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推理将棋第80回解答(3)

[2014年8月31日最終更新]
推理将棋第80回出題
の80-3の解答、第80回出題の当選者(S.Kimuraさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第80回出題  推理将棋第80回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


80-3 上級 Pontamonさん作    前後反対の鏡        12手×2

A局(?)「すーさん、これが12手で詰めた終局図だよ。」
B局(す)「あれっ、デジャヴかな。そうか、僕が12手で詰めた対局と似てるんだ、これだよ。」
(?)「本当だ、裏から透かしてみると似てるね。鏡って、左右反対じゃなくてこんな風に裏から表を見ている前後反対なんだってね。」
(す)「へぇ、そうなの。それより見比べてみようよ。僕らの飛車の着手は、1マス~5マス移動が一度ずつの5回だね。そのうちの2回は横移動ってとこも同じだね。」
(?)「先手は各手番に着手した駒種は両局とも同じで、7手目は銀だね。 1手目と5手目は着手地点も同じなんだ。」
(す)「2手目は着手地点も駒種も違うけど、4手目は着手地点が同じだね。」
(?)「違うところは、僕は角を取ったくらいかな。」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 両局とも12手で詰んだ
  • 両局とも、後手の飛車の着手は、1マス~5マス移動が一度ずつの5回で、そのうち横移動は2回
  • (先手)各手番に着手した駒種は両局とも同じで7手目は銀。1手目と5手目は着手地点も同じ
  • (後手)2手目は着手地点と駒種の両方が異なり、4手目は両局とも着手地点が同じ。
  • A局では後手が角を取った。

出題のことば(担当 DD++)

 12手分の棋譜の枠を用意し、共通部分に印をつける作業から始めるとよいでしょう。

追加ヒント

 A:▲49玉を△69飛成で単騎詰。後手飛は3筋から出ていきます。
 B:▲69玉を△49飛成で単騎詰。後手飛は4筋から出ていきます。


推理将棋80-3 解答  担当 DD++ Suiri803a

7六歩    ▽3二飛    ▲3三不成▽5二
6六角不成▽3六飛    ▲3八    ▽6六飛
▲4八    ▽6七飛不成▲4九    ▽6九飛成 まで12手

Suiri803b



7六歩    ▽4四歩    ▲同     ▽5二飛
6六角    ▽4二飛    ▲7八    ▽4七飛不成
▲6八    ▽4五飛不成▲6九    ▽4九飛成 まで12手

問題を見れば明らかに両局とも飛か龍の単騎詰ですね。このような場合、「どこで」を考えるのが解答の最短コース。この問題の場合、後手飛が動いたのは全部で1+2+3+4+5=15マス、というのがポイント。将棋盤を11地点を黒マスとしてチェス盤のように白黒交互に塗ってみましょう。黒マスの隣は白マス、白マスの隣は黒マスですから、黒マスである82地点から15マス移動するとどう移動しても白マスにしか行き着けないのです。

白マスに龍を置いて短手数でどうにか単騎詰を作れそうなのは、▲18玉△38飛成、▲49玉△69飛成、▲69玉△49飛成、▲98玉△78飛成、くらい。その中で、今回は後手が飛の通り道を開けられないので先手が角を使って後手歩の壁を破るのに2手使うので、端玉はまったく手数が足りません。つまり本命は、▲49玉△69飛成、▲69玉△49飛成。それぞれ検討してみましょう。

まず▲49玉△69飛成。このとき、先手には67歩をどける余裕がないので、1マス3マス4マス5マスで67の歩を取って、最後に2マス移動の69飛成です。飛車が出られるのは3筋か4筋ですが、4筋から出ると6筋への2マス移動が使えないのでダメ。ということで3筋から出る82→32→36→66→67→69という経路になります。このとき先手は歩を取った後の角をさらに動かさないといけないので、先手着手は歩角角銀金玉の順。

次に▲69玉△49飛成。このとき、先手には47歩をどける余裕がないので、47で歩を取って、最後に49飛成です。3筋から出ると4手かけて47の歩を取り最後に2マス移動とするしかありません。しかし縦移動3マスと4マスを組み合わせて5段下がるのは不可能なのでダメ。ということで4筋から出ましょう。この場合、最初に横移動を2回使って4筋へ移動してから連続縦移動3回という形になり、82→52or72→42→47→45→49という順になります。(いろいろありそうに見えて意外にもこれしかありません)。先手着手はやはり歩角角銀金玉の順。

なんとなく作者のやりたいことが見えてきた気がしますね。手順を整理すると△69飛成型は「▲76歩△32飛▲33角成or不成△王手対処▲??角or馬△36飛▲38銀△66飛▲48金△67飛不成▲49玉△69飛成」で△49飛成型は「▲76歩△44歩▲同角△52or72飛▲??角△42飛▲78銀△47飛不成▲68金△45飛不成▲69玉△49飛成」となります。

