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推理将棋第85回解答(4)

[2015年1月31日最終更新]
推理将棋第85回出題の85-4の解答、第85回出題の当選者(孔明さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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85-4 中級 はなさかしろうさん作  ひつじといえば  11手

「あけましておめでとう! ちょうど指し初めしたところだよ。棋譜見る?」
「謹賀新年! 今年も気合十分だね・・・お、元日らしく、11手で詰みか」
「もちろん。それから、初期位置の2ヵ所を含む盤上計7ヵ所に角を出没させてみたよ」
「え? 未だからツノって…こじつけ!? 羊といえば、ウールだと思うけど」
「ううむ。それなら、最終手が27の地点への着手ってことで、どうかな?」
「ははぁ。今年の指し初めはこの詰め上がりがめじろ押しかもね」

さて、どんな将棋だったのだろうか

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • 角が盤上にいた地点は初期位置の2ヵ所を含めると計7ヵ所
  • 最終手は27地点への着手

出題のことば(担当 NAO)

 角が出没するのが6カ所でも8カ所でもない理由を推理しよう。

追加ヒント

 角の居た場所は22と88のほか、先手が3カ所、後手が2カ所。後手角は26で取られます。


推理将棋85-4 解答  担当 NAO Suiri854

▲7六歩     △6二玉    ▲3三角不成 △7二玉
4二角不成4四角    ▲5三角成   △2六角
▲同 歩     △6四歩    ▲2七角まで まで11手

 

条件
・角が盤上にいた地点は計7ヵ所(先手:88、33、42、27、後手:22、44、26)
・最終手は27地点への着手(27角)

最後の出題は、"27"と正月の"11"を年賀条件に取り挙げ、角が大活躍する作品です。

・角が盤上にいた地点が7カ所というのが解答者の意表を付く条件でした。
7カ所は元の位置の22と88を含み、残りの移動地点と打つ場所が5カ所。角の手を最低5手指さなくてはならないので、最終手は27の角しかありません。角の着手回数ではなく、角のいた地点のカ所数を条件としていることには注意を要します。
27角。遠見の角筋は54,63,72とありますが、63は退路塞ぎが困難なので、11手で詰む形は54玉型か72玉型のいずれかです。

ここで、離し角で詰む9手詰手順をお復習いしてみましょう。

  • 54玉型:「▲76歩 △52玉 ▲33角不成 △64歩 ▲22角不成 △63玉 ▲66角成 △54玉 ▲36角まで(一例)」
    この手順では角の手が先手4回の後手0回。角が盤上にいた地点は、88, 33, 22, 36の4カ所だけ。22角を取る手ではカ所数が変わらず、角成りの66地点も数えられません。
  • 72玉型:「▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △62玉 ▲44角不成 △72玉 ▲53角不成 △64歩 ▲36角まで(一例)」
    この手順では角の手が先手4回の後手0回。角が盤上にいた地点は、88, 22, 44, 53, 36の5カ所。

72玉型の方が角5カ所で7カ所に近いが、2手長い11手とすれば角7カ所ができるでしょうか。しかも先手は27角を打つ前に邪魔な歩を突く必要があり、一見手数が合わないように思えます。72玉型の9手詰手順から先手は36角の代わりに26歩~27角打、後手は1手余分に指せるので後手が早めに角を動かしてみます。
「▲76歩 △34歩 ▲26歩 △44角 ▲同角 △62玉 ▲53角不成 △72玉 ▲16角(35角不成) △64歩 ▲27角まで」
この手順はどうでしょうか。角の手は先手4回、後手1回で計5回になります。一見巧くいったようですが、角のいた地点は6カ所だけ。44同角では着手地点が増えないのでした。

