推理将棋第85回解答(2)
[2015年1月27日最終更新]
推理将棋第85回出題の85-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第85回出題 推理将棋第85回解答(1) (2) (3) (4)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
85-2 中級 ミニベロさん作 年越しパーティー 11手
将棋好きが数人で年越しパーティーをしているようです。
「みんなで2年越しの将棋を指そうよ」
「いいね、じゃあ6手目は銀の手を指すよ」
「あっ12時を過ぎた。2015年だ」
「平成27年でもあるよ」
「じゃあ9手目と10手目は15か27に着手してね」
「どちらも駒を打つ手にするよ」
「あらら、11手で詰んじゃった。1月1日だから勝っても負けてもおめでとう」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 11手で詰んだ
- 9手目と10手目は、15か27の地点への駒打ち
- 6手目は銀
出題のことば(担当 NAO)
15と27に打つ駒はどこで入手できるのか推理しよう。
追加ヒント
9手目15に駒を打って10手目27に駒打ち。打つ駒はいずれも2筋で入手します。
推理将棋85-2 解答 担当 NAO
▲2六歩 △2四歩 ▲2五歩 △同 歩
▲同 飛 △6二銀 ▲2二飛成 △5二金左
▲1五角 △2七歩 ▲3一龍 まで11手。
条件
・9手目と10手目は、15か27の地点への駒打ち(9手目15角、10手目27歩)
・6手目は銀(62銀)
年賀詰の2問目は、9手で詰む"はてるま手筋"に15と27の駒打ちを年賀条件として加えた作品です。
会話文が年越しをテーマとしていたので、前半の2問目としましたが出題4問中の最難問でした。主要な条件は年賀に絡めた15と27の駒打ち。結局これら二つとも詰みには関係ない駒打ちなので、詰め手順が浮かびにくく推理力を試される1問でした。
推理の鍵は、次の2点です。
(1)9手目と10手目の駒打ちなので双方とも駒取りの手があってその駒を打つ。
(2)27に打つ手があるので、先手が26歩と突いて27地点を空ける。
これを手がかりに、初手26歩から入っていきます。初手から「▲26歩 △24歩 ▲25歩 △同歩」歩を交換すると、後手が4手目に歩を入手することができます。そして、「▲25同飛 △XX銀」とすると『22飛成~31龍』の"はてるま手筋"が見えてきます。
5手目から「▲25同飛 △62銀 ▲22飛成 △52金左」ここで、▲31龍とすれば1手詰ですが、先手後手双方が持駒を持っているので、9手目1手詰の局面から▲15角打、△27歩打と詰みと関係ない2手を指して▲31龍で詰み。
※26歩~31龍で詰む形の"はてるま手筋"9手詰は6通りあり(62地点への着手が飛金銀の3種。6手目と8手目の手順前後可)、その一つが第51回の練習問題に出題されています。
(参考)推理将棋第51回練習問題
「さっきの将棋、▲26歩△24歩▲25歩△同歩▲同飛△62金まで見てたけどどうなった?」
「9手で詰んだよ、って言えば残りの3手は分かるよね」
さて、残りの3手はどんな手だったでしょうか。
それではみなさんの短評をどうぞ。
ミニベロ(作者) 「例の9手+2手の簡単作。とはいえ76歩から入ると結構大変かも」
■詰手順を表に出さず、その詰手順だけが実現可能な無駄手二つを条件とした試みは斬新で年賀条件とぴったり合致しました。、が、解くのは容易ではありません。初手76歩からの角活用を読んで迷宮に入った方も多かったのでは。
孔明(無解) 「あと1手足りずになかなか解けません」
■初手76歩から角を使われましたか?それでは足りませんね。
斧間徳子 「15も27も無駄手とは、正月早々、意地の悪い問題ですなあ」
■無駄手2手を条件にすると本手順が限定されてくる高度な仕組み。解く方は大変でした。
