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推理将棋第84回解答(1)

[2014年12月26日最終更新]
推理将棋第84回出題の84-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第84回出題  推理将棋第84回解答(1)  (2)  (3)
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推理将棋第84回解説  担当 NAO

担当を始めてから気になっているのは解答者数。第81回以降の解答者数は18名、21名、21名、そして今回は17名とちょっと減りました。当面の目標は解答者20名を維持することですが、多少難しくても良問を出すか、平凡だか無難な短手数の易問を出すか、巧く難易度バランスを保ちながら解答者を増やしていくのが担当の悩みどころ、いや、腕の見せどころです。


84-1 初級 NAO作        リッチな輝き    9手

「さっきの将棋どうだった?銀の手の後に金の手を2回見たけどその後盤面がキンキラキンに輝いて眩しくてよく見えなかったよ」
「結局9手で詰んだ。君の見た金の手2回の後にも銀の手を3回も見たよ。駒がギンギラギンに輝いていたね」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 銀、金、金、銀、銀、銀の順番に金駒の着手があった

出題のことば(担当 NAO)

 金駒以外の手は3手だけ。どの駒をどこで取ってどこに打つか推理しよう。

追加ヒント

 先手は5手目に銀を取り7手目に銀打ち。後手は銀金金銀の順に着手。


推理将棋84-1 解答 Suiri841

▲7六歩    △3二    ▲3三角成  △4二   
▲3二馬    △3三    ▲3一    △6二   
▲4二成  まで9手

条件
・銀、金、金、銀、銀、銀の順番に金駒の着手(・・・32銀・・・42金・・・33金 31銀 62銀 42銀成)

担当からの9手詰1条件の作品。見慣れない金銀着手の順序を指定する条件ですが、理詰めに解いてもよいし、試行錯誤しながらでも容易に解ける初級問題として思いの外、好評をいただきました。

9手詰で金駒を6手指すとすると、金駒以外の手は3手だけ。先手は、指せる5手の内、銀を取るのに歩と角で3手要するので、残りの2手で銀を使うしかありません。また、後手は指せる4手の全てが金銀に限定されます。

「▲76歩 △XX銀 ▲33角 △XX金 ▲(銀を取る) △XX金 ▲XX銀打 △XX銀 ▲XX銀」

4手目で王手を防ぎつつ、銀を取る5手目が王手にならないような手を選ぶとすると、2手目△32銀から▲33角成△42金▲32馬が確定します。42金の守りは強力ですが、6手目△33金と移動させて無力化すれば、残りは銀の手の3手詰。▲31銀打△62銀▲42銀成まで。

金銀着手6回で9手で詰む手順は全部で何通りあるでしょうか?
実は65万通り以上ある9手詰全手順の中で、金銀6回着手はわずか8通りだけ。その内訳は金2回銀4回着手が本作とその手順前後で4通り、金3回銀3回着手が4通り。各手順は紹介しませんので興味のある方はご研究ください。

それではみなさんの短評をどうぞ。

斧間徳子 「金取り~金打ちがないとなれば、邪魔な金は33にどいてもらうしかない」

■6手目33金が急所でした。

ミニベロ 「9手中6手が金銀。あとの3手は先手が銀を取るのに必要。となると玉が動く暇がないので居玉が決定。以下は条件に沿って考え33金を発見する。なるほど、推理将棋はこうやって論理的に解くものなのか」

■本作はロジカルに解けます。

孔明 「比較的自由に指せる3手を全て先手が金駒を取るのに使わないといけないので後手玉が動けず、途中4二に合い駒をするんだとわかったら解けました」

■玉の手が指せないので、先手角で42の駒を取る手がないんですね。

小山邦明 「金銀の動きは連続でなくて良いのですよね」

■はい。"連続で"と表記がありませんので。

Pontamon 「金気だけで6手。後で使う銀を取らないといけないので角で42の銀を取ったら王手の応手が必要。あれっ?ってことで33角成に気付く」

■試行錯誤で手順を追っても、2~3回で解にたどり着けるはず。

DD++ 「暗算で解いていたら、33が空いているのに気付かず少し考えてしまいました。1条件なのに取り組みやすく、初級として素晴らしい問題」

■前担当のDD++さんに1分間考えさせることができれば成功です。

S.Kimura 「取らせれば良い金を33に逃がしておくのが面白いですね」

■もう一方の金を動かすと玉の逃げ道が空いてしまいます。

占魚亭 「条件を勘違いしていたので苦戦。33金が盲点でした」

■形だけなら動かなくてもよい金を動かす不思議な展開でした。

飯山修 「33角から侵入のパターンの9手はすぐ掘りつくされると思ったけど結構続くものですね」

■76歩~33角の手が入る9手詰手順は15万通り以上あるそうです。まだまだ掘っていきましょう。

波多野賢太郎 「これは3三金の一手が閃いてすんなり解けました。問題の会話がちょっと面白かったです」

■会話文がウケるとうれしい。

渡辺 「5手目まではほぼ必然だが並べてみないと6手目が気付きにくい」

■ベテラン熟練者も盲点になりやすい33金でした。

加賀孝志 「ヒントの出し方もアイデア」

■条件は骨格。ヒントは助け船。後手着手の銀金金銀はヒントで明示しなくとも導かれるはず。

はなさかしろう 「豪華絢爛、銀金金銀銀銀。ちょっと手を出したくなる条件で、でもこれしかない手順。金は斜めに誘うべしで空成までと、意外にストイックなのでした」

■見た目豪華でも手順は渋め。

隅の老人B 「6手目の33金が謎を解く鍵。解ければ「なあーんだ」、これが推理将棋ですね」

■密室、いや42に空室を作る鍵でした。

諏訪冬葉 「玉を動かす暇がないので最初の5手はすぐ確定。33金が想定外の動きでした」

■5手目迄すらすら進み、6手目で考えてもらう狙い通り。

鈴木康夫 「銀は33から打つものとばかり思ったので、7手目から少し苦労しました。ライバルが登場したので久しぶりにプログラムにも解かせてみました。探索局面数1021718899 所要時間4022秒」

■こちらは、9手詰全手順リストからのテキスト検索。「銀、金、金、銀、銀、銀」のテキスト検索なら約5秒。金駒6回使用条件なら8通りの検索時間が約10秒でした。この手が使えるのは9手詰だけなので、計算機解答(検討)は大歓迎です。

たくぼん 「発想が面白いですね。難易度もちょうど良い1番でした」

■作者の立場で見ると難易度まったく不明でした。


正解:17名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  孔明さん
  小山邦明さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  Pontamonさん  ミニベロさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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