このうち角を取れるのは△69飛成型で5手目に▲66角不成とした場合だけ。つまりそれがA局。B局はこれと着手駒が異なるのでこちらは△49飛成型。4手目の着手地点を揃えるにはAを△52玉でBを△52飛とするしかなく、これで作意となります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

Pontamon(作者) 「個別だと条件数が多い駄作なのですが、連立ツイン作品として日の目を見れました。ツインにすると、飛角の駒成り条件、角の移動先限定、▲33角の王手の処理、余詰み筋回避などが不要になり、作っていて面白かったです。雲を掴むような飛車移動距離条件なので、左右対称以外にもうひとつヒントを会話に入れてありました。対局者の「?」と「す」は、飛車の移動軌跡に似た文字を使ったのですが、これがヒントになった方は居ますかね?」

■「?」「す」の指摘は残念ながらゼロでした。それよりも、「左右反対じゃなく前後反対」というのを何を示唆しているかで悩んだ方が(私を含め)多数だったようです。

斧間徳子 「猛暑の中、嫌いな連立問題で、しかも条件が多いのでゲンナリでした。4手目の着手地点が42だと手順が限定されないことを利用して解けました。」

■いくつか不要な条件があるんですよね。最低限の条件を抽出すればたぶんこう。
・両局とも12手で詰んだ
・両局とも、後手の飛車の着手は、1マス~5マス移動が一度ずつの5回で、そのうち横移動は2回
・2手目は駒種が互いに異なり、4手目5手目はそれぞれ着手地点が同じ、7手目はどちらも銀
・A局では後手が角を取った。
こういった条件の減量は慣れないと余詰リスクが跳ね上がるので実行するか判断に難しいところですが。

NAO 「条件で飛車移動の終点が限定され、意外と狭いかも。それより、会話文の鏡に惑わされました。形は似ているが反転している訳でもないので。」

■見た目のゴツさのわりに解くステップ数は多くありません。鏡は詰みに絡む玉金銀龍の配置がちょうど左右逆だからということですね。全盤面左右反転まではさすがに……。

小山邦明 「(後手)2手目に飛以外の駒を動かす事が必要なので、飛の単騎詰と予想して、飛が9段目までいける縦と横の移動数を考えて、何とか解くことができました。角や飛が行って戻ってという巧妙な手順が入った傑作だと思います。」

■地味な手ですが、推理将棋的には66角が巧手。条件の多ささえ目をつぶればとても面白い作品ですよね。

飯山修 「12手あればいろいろな事ができるがほとんどが限定1手順が不可能。4手目の限定方法で考えればなるほど52飛はMUSTですね。直前ヒントのでる前に解きたかった。」

■条件を1個だけ満たせないのが続くと悔しいですよね。

チャンプ 「問題を解くのに初めて用紙とペンを使わされました(笑)この手順だけを見ればそれほど魅せる手も無く、ただ疑問だけが残る何の変哲もない作品ですが・・・しかしこれをツインにすることでA局で感じた月並み感は一気に消し飛びます。しかもこの序で4手目△52飛。この常識に囚われない感覚は大変好感が持てます。条件のゴツゴツ感は否めませんが今後も自由な発想を大切にして創作して頂きたいですね。」

■創作が常識に囚われない場合、解く側も常識を捨てないと太刀打ち出来ないことが多いですね。私もかつてWFPでフェアリー詰将棋を画像編集ソフト使って強引に解いたことが……。

諏訪冬葉 「一番考えたのは「終局図をどこまで似せるべきか」でした。」

■解図に関係なさそうに見えて実はけっこう近道。

隅の老人B 「今回も上級が解けない、残念。「デジャヴ=何処かで見たような」、そんな意味ですか?「前後反対の鏡」、この意味も判らない。」

■連立は解くのにちょっとコツがいりますからねえ……。

はなさかしろう 「条件を覚えるまでが大変でしたが、飛車の移動距離のバラエティが面白く、連立ならではの、双方の折り合いをつけながら同時に解いていくのが新鮮でした。」

■1から8マスだと39飛成までができるところ、1から5マスだと39に行けないのがまたいい味を出しています。

S.Kimura 「単騎詰は予想できたのですが,4手目と5手目を満たす手順が分からず,かなり苦労しました.ヒントから,Aは5手目に66で角を取ることに気付いたのですが,それでも,4手目52玉に気付くまでに時間がかかりました.」

■3手目33角成への王手対処は意外と幅広いのです。


正解:9名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん
  チャンプさん  NAOさん  はなさかしろうさん  Pontamonさん  


総評

斧間徳子 「DD++さんの解答稿における論理的でわかりやすい名解説にはいつも唸らされました。長い間、担当の激務をお疲れ様でした。」

■自分の解説って自分で読んでもわかりやすいのか判断しにくいものなのですが、そう言っていただけて嬉しいです。

Pontamon 「79回上級からの3連続ツインでDD++さん担当出題の締めになりましたが、担当最終回にご一緒できて光栄です。80-3の飛車移動距離条件は、87手の駒柱20連続「同」着手の駄目出し後、73手まで手数を削る過程で飛の着手条件数を減らすために編み出したもので、あの駄目出しがなければこの連立ツインは生まれなかったでしょう。示していただいた69手順は、手筋満載で勉強になりました。長い間、担当、お疲れ様でした。(今年の疲れる原因はお前だって言われそうですが...)(^^)」

