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推理将棋第83回解答(2)

[2014年11月29日最終更新]
推理将棋第83回出題の83-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第83回出題  推理将棋第83回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


83-2 中級 ミニベロさん作  三捨利警部の推理・凶器は隅に 11手

警官「警部起きてください、11手詰の事件です」
警部「冬眠中なんだがな。どれ」
警官「8手目は飛車で端の手だと判明しています」
警部「それだけでは推理のしようがないよ」
警官「とどめの凶器は、隅の空間に着手されています」
警部「隅の? それじゃ犯人は隅の老人さんだな」
警官「警部、真面目にやってください」
警部「すまんすまん。だが8手目の謎は解けたよ」

さて、どんな手口だったのでしょうか。推理してみてね。

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • 11手目は隅の空間への着手(つまり、駒を取る手は×)
  • 8手目は飛車で端の手

出題のことば(担当 NAO)

 隅に空間を開ける1手を推理しよう。

追加ヒント

 8手目は12飛。とどめは99の隅に角打ち。


推理将棋83-2 解答  担当 NAO Suiri832

▲7六歩    △3四歩    ▲2二角成  △4二玉   
▲2一馬    △3三玉    ▲9八香    △1二飛   
▲4三馬    △2二玉    ▲9九角 まで11手

条件
・11手目は隅の空間への着手(99角)
・8手目は飛車で端の手(12飛)

「とどめは隅」がテーマの作品。
4カ所ある隅のうち、最も使えそうなのは11。次が99と91。残りの19は使いにくそう。各隅で使える駒は、11か99なら角、91なら飛と決め打ちできます。作意は"とどめは11角"と見せかけて実は"とどめは99角"でしたが、作者名から"隅とは11以外"と裏読みされた強者もおられました。

初めに作意の11手目99角で詰ます手順から解説します。
必要な手は先後それぞれ、
先手:76歩~22角(成)~角(馬)の筋をそらす手~98香~99角打、+α;
後手:34歩~42玉~99角筋に入る玉の手(33~44か22)~端飛車(12,92)
先手が角(馬)筋をそらせながら後手玉が99角の筋(11~88)に入るのは連携がよさそうです。手順を整理すると
「▲76歩 △34歩 ▲22角(成) △42玉 ▲21馬/▲31角(馬) △33玉 ▲98香/▲α
△12飛/△92飛 ▲98香/▲α △β ▲99角まで」
ここで角筋の33玉は、43歩があるため33のままでは詰まないことに着目すると、"44玉と上がる"あるいは"43歩を消す"のいずれかが必要です。

44玉を角筋で詰ますのは短編推理将棋でよく見る形。ただし、35,45,54の退路塞ぎが難しく角を使わないと3手ぐらいかかりそう。本条件では先手の余裕手αが1手だけなので44玉を11手目99角で詰ますのは困難です。

43歩を消すのはどうか。22角成~21馬~43馬で可能ですね。玉は99角筋のまま33から22に移動し、12の退路塞ぎは12への端飛車がぴったり。8手目12飛と10手目βが22玉に確定。そして99隅に空間を空ける98香は玉が33にいる7手目に着手します。
5手目以降「▲21馬 △33玉 ▲98香 △12飛 ▲43馬 △22玉 ▲99角まで」

次に、"11角で詰ます順"はないのか。補足します。
最終玉位置を33とすると、必要な手は先後それぞれ、
先手:76歩~22角(成)~21馬か31馬~11馬か11角打、+α;
後手:34歩~42玉~33玉~12香、+β。
ここでα、βは未確定ですが、33玉が詰むには24,42への退路塞ぎと22への飛銀の利きを消す手が必要になります。たとえば、前回出題「82-2端銀戦法」の手順「▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △42玉 ▲31角成 △33玉 ▲15銀 △42金 ▲22角 まで9手」をアレンジして「▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △42玉 ▲31角成 △33玉 ▲15銀(=α) △42金(=β) ▲XXXX △12香 ▲11角 まで11手」のような手順が考えられます。この例ではαが15銀(25,35)、βが42金(52,62,72金銀)になります。ところが、後手の「8手目端飛車」着手の余裕がありません。βを8手目92飛に変更するとどうでしょう。先手に1手余り手がありますが、飛車の横利きを止める手段はなく、結局11角で仕留めることができないのです。

最後に、"91飛で詰ます順"はどうか。修正前の"8手目は飛車"では、はてるま手筋の応用で詰む余詰手順がありました。

  • 修正前の「8手目は飛車」で"端の手でない飛車"の余詰手順は次の通り。
    ▲76歩 △54歩 ▲44角 △52金右 ▲71角成 △42金上 ▲81馬 △72飛 ▲同馬 △92香 ▲91飛まで (後手2,4,6手目の手順前後、42の金銀非限定あり)
    2段目で飛を取らせ81~61を通す72飛~同馬がぴったりです。
  • 「8手目は飛車で端の手」の修正により91飛の筋はなくなりました。表現上は"端の手"を追加するだけのシンプルな変更でよかったのですが、12飛を明かすようで味消しにならないか心配しました。しかし、単なる余詰め消しでなく、ほどよいヒントになったこともあって巧い修正となりました。

