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大道棋よもやま話 第24回 コンピュータの活用

[2014年11月25日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。

関連情報: 大道詰将棋よもやま話  ドキドキストリート (おもちゃ箱


詰将棋パラダイス 2014年6月号掲載
大道棋よもやま話  第24回 コンピュータの活用  加藤 徹

 5人のプロ棋士と5つの将棋ソフトが対戦する将棋電王戦が、今年も3月から4月にかけて行われました。ニコニコ生放送で全局生中継され、最終局はのべ70万人以上が観戦する大きな盛り上がりを見せました。

 昨年の1勝3敗1分の敗北を受け、今年は必勝を期して屋敷九段を大将にパワーアップしたメンバで臨んだプロ棋士側。しかし、結果は1勝4敗と今回も棋士側の敗け。谷川会長もソフトの実力をプロ棋士中位以上と認めざるを得ませんでした。

 電王戦の情報は、おもちゃ箱コンピュータ将棋のコーナーでまとめていますので、棋譜や報道など興味のある方は、ごらんください。

 屋敷九段に勝ったponanzaは、電王戦に先立ち行われた「勝てたら賞金百万円」で、ノートパソコンでアマ強豪166人の挑戦を受け全勝しています。

 機械や技術は人間が豊かな世界を築くために活用するもの。そろそろ将棋も「人間対コンピュータ」という構図から脱却すべき時期なのかもしれません。

 詰将棋では、1968年に初めて詰将棋を解くプログラムが開発された頃に、週刊誌でコンピュータと人間による短編詰将棋を解く競争が行われたことがありました。

 その後1990年代に急速な進歩をとげ、現在ではソフトの解答速度は人間をはるかに凌駕しています。

 ところが、ソフトによる詰将棋の創作は、いろいろ研究されてきましたが、人間を感心させるような詰将棋を生成することはほとんどできず、人間には遠くおよびません。

 人間の脳とコンピュータは処理方式が全く異なり、それぞれ違う得意分野があります。ならば、人間とコンピュータが協調しておもしろい詰将棋を創作することを考えればよいのではないでしょうか。

 詰将棋作家の将棋ソフトの利用は、現在は検討(余詰チェックなど)が中心ですが、それだけでも非常に大きな効果があって、解答・検討能力に優れた柿木将棋が詰将棋作家の必須ソフトになっています。創作活動全般にソフトが活用できるようになったら、もっと多くの人が詰将棋を創作できるようになったり、新次元のすばらしい詰将棋が生まれてくる可能性もあるかも。

 といっても、創作支援ソフトが現状存在しているわけではないので、昨年末ぐらいから、自分でプログラミングしながら詰将棋を創作することを試みています。今回の懸賞詰将棋はその中で創作(発見)したものです。

◇大道棋23 小山邦明 正解

Y023

93金、同玉、63飛、73桂合、85桂、92玉、62飛成、72桂合、93歩、83玉、
 72馬、74玉、73馬、85玉、97桂、96玉、66龍、76桂合、95馬、87玉、
 86馬、98玉、76馬、87歩合、同馬、同玉、96角、98玉、68龍、97玉、
 88龍、96玉、86龍迄33手駒余り。

54飛は、64歩合、同飛、84角、同金以下手は続くが逃れ。
これ以降はいろいろな詰みあり。

香合は、85桂、92玉、62飛成、72桂合、同龍、82銀合、同龍、同龍、
 93歩、81玉、92銀、同龍、同歩成、同玉、93飛、81玉、73桂、同角、
 83飛成、82金合、93桂以下29手。
銀合は、74馬、97玉、89桂以下

 形から横からの飛打と即断しそうで93金から63飛は非常に考えにくい。73桂合から72桂中合で結局追い出して詰むが、この詰筋を初めて実現したことに価値がある問題。

 作意解は僅か3名。収束乱れが大きいので、31手以上の解答は変別解を含め正解として扱った。

竹中健一「これは難しいです。初手が見えなくて…その後も難解です…」

★全短評をおもちゃ箱で掲載。

◇解答者 14名 正解10名
【正解者】 (省略)
【当選者】 (省略)

◇懸賞詰将棋 大道棋24 eureka

Y024

 コンピュータ支援といっても問題はオーソドックスな香歩問題。

 解答は6月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。

 正解者から抽選で1名に加藤徹好形大道棋50番「ドキドキストリート」などを贈呈。


注1)第3回将棋電王戦の情報はこちら。

注2)創作プログラミングでの香歩問題創作についてはこちら。

注3)上記の大道棋23の解説および全短評はこちら。

注4)上記の大道棋24の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。

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