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推理将棋第83回解答(3)

[2014年11月30日最終更新]
推理将棋第83回出題の83-3の解答、第83回出題の当選者(小山邦明さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第83回出題  推理将棋第83回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


83-3 上級 はなさかしろうさん作  夜の長い季節は端で 12手

「12手で詰んだって?暦好きの君らしいね。それで、どんな将棋だったの?」
「最初の3手と最後の3手が端の筋の手で、それから…」
「ちょっと待った。つまり、1、2、3、10、11、12手目が端の筋の手だったんだね?」
「そう。それで、その6手は互いに異なる段の手だったよ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 12手で詰んだ
  • 最初の3手と最後の3手は互いに異なる段の端の筋の手

出題のことば(担当 NAO)

 詰みに繋がる伏線を推理しよう。

追加ヒント

 先手玉は98で詰まされます。序盤にその準備を。


推理将棋83-3 解答  担当 NAO Suiri833

9六歩    △1二香     ▲9七桂    △3四歩   
▲6八玉    △7七角不成 ▲7八玉    △8八角不成
▲8九玉    △1一角打   ▲9八玉    △9九角成  まで12手。

条件
・最初の3手と最後の3手は互いに異なる段の端の筋の手
(▲96歩 △12香 ▲97桂 ~△11角打 ▲98玉 △99角成)

「段が異なる端の着手」がテーマの作品。
序盤の3手と最後の3手で端の手が6回もあります。端の手は攻防手ですが、単純に端歩を突いていっても失敗します。

はじめに、最終3手が端の手なので、玉が端かその近くで詰むことを想定し、端への玉移動を考えてみましょう。59玉が1筋か9筋の端へ移動するのに4手必要ですが、端の手のうち11手目は端玉に使うとするとそれ以外の玉移動の手が3手。先手の1,3,11手目が端の手とすると端以外の残りの着手が3手だけなので端への移動が不可能にも思えます。なぜなら、玉が動くには玉自身の3手に加えて途中の壁駒(歩桂角飛のいずれか)をどかす手が1手必要だからです。

ここで、壁駒をどかすのに端の手を使えないか、推理を働かせます。
1手目と3手目に端の手を使って壁駒をどかす筋は、次の通り

  • 1筋:16歩~17桂、(16歩~)18飛
  • 9筋:96歩~97桂、96歩~97角、98香~99角

次に、後手から端の手を使う攻めを考えてみましょう。先手の玉移動と干渉せずに攻め駒を準備する必要があります。角を使いますが、2手目が端の手の後は、必然手4手目34歩、その後の2回の着手だけ角を端以外の攻めに活用できますので、角を取りながら77角~88角の2手。残りは2手目と8手目と10手目の端の手になります。

  • 4手目以降 34歩~77角~88角

ある程度絞れましたので組み合わせてみましょう。22~88角筋を活用できそうなので先手の玉は9筋側に移動。角筋を避ける必要があり、壁駒をどかす手順は"96歩~97桂"に限定されて先手の着手が決定します:96歩~97桂~68玉~78玉~89玉~98玉

また、異なる段の指定がありますので、とどめの1手は角に紐を付けて12手目99角成。遡って10手目には、角に紐付ける端の手が必要で11角打。更に遡って2手目は11に空間をあける端の手12香。後手の着手も決まりました:12香~34歩~77角~88角~11角打~99角成

  • 最初の3手:▲96歩 △12香 ▲97桂
  • 最後の3手:△11角打 ▲98玉 △99角成

最初と最後の中間、5手目以降「▲68玉 △77角不成 ▲78玉 △88角不成」のように、一瞬王手がかかりますが停滞せずに手が繋がっていきます。全手順が明らかとなって序盤の3手で伏線を敷いていることがわかりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「別の手順の条件付けをしている時に出てきた余詰筋を問題に仕立てました。端への着手タイミングを調整し、筋条件だけで行けたかと思いきや、前担当のDD++さんから▲6八玉型の余詰指摘をいただき、失意のまま半年以上お蔵入りに。△9六馬を防ぐだけのために複雑な段条件を導入せざるを得なかったのが残念です。解図は2手目から裏推理していただければ一瞬かもしれません」