渡辺 「これだけ少ない条件の駒打が両方詰に関係ない手というのが面白い。歩は元々二歩で打てないので持駒消しの意味はない。有名9手に年賀用の無関係な2手を加えてしかも少ない条件成立しているとは」
■詰みと無関係の手を主条件として、詰手順を限定させる妙技でした。
Pontamon 「27への駒打ちは無駄手だとは思ってたけど、まさか▲15角も無駄手だったとは!! 41玉に15角と頭金での詰み筋があるだけに、どうやったら飛の横効きを消せるのかばかりを考えていました」
■15角と頭金の形は手数が掛かりますね。
飯山修 「2手の無駄手シリーズですね」
■豊富な9手パターンの知識を使った巧み技。創るより解く方が難しい。
DD++ 「これで27の駒打ちとか絶対詰みに関係ないだろうに、と思ったら15角すらも全然関係なくて、なんというか、もう笑うしかない」
■年賀詰で初笑いとは、素晴らしい。
鈴木康夫 「プログラムで解かせました。局面2820925688 所要時間1327秒」
■心強い計算機検討。本問もお墨付きいただきました。
占魚亭(無解) 「ギブアップです。全く分かりません」
■やはりむずかしかったか。お年玉の追加ヒントが要りましたね。
隅の老人B 「どうして、この時点で、こんな処へ駒を打つの? 不思議な手順ですね」
■9手目1手詰を詰まさず、10手目1手詰を受けず。
諏訪冬葉 「4問で一番迷いました。まさか15角が無駄手とは・・・」
■無駄手が二つもあるとは驚きました。
はなさかしろう 「'15(H27).1.1の年賀盛り合わせですね。15角が活きる展開を目指したくなりましたが27への駒打ちはハードルが高かった。意外と速い2筋交換で解決です」
■26歩に手が伸びれば早い。
波多野賢太郎 「これも難しかったです。9手目、10手目が詰みには関係ないとは思ったんですが、6手目の銀は3一の銀の手だとばかり考えてしまいました。しかし、1五角に2七歩とはよく考えたものですね」
■第一感で二つとも無駄手と推理されたのは流石です。
S.Kimura(無解) 「さんざん考えたものの,ヒントを見ても,何の駒を打つのか分かりませんでした.15には角なのでしょうが,27には?」
■ヒントで27歩を明かすべきでしたか。正解者2~3名増えたかも。
小山邦明 「自陣飛車の遅早ですね。最初は88角の活用を考え苦戦しました」
■2筋の攻防は後手が4手目に駒を取れる展開になり早かった。
たくぼん 「これは難解。26歩からが間に合わない気がして最後まで76歩を考えていた」
■76歩から入って角を使う展開も結構読まされますが、結局26歩が無駄手になって頓挫します。
正解:13名
飯山修さん 斧間徳子さん 小山邦明さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん たくぼんさん DD++さん 波多野賢太郎さん
はなさかしろうさん Pontamonさん ミニベロさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
>所要時間1327秒
他の問題の報告が何日もかかっているのと比較すると計算機には易しい問題?
投稿: 渡辺 | 2015.02.02 23:54
最初の制約が6手目と比較的遅いのに何故か短時間で解けましたね。理由はプログラム作成者にも良くわかりません。9、10手目の双方駒打が制約として大きかったのかもしれません。
投稿: 鈴木康夫 | 2015.02.11 10:23
人にとっては4問中の最難問と感じましたので、面白い結果ですね。
投稿: NAO | 2015.02.11 11:06
7手目を指し終えた時点で先手に持駒有り、8手を指し終えた時点で後手に持駒有りが効いているみたいです。
「7手目を指し終えた時点で27に先手の駒が有ってはいけない。8手目を指し終えた時点で27に駒が有ってはいけない」と言う制約を与えていて、それが利いていたのかと思いましたが、そのような制約はしていませんでした。
で、その制約を付け加えて解かせたら、局面2074581766 所要時間622秒で解答終了と格段に速くなりました。
投稿: 鈴木康夫 | 2015.02.12 19:25