推理将棋第88回解答(1)
[2015年4月27日最終更新]
推理将棋第88回出題の88-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第88回出題 推理将棋第88回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第88回解説 担当 NAO
短手数の8手詰特集にもかかわらず2題も余詰を出ししまい、申し訳ありません。
不思議なことに、余詰があると解答者が20名突破という嬉しくないジンクスができてしまいました。
88-1 初級 孔明さん作 初めと終わりは同じ場所 8手
「たったの8手で詰まされちゃった。止めは初手と棋譜上同じ表記の手を指されたよ」
「ずいぶん、短い将棋だね」
「そういえば端の手も成る手もなかったなあ」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 8手で詰んだ
- 初手と最終手は棋譜上同じ表記の着手
- 端の手はなかった
- 成る手はなかった
出題のことば(担当 NAO)
8手目の止めの一手の場所を推理しよう。
追加ヒント
初手と最終手は48金。
修正
「初手と最終手は同じ地点への着手」
→「初手と最終手は棋譜上同じ表記の着手」
推理将棋88-1 解答
▲4八金 △3四歩 ▲5六歩 △6六角
▲5七金 △同角不成 ▲3八銀 △4八金
まで8手。
条件
・初手と最終手は棋譜上同じ表記の着手(初手と最終手は4八金)
・端の手なし(34歩~66角)、成る手なし(6手目同角不成)
- 初登場の孔明さんの作品は、初手と最終手の棋譜表記が同じ着手という取り組みやすい条件の好作品。8手詰特集の一問目にはぴったりでした。
- 先手玉周辺に初手と最終手の"同じ手"があるのは明らかなので、候補は玉周辺の駒で攻めにも強力な"金"の手であることが容易に推定されます。すなわち初手の候補は、48金、58金右、58金左、68金。最終手は当然後手が金を打つことになります。
- 初手48金~48金迄か、初手68金~68迄か?後手は足の速い角を出動させて金を取りに行き、先手は56歩~57金とそれをアシストします。金が取られた後は、48でも68でも飛銀の効きが残りますが、初手68金の場合、後で飛銀の利きを消すことができず失敗。右側の38銀が48への飛銀の効きを消すことのできる一着で初手4八金が確定します。
- 端の手なしは、端角の筋(14歩~13角~57角)の防ぎ。
- 成る手なしは6手目の限定。また、58金(初手は右か左の補助記号が付くので、棋譜表記が最終手と一致することはないが)で詰む筋もなくなっている。
※修正前条件「初手と最終手は同じ地点への着手」の余詰手順
- 7手詰手順+1手の順で59地点で金を奪う手順。48地点と68地点の双方で余詰がありました。
1) ▲48玉 △34歩 ▲59金右 △77角不成 ▲49玉 △59角不成 ▲38銀 △48金 まで。
2) ▲48玉 △34歩 ▲58玉 △77角不成 ▲59金右 △同角不成 ▲38銀 △48金 まで。
3) ▲68玉 △34歩 ▲58玉 △77角不成 ▲59金左 △同角不成 ▲78銀 △68金 まで。
また、2)、3)は3手目と5手目の手順前後も成立。
それではみなさんの短評をどうぞ。
Pontamon 「初手と最終手が同地点の条件で左右のどちらの金なのかが限定されているんですね」
渡辺 「駒成なしで初手と最後な同じなら48金か68金。38銀の1手で銀飛の利きがなくなる48金が本命で指してみれば出来上がり」
DD++ 「この8手は成らないと左右逆は詰まないんですね。この形はだいたい9手で歩成か桂成にしてしまうので絶対に左右限定が必要なものだとてっきり」
占魚亭 「48・68のどちらかですが、飛の利きを遮る必要があるので48ですね」
山下誠 「初手は、左右どちらの金を動かすかをまず考えた」
ジェシー 「『最終王手がどうやっても無理ではないか?』と思っていたら、3八銀がありました」
■飛車に近い方の銀を動かして飛銀の効きを両方消す仕掛け。これがわかって初手に右金を動かす。
斧間徳子 「『端の手はなかった』の条件が残念だが、面白い手順と好条件で8手詰の収穫」
■修正前の「初手と最終手は同じ地点」に"68玉"以下の手順を解答いただきました。この余詰順も味のある手順。
たくぼん 「初手と同じ場所で詰めるのが意外と少ないのにビックリしました。余詰は48王ですね」
テイエムガンバ(双方解) 「初手で玉と金どちらを動かすか条件を教えてください」
■余詰手順の初手は48玉と68玉。失礼しました。修正は「棋譜表記が同じ」なので、初手"金"です。
飯山修 「端の手なしという条件は角の侵入ルート13->57と66->57の余詰消しという裏読みからスタートした為すぐ作意に到達してしまった」
■8手のバリエーションは限られますので、裏読みも早い。
小山邦明 「初手と最終手が同じ表記という条件から『金』と推理して解きました」
加賀孝志 「素直な回文的手順でした」
■止めは"金"で決まり。初手も金に確定します。
波多野賢太郎 「真っ先に浮かんだのは7七角不成から5九で金を取って、4八か6八に金を打って詰ます筋でした。角を6六から5七というのがちょっと意外で、少し悩まされました」
■修正前の「同じ地点への着手」なら、それでもよかったんですが、初手"金"だと59で取る筋がなくなります。
隅の老人B 「最終手、打つと書いたら間違いですね」
■棋譜表記上同じではなくなりますからね。
S.Kimura 「わざわざ金を取らせに行くところが好手」
はなさかしろう 「3手かけて5七で金駒を取らせるのが8手ならでは。角不成だとこの形しか詰まないのが意外で、実に品の良い詰め上がりでした」
NNN 「私としては20分以内は早く解けたほうです。初手に指した駒はもう一度動かさないといけないと考えると手が絞られて解けました」
諏訪冬葉 「初手で動かした駒をそのまま取ると最終手で打てそうにないからもう1度動かす」
鈴木康夫 「角で初手に動いた金を取って打つしかないと思いましたが、一回動かした金を取る手順ばかり考えて難渋しました」
■金が2回動くのが本局のポイントの一つ。初手に指した場所を空けるためにもう1手動かすことに加えて、金を急所の57で取ってもらう一石二鳥の手順。2回動くことに気づくと早いんですが、意外と盲点になります。
正解:21名 双方解:DD++さん、テイエムガンバさん
飯山修さん S.Kimuraさん NNNさん 斧間徳子さん 加賀孝志さん
孔明さん 小山邦明さん ジェシーさん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん DD++さん テイエムガンバさん
波多野賢太郎さん はなさかしろうさん Pontamonさん 枡彰介さん
山下誠さん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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