■「異なる段」がない場合に生じる手順は一例として
▲96歩  △92香  ▲97桂  △34歩  ▲76歩  △88角成
▲68玉  △87馬  ▲58金右△96馬  ▲98香  △95角まで。
6段目着手が初手と10手目の2回になります。
「異なる段」条件が加わってミステリアスな推理問題が完成しました。

ミニベロ 「理屈で考えれば、端から攻めると必ず段が重複するので不可能。これに気がつかないと大難問になってしまう。12手が一筆条件ですべて限定されているとは感心しました。私好みの秀作です」

■序盤と終盤の手を一つの条件で指定しているのがすばらしい。

まさ 「玉が上部に出てくる余裕がない。では2手目は何が有効なのかと考えたら作意が見えた」

■2手目の有効手探しが早道でした。

DD++ 「1-3手目に手順前後がないなら端桂が怪しい、貴重な5-7-9手目は玉を端へ近づけたい、多くの段の端に着手するなら12香11角を指せると嬉しい、あたりのわりと自然な内容を決め打ちしていけば実はけっこう素直でした。でも11角が引くのではなく打つ手だった点は意外性充分」

■角のロケットエンジンをセットする手でしたね。

斧間徳子 「後手が端歩をひたすら突いてくる順かと思いこんでなかなか解けず。わずか1条件でこの手順を成立させるとは見事としか言いようがありません」

■少し考えて端歩では間に合わないことに気づきます。

孔明 「ヒントから玉の移動に4手かかるので先手が自由に指せる3手は全て玉の移動そしてトドメは▽9九角成(自由に指せる3手で取れる駒は角と歩だけ)というのがわかったんですが▽8八角不成に▲同玉としないと9八にたどり着けないと思い込んでました。3手目に▲9七桂とすれば8九の地点が空き、玉の移動経路にすればいいということに気付くまで時間がかかりました」

■地道な推理で、答えにたどり着いたようです。

波多野賢太郎 「これだけの条件で手順が決まってしまうのが私にはちょっと驚きでした。しかも前後3手がすべて端で違う段という条件が美しくていいと思いました。後手の2手目が詰みにどう関わるのか悩みましたが、とりあえず先手は玉を端へ移動させないといけないので先手の手がある程度限定されて、それから後手2手目が閃いた感じでした」

■解説にもあるとおり、伏線の2手目は最後にわかります。

飯山修 「直前ヒントの98で詰みはサービスしすぎのような気もするが11手目98の着手と言ったらやはり玉しか考えないから同じですね」

■98だけでは未だサービス不足か、最終手も明かそうかと迷いましたよ。解答者により難しさの感触が違いますので。

加賀孝志 「ヒントはくどくないほうが良い」

■難しく感じる方と易しく感じる方、個人差ありひとそれぞれです。易問と感じられればノーヒントでさくっと解いていただきましょう。ヒントは易しめにサービスします。

Pontamon 「中盤に端の手を指すのは禁じられていないので端の7段目の駒を8手目に取って使うのかと思ってドツボにハマりました。1筋の攻めで、△18飛、△19角に▲28銀の無駄合いができてしまう順はあったのですが…」

■異なる段条件があるので1回使うと同じ段が使えないですね。

小山邦明 「端でない先手の手順を限定するには玉の移動しかないと考えたのが正解でした」

■直感がさえてます。

諏訪冬葉 「ヒントから先手の5-9手目は玉移動。玉位置から最終手は99角成と予想しました」

■的確な推理手順でした。担当も推理しやすいヒントを心がけたいです。

隅の老人B 「2手目が10手目の伏線。解けて再度条件を読み直す、これで良し、良し」

■そのとおり。端の手パーツの組み合わせが見事にハマりました。

渡辺 「627189うん大丈夫。前問がヒントですね。最終ヒント見ましたが、それでも難しい。玉頭でやりとりする手段が巧妙に防がれています」

■ヒントはもう少しわかりやすくしたかったが、匙加減がむずかしい。

占魚亭 「妙手12香。無駄手でないのが素晴らしい」

■無駄手の限定手でもおもしろいが、立派な伏線手でした。

たくぼん 「88ではなく89を通るのが鍵でしたね。昔似たような筋の作品を解いた記憶が役に立ちました」

■11手以上になると玉移動のバリエーションもいろいろ増えてきます。

S.Kimura 「83-2を解いてから挑んだので,11角は想像できたのですが,無意味と思えた3手目が,玉の進路を開ける好手だったのは意外でした」

■繋げるため、先手側の伏線手。

鈴木康夫 「2手目が効果的な伏線になっていますね」

■最後に2手目の謎が明らかにされました。


正解:18名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  孔明さん
  小山邦明さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  Pontamonさん  まささん  ミニベロさん  渡辺さん


