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大道棋よもやま話 第23回 米長さんを苦しめた大道棋

[2014年8月28日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。

関連情報: 大道詰将棋よもやま話  ドキドキストリート (おもちゃ箱


詰将棋パラダイス 2014年4月号掲載
大道棋よもやま話  第23回 米長さんを苦しめた大道棋  加藤 徹

 前に最後の常設大道棋屋、大阪の黒田さんのことを書きましたが、近代将棋のバックナンバーを見ていたら、なんと米長邦雄八段(当時)が紹介している記事がありました。

 '74年11月号のさわやか随筆「大道詰将棋」です。この頃黒田さんは詰パラの大道棋研究室で出題された問題を実戦で出題して、某大道棋屋の名前でその結果をレポートしていました。

 「最近は、大道詰将棋というのを、ほとんど見かけなくなった。
 時たまあっても、善良なファンから金子をだまし取ろうという悪質なのが多い。
 けれども、世の中は広い。
 いまどき珍しく、良心的な大道棋屋さん?が存在するのである。
 大阪の、ある盛り場に、毎日店を出している。(中略)
 さて、件の老人は、毎回新作を出す。
 私も、それを必死になって詰ます。
 これが、大阪での対局の楽しみの一つである。
 とはいっても、実際に手を出すのではなく頭の中で考えるのである。」

Y023a

 「この間、上図のような作品に出っくわした。
 夜の九時ごろだったと思うが、当方は大分酩酊していた。(中略)
 翌日は、大阪で対局である。
 いつもそうだが、軽く飲んで、ホテルに泊って対局に備える手筈になっている。
 早く風呂にでも入って休みたいが、なんといっても、詰まないというのはシャクに触わる。
 缶ジュースを飲みながら、酔いをさまそうとして、真面目な努力をしはじめた。
 相当難しい問題である。
 こうなると、もう意地だ。詰ますまでは眠れない。
 結局、十二時過ぎまでかかった。」

 米長さんの解答の実力は有名ですが、「大道棋は、すべて自分で解いた経験があるから、見ただけで、おおよその見当がつく。」と、大道棋にも詳しいようです。その米長さんを苦しめた金問題(奇策縦横216図内藤悟作)、初見の方は挑戦してみては。

◇大道棋22 加藤徹 正解

Y022

 92飛、93銀合、同飛、同飛、同金、84玉、74飛、93玉、94銀、92玉、
 83馬(銀成)、91玉、71飛成、81合、82馬(成銀)迄15手。

桂合は、同飛、同飛、86桂、同馬、93金、84玉、74飛、93玉、
 94飛、82玉、72馬迄13手。

 双玉の利波型飛問題。92金に61飛など逆王手の筋はあるが、双玉の味は薄い。

 92飛に93桂合でなく93銀合が狙いの一手。

 本作は93銀合以下が簡単すぎるが、92飛は93銀合で逃れとして別の詰め筋にできればおもしろいかも。

谷口翔太「初手92飛打を取らずに合駒するのが大道棋。素直に取ったの、だーれ?」

 詰パラ読者は流石にごまかされず、92飛に同飛とした人はゼロ、93桂合以下15手の変別がお一人。

小山邦明「96歩配置で合駒を銀の限定にできるのですね。」

★全短評をおもちゃ箱で掲載。

◇解答者 21名 正解20名
【正解者】 (省略)
【当選者】 (省略)

◇懸賞詰将棋 大道棋23 小山邦明

Y023

 あるプロ棋士も苦戦した難問。収束いろいろあるので、今回は最終手だけでなく手順全体を書いてください。

 解答は4月末までに下記(省略)まで。

 正解者から抽選で1名に加藤徹好形大道棋50番「ドキドキストリート」などを贈呈。


注1)近代将棋1974年11月号、米長邦雄八段のさわやか随筆「大道詰将棋」全文はこちら。

注2)内藤悟作金問題の手順鑑賞はこちら。

注3)上記の大道棋22の解説および全短評はこちら。

注4)上記の大道棋23の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。

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