■担当最後の採用作にどなたの作品を使うか迷ったのですが、やはり新しい風に期待したいということでPontamonさん作を選びました。まだまだ荒削りな感は否めませんが着想は非常に良いセンスを持っており、Pontamonさんの今後には本当に期待しています。一つだけ望むのならば、NAOさんが泣かないようにできれば手数が長すぎないもの(~10手台前半くらい)を……。

小山邦明 「DD++さん、3年半の担当ご苦労様でした。私が解答を始めたのは今年からですが、推理将棋の面白さを楽しむ事ができました。ありがとうございました。NAOさん、7月の全国大会でお声をかけていただき、ありがとうございました。毎回、苦戦していますが、多くの解答をこれからもできたらと思っています。」

■今後はNAOさん担当になるので、また違った面白さも見えるかもしれませんね。これもまた担当交代をする大きな理由です

チャンプ 「もう3年半もの月日が流れたんですね。毎月DD++さんの名解説を楽しみにしていたので担当を退くと知って大変残念に思っています。(実は私がこのコーナーに初めて解答を送ったのもDD++さんが担当になった月からです)。しかし今後はまた原点に戻って創作者としての本領を発揮して頂けるのではないかと期待しています。長年に渡りお疲れさまでした。」

■初解答、そういえばそうですね。こう客観的に見てみるとずいぶん長い間担当していたものです。

諏訪冬葉 「会話文を鵜呑みにしてはいけないと思いました。」

■場合によってはいいヒントになることもあるので難しいところ。

波多野賢太郎 「上級作はやはり難しくて解けませんでした。もう少しゆっくり考えてみたいと思います。今回は1問解けたので満足です。担当、お疲れ様でした。推理将棋の楽しさを知ることができました。」

■今後もNAOさんが楽しいコーナーにしてくださると思いますので、お楽しみに。

隅の老人B 「1と2はヒントなしでも簡単に解けたが、3は少し、いいえ、だいぶ考えたが解けません。8月の猛暑に長時間の思考はムリ。ハイ、これはギブ、アップです。」

■次回は上級も9手なので全問正解チャンス!

はなさかしろう 「はや3年半。長きにわたって毎月楽しい出題&解答をありがとうございました。
 先月は欠席すみませんでした。初級は楽しく解けたのですが、中・上級でヒントを使うはめになり、解いたところで力尽きました。中級を相当考えたのですが、盲点、というよりも、潜在意識が読むのを拒否していたのではないか、というくらいの穴を衝かれて心が折れてしまい、上級は検討量が全く足りませんでした… 渡辺さんの問題はおそろしいです。
 今月は先月に比べればだいぶ解きやすかったです。初級はどちらもぴったり9手、条件と手順のコントラストが美しく、DD++さん担当回の掉尾を飾るにふさわしいツインでした。上級の連立は、手数は長いながら裏まで使えば手順をかなり絞りやすく、一味違う解き方で面白かったです。
 3年半で120問! 推理将棋が作風を変えながら進化してきたことを改めて感じます。拙作も採用していただけて大変光栄でした。特に46-3、55-3、76-3は解答発表が終わるまで気が気ではありませんでしたが、残せて良かったと思っています。改めまして、おつかれさまでした&ありがとうございました。」

■今後、担当交代することでまた別の進化を辿るのではないかと思います。これからもコーナーを盛り上げるべくお互いいろいろ投稿していきましょう。

S.Kimura 「DD++さん,長い間お疲れ様でした.出題日を早くして戴いたので,考える時間が増えて助かりました.とはいうのもの,最近は私にとって難問が多く,ヒントがあっても解けずに申し訳なかったのですが,最後はどうにか全問解けて良かったです.」

■上級は当然手応えある問題を置くことになるので、ちょっと難しすぎることもあったかもしれませんね。そんな場合にヒントでどうにかするのが担当の仕事のはずだったのですけど、うーん。

はらたっと 「DD++さんご苦労様でした。1問目2問目秘蔵というだけあってすばらしい問題だったと思います。」

■ありがとうございます。次回から担当が変わっても本コーナーをよろしくおねがいします。

NAO 「DD++さん、長い間のご担当お疲れ様でした。次回からは私が推理将棋を担当させていただきます。初級~中級向けの易しい問題の投稿をお待ちしております。」

■NAOさん、次回からよろしくお願い致します。みなさんは、ぜひ投稿をお願いします。担当としては投稿に不完全作が多いことより投稿が何もないことの方が怖いので、みんなでNAOさんを安心させてあげましょう。


推理将棋第80回出題全解答者: 13名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  チャンプさん  NAOさん  波多野賢太郎さん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  Pontamonさん  

当選: S.Kimuraさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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