総評

ミニベロ 「せっかく秀作揃いだったのに、余詰を出してすみませんでした」

■担当も検討力不足ですみません。端特集で「端の手」とは、巧い修正でした。

まさ 「今回は巧妙かつダイナミックな作意を味わう、正統派のラインナップという印象でした」

■狙って選題した甲斐がありました。

DD++ 「端や隅が絡むと面妖な伏線手が登場しやすく、難しくなりがち。良作揃いなのに解答者が減ったりしないことを祈るばかりですね」

■確かに序盤の端の手は難問になりますね。解答者20名越えでほっとしてます。

斧間徳子 「今月はいつもより骨はあったけど、レベルの高い3作で楽しめました」

■推理将棋の醍醐味を楽しんでいただけましたか。次回も結構骨がありますよ。

孔明 「今回は初級も中級も難しかったです。現状では上級はとっかかりも掴めてません (-_-;)」 「(1時間後)連続メールすみません。上級はとっかかりも掴めないと書いた後に考えてたら解けてしまいました」

■一旦送信すると、頭がすっきりしてスイッチが入るのかも。

波多野賢太郎 「今回も相当悩みましたが、ヒントなしで解けたので自分としては上出来です。隅に打つ遠見の角はやっぱりインパクトがありますね」

■今月は難しく、ヒント前の解答は立派です。

Pontamon 「今月は難しくて中級、上級とも無駄合いのある手順しか思い浮かばず、必勝定跡のヒント待ちでした」

■行き詰まったときはしばらく寝かすのも一つの方法。

小山邦明 「端を条件に入れると、難易度が増すのでしょうか?今回はどれも大変すばらしい作品だと思いました」

■序に端の伏線手が入るのは、難問になりがちです。

諏訪冬葉 「今月はヒントに頼りすぎました」

■おおいに頼ってくださって結構です。

はなさかしろう 「今回は端がらみの遊び手(無駄手)条件特集ですね。遊び手が入ると手数から予想されるよりはシンプルな詰め上がりになるはずですが、遊び手条件は詰み形を推測するのに役に立てにくいため難しいかも。以前は特に、個人的に苦手感が結構ありました。
作問の方では最近は心惹かれる手順を見つける度に既視感を感じてしまい、相当変な条件でもない限り自分が過去見たであろう範囲(本サイトとmixi)を検索するのですが…記憶があてにならず、もどかしいことが多いです」

■既視感のある手順、10手以下の短編だと先行作があるのはざらですが、12~15手ぐらいの手数だと返って既往手順かどうかの難しいですね。

隅の老人B 「明日出来る事は、今日はしません。そんな爺さんが締め切り間際の解答書き。街路樹の公孫樹は黄葉、そして落葉。これで今年の秋も去くか、です」

■時の流れは速く、今日やらなければならないことを明日に積み残す日々が続いています。うらやましい限り

たくぼん 「3作ともしっかりとした狙いがあり素晴らしい作品群でした」

■ありがとうございます。このような感想をいただけると心強いです。

S.Kimura 「今回は難しく,全問ともヒントを見て何とか解くことができました」

■次回も難問がありますが、ヒント使って解いてくださいね。

はらたっと 「1問だけ送ります。会議中ヒラメキ作戦失敗! 答え楽しみにします」

■会議中に閃かずアイデアが出ない・・・よくあることです。


推理将棋第83回出題全解答者: 21名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  孔明さん
  小山邦明さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  DD++さん  時風瑞季さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  変寝夢さん  Pontamonさん  まささん  ミニベロさん
  渡辺さん

当選: 小山邦明さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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