推理将棋第86回解答(3)
[2015年3月2日最終更新]
推理将棋第86回出題の86-3の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第86回出題 推理将棋第86回解答(1) (2) (3) (4)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
86-3 初級 諏訪冬葉さん作 15と27
生徒「先生、新年用の問題作りました」
先生「ほう、どんな問題だい?」
生徒「15年にちなんで15手詰です。
"1、5、9手目は27にある駒を動かしました"
"4,8手目は15に駒を動かしました"」
先生「(小考)・・・あとで職員室に来なさい」さて、どんな将棋だったのだろうか?
そして、先生が生徒に言った一言とはなんだろうか?(条件)
- 15手で詰んだ
- 1手目と5手目と9手目は27にある駒を動かした
- 4手目と8手目は15に駒を動かした
出題のことば(担当 NAO)
9手目までは必然手。その後の6手で詰む基本形を推理しよう
追加ヒント
止めの一手は、お馴染みの23歩成。
推理将棋86-3 解答 担当 NAO
▲2六歩 △1四歩 ▲2七飛 △1五歩
▲2八飛 △1六歩 ▲2七飛 △1五香
▲2八飛 △4二玉 ▲2五歩 △3二玉
▲2四歩 △4二飛 ▲2三歩成 まで15手。
条件
・1手目と5手目と9手目は27にある駒を動かした(26歩、28飛、28飛)
・4手目と8手目は15に駒を動かした(15歩、15香)
生徒が先生に披露した新年用の問題。お題となる年号は平成の"27"と西暦の"15"ですが、本問は欲張ってその両方を使いました。9手目までの手順は必然手で、15手の長手数ながら年賀詰の8題中では最も易しかったのではないでしょうか。
- 27にある駒を動かす
初手26歩はこれしかなく、その4手後に27の駒を動かすには27に駒移動してその駒を動かすしかない。先手は9手目迄、26歩~27飛~28飛~27飛~28飛。
- 15に駒を動かす
4手目に15に駒を動かすには2手目14歩しかなく、その4手目に15に駒を動かすには15歩をどかすしかない。後手は8手目迄、14歩~15歩~16歩~15香。
- 残りは6手詰
9手目迄は「▲26歩 △14歩 ▲27飛 △15歩 ▲28飛 △16歩 ▲27飛 △15香 ▲28飛」と進むと、攻方は初手26歩を指しただけで、受け方も玉周りが動いていない。
実質、初手26歩で詰む7手詰基本手順。10手目以降「△42玉 ▲25歩 △32玉 ▲24歩 △42飛 ▲23歩成」まで。
7手詰基本手順の初手と残りの6手の間に無駄手を8手も織り込み無駄手だけを条件とした構成の作品は、年賀詰らしい手順の易しさが好印象でした。
- 先生が生徒に言った一言は?(作意)
先生「初手以外のヒントが全部無駄手でただの7手詰の引き伸ばしじゃないか」
出題のおまけで理詰めには解けません。作意のみ紹介します。ユニークな解答もいただきましたので、短評をご参照ください。
それではみなさんの短評をどうぞ。
諏訪冬葉(作者) 「この問題の最初の形は、『7手で詰んだ』『▲27歩を動かした』でしたが、あんまりなので無理やり15の手を入れて11手にしました。これで終わりにしておけばいいのに「あと2手でもう1回△15の手ができる」と気付いてしまったのでこの形になりました。結果、15手中半分以上が無駄手というふざけた問題になりました」
■決してふざけた問題ではなく、お祝い易問にぴったりです。8手もある無駄手条件が年賀のお題に見事に決まりました。
DD++ 「早くも私の2015年お気に入り作第1位が決定したようです。こういうおとぼけ作品は実は普通の良作作るより難しいんですよ、本当に」
■作ってみると難しいことがよくわかります。
斧間徳子 「遊び心に満ちた奇作。よくこんな手順を考えつくものですねえ」
■頭を柔らかくしないと、この発想はでてきませんね。