ミニベロ(作者) 「9一飛の筋は消したつもりだったんだけど、7二飛には参った。申し訳ありません」

■余詰指摘はDD++さんとはなさかしろうさんからいただきました。出題直後に連絡いただいたので影響が少なく助かりました。担当は本作を解いてみしたが、種々手を尽くした後、作意解が先に見えたので91飛の筋には気づきませんでした。検討力不足をお詫びします。

それではみなさんの短評をどうぞ。

まさ 「雄大な手順」

■7手目98香~8手目12飛が雄大さを感じさせます。

DD++ 「いかにも11角で詰ませたい条件だからこそ本命99角対抗91飛で挑戦。ところがそれが当たっていたのが裏目に出て、11角を読めば真っ先に思いつく21馬33玉を見落として散々でした」

■それに続く43馬~22玉とセットで考えないと見落としますね。

斧間徳子 「とどめは11角打か11馬と思って苦戦。99角打はこの少ない条件では手順を限定できないと思って深く考えなかったのですが、8手目端の飛車という条件だけで限定できているのに感心しました」

■形だけなら12飛の代わり12香もありますが、1条件で限定できないんです。

波多野賢太郎 「この問題が今回では一番悩みました。原因は、最後は1一で詰みなんだと思い込んでしまったからです。そのため8手目の飛車の手の意味もなかなか分かりませんでした。まさか9九だとは…。8手目に端の条件がつかないとどんな余詰があるのかは考え中です」

■ヒント前に99角を発見できれば、上級の実力十分です。

孔明 「始めはトドメを▲1一角と想定してました。すると▽1二香と飛車の横利きを止める手が必要で端に飛車を寄る手が指せずダメ。次に▲9九角を想定してやってみると今度は4三の歩によって最後に合い駒ができてダメ。
半ば諦めた状態でヒントを待っていました。ヒントの▽1二飛が何故▽9二飛じゃないのかを考えていたら詰み場所が3三ではなく2二だとわかり、同時に▲4三馬を発見してようやく解けました」

■ほどよいタイミングでのヒント投入でした。

飯山修 「5手目銀を取るか桂を取るかが岐路であるが隅は11だと思うからどうしても銀に手がかかる」

■31馬で42の退路も塞ぎたくなります。

加賀孝志 「うまくヒントで手を限定している」

■ヒント以前の条件だけで限定できています。ヒントは解答への助け船ですが、もしヒントで限定できていない手順があれば余詰になりますのでご連絡いただけると幸いです。

Pontamon 「ヒントを見ても手筋が浮かばず一番難しかったです。(91角打ちだと勘違いしたせいもありますが)8手目を92飛で、22飛の無駄合いができる手順は見えてるのに、残り数手の変化が何故見えない。トホホ」

■33玉に11角で詰ませる形。ほとんどの皆さんが挑戦されて失敗したはず。

小山邦明 「収束の形が予想しにくい難問でした」

■12飛~22玉の形が不思議です。32と21に効かす43馬が光っています。

諏訪冬葉 「ヒントの飛車の位置から玉の位置は22と予想。邪魔になる21桂と43歩を消すことを考えたら初級より簡単に解けました」

■端の手が12飛と分かれば簡単でした。

はなさかしろう 「1九はまず無理として、他の3ヵ所はいずれもあと一歩の順がたくさんあり、的が絞れなかったので、裏推理スイッチON。6手目までの進行は大本命ですが、▲9九角までの形は△4四玉との組み合わせばかり考えており、▲4三馬―△2二玉と体を入れ替え、飛車の手を活かす順はなかなか浮かびませんでした」

■条件だけ見ると無駄手のような端飛車ですが、玉退路を塞いでおく手順でした。

隅の老人B 「月初めに解いて、締め切り間近の19日に感想書き。どこで苦労したのかを忘れちゃった」

■容疑者扱いされてしまいましたが、それも忘れてくださいね。

渡辺 「最終手の位置を作者名から推理するのは反則でしょうか?作者名が伏せてあったら苦労したかも」

■作者ミニベロさんなら最終手が11角でないとの読み。もちろん反則ではありません。鋭い読みでした。

占魚亭 「99角迄と決め打ちしたのでそれ程悩みませんでした。21馬~98香の3手がポイントですね」

■8手目12飛と11手目99角を可能にする準備でした。

たくぼん 「最後まで残ったのがこれ。44玉型ばかり考えてました。仕事でフェリーに乗っているときに12飛の意味を考えてピンと閃きました」

■移動中は閃きやすい。でも、車を運転するときは解図禁止です。

S.Kimura 「11か91に角を打つことばかり考えていたので,ヒントなしで99角は思い浮かびませんでした」

■12飛はともかく、99角を明かすのはサービスしすぎかと思いましたが、そうでもなかったんですね。

鈴木康夫 「最終手99角で詰んだら面白いと思いましたが、現実的ではないと捨てたためヒントを見るまでは手も足も出ませんでした」

■中級でも難問になるときもあります。ヒント待ち定跡でいきましょう。


正解:19名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  孔明さん
  小山邦明さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  DD++さん  時風瑞季さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  Pontamonさん  まささん  ミニベロさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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