 渡辺 | 2014.07.25 00:32
ご認識の通り、後者です。
(先手)(後手)のところは全て、A局とB局で比較して「同じ」「異なる」という条件となります。
投稿: DD++ | 2014.07.26 19:57
締め切り前ヒントです。
初級A:▲44角に△62飛と応じます。3手目は不成で。
初級B:△44角に▲62飛と応じます。3手目は成で。
上級A:▲49玉を△69飛成で単騎詰。後手飛は3筋から出ていきます。
上級B:▲69玉を△49飛成で単騎詰。後手飛は4筋から出ていきます。
投稿: DD++ | 2014.08.13 22:20