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推理将棋第82回解答(1)

[2014年10月26日最終更新]
推理将棋第82回出題の82-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第82回出題  推理将棋第82回解答(1)  (2)  (3)
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推理将棋第82回解説  担当 NAO

担当2回目の出題で早くも余詰を出してしまいました。申し訳ありません。
一つでも解がわかってしまうとなかなか余詰は見つけられませんね。
とはいえ、今回の解答者20名突破でホッとしてます。今後は検討力を鍛えていきますので解答も投稿もよろしくお願いします。


82-1 初級 NAO作  端銀戦法  9手

「さっきの将棋、不成の手があって9手で詰んだみたいだね」
「ああ、端に銀の手のある珍しい戦型だった。42地点の着手が2回あったね」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 端(1筋か9筋)に銀の着手があった
  • 42地点に2回の着手があった
  • 不成の着手があった

出題のことば(担当 NAO)

 端銀が現れる位置を推理しよう。

追加ヒント

 7手目に端銀を打って王の逃げ道を塞ぎます。


推理将棋82-1 解答 Suiri821

▲7六歩  △3四歩  ▲2二角不成  △4二玉 
▲3一角成  △3三玉  ▲  △4二金 
▲2二角 まで9手

9手詰で端銀が現れる手順は意外と限られています。
先手が銀を取って端に打つしかありませんが、銀を取ることができるのは最速でも5手目。そして、仮に端銀を詰みに関係ない無駄手にできるなら打場所は限定されませんが、9手詰となると「7手目に詰みと関係ない無駄銀を打つ」手順はありません。また、「9手目に端銀を打って詰ます」形もありません。

そこで、端銀を待ち駒にして玉の逃げ道を塞ぐ手順が浮かんできます。

  • 5手目銀を取った後、逃げ道封鎖に、7手目端銀を打つ
  • 9手で詰ますためにはもう1枚の駒を取る必要あるので、3手目に角を取る

他方、後手は端に近づきがら先手に協力します。

  • 2手目に角道を空ける
  • 42地点経由で33地点に玉移動する

ここまで手順を整理すると6手目まで
▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △42玉 ▲31角(*) △33玉 ・・・

条件で残っているのは端銀の場所と2回目の42地点着手。
まず33玉の退路封鎖のため7手目は▲15銀打に決定です。9手目は22角打で詰みそうですが82飛の効きを消すのに8手目42金がぴったり。22に不成で飛び込んだ角は5手目に成って32に馬の効きを残し、9手目角打ちまで。

それではみなさんの短評をどうぞ。

Pontamon 「4段玉に5段目端銀の直感は冴えず。5段目端銀は正解だったけど爽快な解後感半減。端桂戦法、端銀戦法の次は端金戦法かな?(予習しておこうっと)」

■一瞬でも4段玉を考えてもらうのが狙いの一つです。端金は9手では無理?
その代わり次回は端の手と金の手のある作品を出題します。

はなさかしろう 「この3三玉を角二枚と銀一枚で上下から挟撃する形、どうも苦手でいつも最後まで思いつけません。また、42地点2回が△42銀▲同角成を誘っているようで、かなり悩ましい問題でした」

■9手でも解図力抜群のはなさかさんを悩ませることができました?

DD++ 「理詰め派だと、端銀と2枚で9手詰は無理なので、22角生31角成で3枚使うか端へ行くのは玉方銀かとすぐ絞れますね。で22角生同銀から読んだ元担当。無意識に読み抜けてそうなとこから始める癖が……」

■ひょっとして後手方の端銀を考えましたか。

斧間徳子 「不成の手と銀打ちがあることから、22角生~31角成だろうと思い、以下スラスラ解けました」

■一目でスラスラとは流石です。

飯山修 「一題解けるとホッとします」

■ホッとできるよう、できるだけ9手詰は毎月出していく方針です。

S.Kimura 「銀を42で取って,玉を右に追うことを予想しましたが,逆でした.2回目の42が,余詰防ぎだったとは・・・」

■同一地点2回着手の条件は、作者の想定外の推理を誘うことが多いんです。
82飛の効きを消すのに42地点限定がないと72,62金(銀),52金もありますね。

ミニベロ 「確か『9手で端に銀』はこの形だけだったよね」

■そのとおり。ただ、3手目と8手目の限定のために条件2つ追加しないと。

渡辺 「端に銀となれば33玉15銀しかないですね」

■9手詰データベースが頭に入っていますね、渡辺さん。

諏訪冬葉 「『31馬と35銀で挟撃できる』に気付いて調整したらできました」

■31馬と35銀あるいは31馬と35角の挟撃は、既往の作品がありました。

小山邦明 「この条件で限定できているのがすばらしい」

■もう1条件減らせればよかったんですけどね。

隅の老人B 「端に銀?打つのだろうな、それなら先ずは銀を取らなくちゃ」

■ずばり推理通り進んだようで何よりです。

波多野賢太郎 「前回の『端桂戦法』に似ているなぁと思いながら考え始めたら苦戦しました。私の場合、銀を取って1五に打つのは突然閃きました」

■直感派は閃きが一番肝心。

はらたっと 「端銀はさすがにムダ手ではありませんでした」

■前回端桂は無駄手でしたが、今回端銀は逃げ道封鎖の一手です。

たくぼん 「42地点2回着手条件がまさに好条件ですね」

■2回とも銀でないのがウケましたか。実は8手目の非限定をどう消すかだけなんです。

枡彰介 「12か14に銀を置いて詰まそうとするが上手くいかず、ヒントを見てようやく銀は逃げ道封じのための置き駒だと気づきました」

■一瞬でも12や14の銀打ちを考えていただけたらうれしいですね。

占魚亭 「金駒の使い方がポイント」

■逃げ道封鎖の15銀と飛の横効きを消す42金でした。

チャンプ 「9手+端銀の条件だけで22角までの詰み上がりしか無いのが面白い。ただ、手順を限定するのに更に2条件必要だったのはやや残念か」

■詰形は一つ。だけどプラス2条件必要なんです。


正解:21名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  健太さん  孔明さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  占魚亭さん  たくぼんさん  チャンプさん  DD++さん  波多野賢太郎さん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  Pontamonさん  枡彰介さん
  ミニベロさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

「角成の利きに着手した」ではダメですかね?

投稿: 渡辺 | 2014.10.27 02:54

すいません「金を」が抜けてます。「角成の利きに金を着手した」

投稿: 渡辺 | 2014.10.27 02:55

角成は棋譜上の「駒の動き」なので、効きというならなら馬の効きですね。そうすると角成が3手目か5手目か非限定になるので「角が成った直後、馬の効きに金を着手」とでも表現すべきでしょうね。 

投稿: NAO | 2014.10.27 22:27

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