  • 先手が角以外の駒で後手角を取る手順を考えましょう。注目すべきは27角打の前に突く26歩。26歩の前に後手が44角~26角と差し出せば後手角の着手地点を2カ所増やすことができます。ただし、この手順で後手は34歩を突く暇がありません。
    「▲76歩 △62玉 ▲33角不成 △72玉 ▲42角不成 △44角 ▲53角不成 △26角 ▲同歩 △64歩 ▲27角まで」
    後手玉が早逃げして先手角が33~42~53と裏から回る間、後手角が44~26で9手目の26同歩に間に合います。
  • これで、安心してはいけません。角の手は先手4回と後手2回。角のいた着手地点は? 22と88を合わせて8カ所あります。実は7手目は▲53角成が正解です。7手目より「▲53角成 △26角 ▲同歩 △64歩 ▲27角まで11手」角の着手回数を変えずに、角のいた地点を1回減らして、角7カ所が達成されます。強豪2名が最後の落とし穴に躓かれました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「ひつじの角は巻いて2本、なのですが、強引に27に合わせたら一方が馬になってしまいました…9手の手順プラス2手です。問題が被らなかったようで良かった」

■最終27着手の11手詰の類作を覚悟していましたが、幸いカブリませんでした。角の着手回数でなく、角のいた地点が何カ所かを指定しているのが珍しいちょっと考えさせる年賀詰の好作でした。

ミニベロ 「こんな簡単な仕掛けに裏をかかれました。この詰形には成は必要ないという先入観がいけない」

■一見8カ所は困難に思えるだけに、居た地点数オーバーにはうっかりしそうです。

渡辺 「巧い条件の秀作。これで年賀詰とは参った。この条件では玉が54に行く暇は無いので72になる。53歩は角の軌道上なので取れば62の塞ぎにもなって丁度良い、26歩が角取りと27の場所空けの一石二鳥の手となるように角の場所を増やすと自然に手順まで決定。頑張って角の場所を増したら8つになってしまってどうしよう?と暫く悩む。あ、成れば良かったと一時間後に気付く」

■いた場所数あわせの単純な仕掛け。1時間も悩ませて解いてもらえば大成功。

Pontamon 「条件から角単騎か2枚角で72玉を詰める形。作意の急所だと思った△26角での駒渡しをクリアして解けたと思ったら角の着手が6回で8箇所。▲53角を成って盤上では馬にするのがミソでしたか。99%解けていたのにそれに気付くまで2時間、角を同角で取るとか、同じ地点への角の時間差着手の手順等でハマってました」

■やはり2時間考えましたか。

飯山修 「6箇所が沢山ある中どうしても1つ増やすには26角と思いこの順を発見したが8箇所になってしまった。1つ減らす為に53角成にしたが、これが正解なら作意を8箇所にすると思うので正解の自信なし」

■皆さん、ツボで悩まれているようです。7カ所指定は絶妙の条件といえるでしょう。

DD++ 「通常の2ヶ所を含め7ヶ所に角がある羊というのはなかなかに名状しがたい姿をしていそうな感じがします」

■想像も及ばない魑魅魍魎か。意外と妖怪ウォッチで出てくる可愛い系のキャラのような気もします。

鈴木康夫 「プログラムで解かせました。局面8279373018 所要時間76625秒。
自力でもほぼ解けました。最終手は27角はほぼ明らか、後手玉を54、63、72と順次後退させて正解、のつもりが、プログラムは7手目成を解答。バグを仕込んだか?と思いましたが角の位置を数えてみるとこちらが正解。間違っていたのは自力解答の方でした」

■やはり、数え違いましたか。プログラムは強力ですね。

占魚亭 「96歩97角の順がダメなので素直に76歩33角不成の順で考え直しました。成れることを完全に失念」

■33の歩を先手から取ってやらないと後手の手数が不足します。

隅の老人B 「角のいた地点は7カ所、8カ所としない処が憎いな。条件が8カ所なら余詰があるの?」

■条件8カ所でも余詰はありません。年賀の2+7に合わせたものですが、7カ所としたおかげでたぶん正解率は下がりました。

諏訪冬葉 「ヒントから後手の角でない手は3手、27角で詰むならその3手は62-72玉と64歩くらいしかない。とすると後手の33歩は先手が消す」

■その通り、後手が2回角を動かすためです。

波多野賢太郎 「これで一応角の出没場所は7ヶ所という条件には合っているつもりですが、5三が角成なのでちょっと自信がありません。2七角までの詰上がりなら、5三も馬ではなくて角のままでも良さそうですが…(もちろん、5三角不成なら角の出没場所は8ヶ所ですけど)」