Pontamon 「『27にある駒』は『初期配置27の駒』の意味なのかと危うく問い合わせるところでしたが、そのままの条件で解いてみると確かに初級問題でした。テーマ実現のために過半数の着手が無駄手で、提示条件もこの無駄手のためのものだけに出来るのも、元が『初手26歩の7手詰み』の1条件の手筋ならではですね」
■実は駒を動かしてみれば、すぐ意味が分かり手順も解る親切条件なのです。
孔明 「86-3が初級と書いてある事に気付いたので先に解いてみたらすぐに解けました。無駄手の9手はすぐにわかったんですが6手の詰みが角を使うものだと思っていました。初手に▲2六歩と突いてあるので、これと合わせて7手だと気付いて納得しました。先生が言った言葉はわかりません。序の無駄手に関することだろうとは推測できますが…」
■詰手順の推理も先生の一言の推理も的確でしたよ。
波多野賢太郎 「これはやさしかったです。後半6手もすぐ思いつきました。先生は『新年だけに1.1秒で解けました。今度は11秒くらい考える問題を待ってますよ』なんて言ってたりして…」
■11秒ぐらい考える問題は常時募集中です。ご投稿お待ちしております。
はなさかしろう 「面白いです(笑)序の9手のうち有効手は初手のみ、といいますか、10手目から我に返ったように詰みに向かって走り出すのがコミカル。先生の一言は、『メェー作だねぇ……』解答待ちます(苦笑)」
■しゃれの解る先生の一言、有り難くいただきました。
飯山修 「笑いをとるのに最適」
■初笑いにぴったりの年賀詰。
小山邦明 「先手も後手も、おかしな手順が続いて面白い」
■無駄手と易しい手順のコラボが絶妙。
干シ 「私みたいな素人にもやさしい問題。面白かったです」
■15手詰が解ければ、素人ではなく立派なスイリストです。
S.Kimura 「先生が生徒に言った一言とは、『27にある駒を動かしました』ではある駒を27に動かしたのか,27に置いてある駒を動かしたのかが分かりづらいという指摘が多数ある,ということだと思います」
■ご指導ありがとうございました。(国語の先生ですね)
条件文だけ見ると、意味が3通りくらい取れそうな表現です。
・27にある駒を動かす
A: その局面で27地点の駒を移動する。
B: 開始局面での27地点の駒(歩)を移動する。
C: "ある駒"を27地点へ移動する。
占魚亭 「手順自体はやさしいですが、先生が言った一言が全く分かりません。うーん……」
■一言の答は一通りではありませんよ。作意とみなさんの短評を参照ください。
枡彰介 「指定手数で動かせる駒が一通りしかないので理詰めですぐ解けました」
■実質6手詰でしたので。
隅の老人B 「先生の言いたかったことは、『寄り道しないで、まっすぐ帰れ』じゃないかな」
■ご指導ありがとうございました。(生活指導の先生ですね)
渡辺 「15手もあって、すっきり条件の易問とは素晴しい。私が先生ならそう言いたい」
■ありがたいお言葉賜りました。(推理将棋の先生ですね)
鈴木康夫「プログラムに解かせました。局面891780333 所要時間2431秒。
先生の一言は『例の7手詰じゃないか!』だと思います」
■9手目迄一本道でも結構時間が掛かるんですね。先生の一言はプログラムでは解けませんが、ほぼ正解です。
たくぼん 「ふふふこれはお年玉ですね。ありがとうございます」
■年賀詰8題中の最易問のお年玉。
正解:18名
飯山修さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 干シさん 孔明さん
小山邦明さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん たくぼんさん つぼみさん DD++さん 波多野賢太郎さん
はなさかしろうさん Pontamonさん 枡彰介さん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
「27から駒を動かした」もしくは「27の駒を動かした」の方が良いですかね。ここなら、文章量に制限がないので、「その時点で27にあった駒を動かした」くらい長く書いても良いかもしれません。
投稿: 渡辺 | 2015.03.05 08:10