■年賀詰でなければ、不成で統一するのが普通でしたか。偶然かもしれませんが7カ所としたのは謎解きの要素を深めました。

S.Kimura 「ヒントを見なければ,この詰み形には気付かなかったでしょう」

■26で取らせる手順はなかなか見えません。

小山邦明(無解) 「残念ながら、推理力不足で解けませんでした。解説を楽しみにしています」

■72玉で9手詰の手順をお復習いしましょう。

斧間徳子 「26歩が単なる歩突きでは手数が足りないので、角取りを兼用させる仕掛けですね」

たくぼん 「最終地点が27だとこの詰上がりが1番に浮かびますね。お互いの角が邪魔にならないようにプルーフゲームのようなきれいな手順です」

■斧間さんとたくぼんさん、ほぼ解けていましたが角が8カ所に出没する7手目53角生の解答でした。ご両名とも実力者なので敢えて×としました。


正解:12名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  占魚亭さん  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  Pontamonさん  ミニベロさん  渡辺さん


総評

斧間徳子「本年最後の4作、どれも好作で楽しめました」

■年賀詰の11手詰は長すぎず短すぎず、楽しめます。

ミニベロ 「割と早く解けたので除雪に行こう」

■除雪お疲れ様です。推理将棋は解けても、雪国の雪はなかなか溶けませんから大変ですね。

渡辺 「皆さん会話文がお上手ですね。私のが条件を喋ってるだけみたいで一番寂しいですね」

■会話文は皆さん工夫されてます。センスのいい会話は担当も見習いたいです。

Pontamon 「第86回の変則出題は長手順作品の予感がして、85回を年内に解こうと思った矢先に余詰み連絡。年賀状に書いて出してしまっているので、修正した会話の通り、元旦から条件追加の連絡をしないといけない事態になってます。(^^;
来年の年賀状に推理将棋を書くなら、論理で解けそうな85-3くらいの難度のものが良さそうですね。今回は何故か85-2が一番難しかったです」

■難易度はご指摘のとおり、85-2が最難問で85-3が最易問でしょう。年越しがテーマの2題を前半に並べました。

DD++ 「やはり11手は統一テーマでも似つかない手順になるくらい未開拓なのだというのを改めて実感」

■11手詰の年賀詰もすっかり定番になりました。ネタはまだまだつきないでしょう。

鈴木康夫 「今回は全題プログラム解答しました」

■今回は4題とも唯一解とのお墨付きをいただきました。たいへんありがたいことです。推理将棋は条件の表現が多種多様なのでプログラムも一題ずつの一品料理になりますね。単に自力で解くよりずっと大変な労力と時間を使われたことと思います。

隅の老人B 「新年早々、推理将棋4題が解けた気がする。 これで今年は良いことがあるぞ、の予感あり、です。そうそう、遅まきながら、『今年もよろしく、お願いします』」

■この調子でこれからも解答よろしくお願いします。

はなさかしろう 「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。年賀推理将棋、軽めたくさんのラインアップが楽しいですね」

■軽めに感じるのは1題投稿されているからかもしれません。85-4に手こずった解答者も少なくなかったようですから。

波多野賢太郎 「年末、そして新年早々、相当考えさせられました。でも面白かったです。しかし、よくこれだけの問題を作れるものですね。今年もメェー作が楽しみです」

■解図力も相当向上されたのではないでしょうか。創作とご投稿も期待しております。

枡彰介 「中級問題のみで一問しか解けませんでした。1月1日出題の初級二問の方が先に解けてしまいました」

■11手といえども、中級を全題解答するのはやはり難しいです。

たくぼん 「今年もよろしくお願いします。いきなり苦戦して冷や汗かきました」

■年賀詰といえども、11手詰中級4題。例月よりは難しかった。2月以降の出題ではできるだけ易問を入れていきますので、よろしくお願いします。


推理将棋第85回出題全解答者: 17名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  孔明さん  小山邦明さん
  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  Pontamonさん
  枡彰介さん  ミニベロさん  渡辺さん

当選: 孔明さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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