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推理将棋第88回解答(3)

[2015年4月30日最終更新]
推理将棋第88回出題の88-3の解答、第88回出題の当選者(加賀孝志さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第88回出題  推理将棋第88回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


88-3 初級 はなさかしろうさん作  無理なご乗車はなさらずに 8手

「8手で詰みました」
「7手目に味方同士の隙間に銀を割り込ませたのが敗着だったね」
「正確に言うと『7手目は隣接する左右両方に先手の駒がいる地点に着手』かつ『7手目は初めての銀の手』です」
「まぁそういうこと。平たく言えば『発車間際の無理なご乗車はなさらないようお願いします』ってところかなぁ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 8手で詰んだ
  • 7手目は隣接する左右両方に先手の駒がいる地点に着手
  • 7手目は初めての銀の手

出題のことば(担当 NAO)

 銀が割り込む両隣の駒を推理しよう。

追加ヒント

 銀が割り込むのは玉と飛の隙間。銀の隣の2段玉を詰ます攻めは?


推理将棋88-3 解答  担当 NAO Suiri883

▲7六歩  △3四歩  ▲6六角  △同 角
▲4八玉  △6八角  ▲3八銀  △5七角上成
まで8手

条件
・7手目は隣接する左右両方に先手の駒がいる地点に着手
・7手目は初めての銀
(→28飛と48玉の間に7手目▲3八銀)

  • 8手詰特集の3問目ははなさかさんの作品。銀が割り込むのはは左右どっちか、銀が動いた後の空間はどう塞ぐのか、8手詰としてはちょっと考えさせる問題です。
  • 先手の銀が1回だけ動く可能性があるのは、28~88の8段目ですが、初形の大駒:28飛か88角を利用して味方同士の隙間を作って銀を割り込ませることを考えます。
     28飛を利用:48玉(または48金)の後、38銀
     88角を利用:68玉(または68金, 68飛)の後、78銀
  • いずれの形も駒が動いた後の隙間に玉の退路ができそうですが、飛と玉の間に銀が割り込んだ"28飛-38銀-48玉"型では、足の長い角(馬)を57に使えば39に逃さない詰み形があります。
  • 先手は48玉と38銀の他、攻めの協力手が2手。後手の角を57に効かせるため先手の角を66で取らせて協力する。先手の手順は▲76歩~▲66角~▲48玉~▲38銀。
  • 後手の攻めは、角を奪った後その角を打って最後57地点で仕留める。59への退路塞ぎのため68地点に角打ち。後手の手順は△34歩~△66同角(角取り)~△68角(角打ち)~△57角上成。

※修正前条件「7手目は隣接する左右両方に先手の駒がいる地点に銀の手を指した」の余詰手順

  • 7手詰で1段目で取った銀を53に打つ手順(例:▲76歩 △54歩 ▲44角 △52玉 ▲71角成 △51金右 ▲53銀迄)での金寄の替わりに銀を2手掛けて移動する手順。左右の金の間に銀が割り込む形がありました。
    1) ▲48銀 △14歩 ▲56歩 △13角 ▲58玉 △79角成 ▲59銀 △57銀 まで。
    2) ▲68銀 △34歩 ▲56歩 △66角 ▲58玉 △39角成 ▲59銀 △57銀 まで。
    いずれも1手目, 3手目, 5手目の手順前後任意。6手目角成と不成非限定もあり。
  • 修正では「7手目は"初めての"銀の手」を追加。会話文にあるように『正確に言う』ために1条件を追加しています。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「8手ならではの順を使いたくて、4手目同角を選び、条件を付けてみたのですが……やってしまいました。冷汗三斗です」

■"初めての銀"を追加した修正は、8手詰でもちょっとした謎解き要素のある作品と思います。先手の3手目66角の協力手と後手の6手目68角打の組合わせが絶妙。修正前条件の余詰は2回銀を動かす手順、作意解が先に見えたため担当もうっかりしました。

テイエムガンバ 「2条件のままだと24通りも答えがあるため、数が多くなってもいいですから1通りに絞り込めるように条件を付け加えて下さい」
(修正後コメント:答えが作意と違っていましたので、あらためて解答いたします)

■余詰のご指摘ありがとうございます。修正前は、48銀以下の12通りと68銀以下の12通りの余詰手順がありました。

斧間徳子 「作意順は面白いですが、8手詰での余詰めは勘弁してほしいですね」

■粗検討申し訳ありません。短手数で作意が先に見えてしまった作品の余詰検討は難しいです。担当の力不足ですが、これからは手順リストも活用していきたいと思います。

NNN 「残念ながら、8手問題の分類から探してしまいました。6六で角を取る筋は全然考えてなかったですね。なので余詰みの方を考えました。5六歩 3四歩 5八玉 6六角 6八銀 3九角成 5九銀 5七銀。1筋を角が通るルート、手順前後はいくらかあります。作者、担当さんにとって余詰みは不本意でしょうけど、解答者には問題が増えて楽しめる面もありますね。余詰みを指摘される実力者がいらっしゃるからでもありますね」

■余詰は申し訳ありません。"問題が増えて楽しめる"と言ってもらえて救われました。

加賀孝志 「スッキリ楽しめました」

占魚亭 「左辺の筋がダメだったので右辺の筋を考えたらあっさり解けました」

鈴木康夫 「7手目銀は八段目しかありえないと気付いたら、詰上がりが見えました」

小山邦明 「初めての銀の手は8段目になるので、そこに隣接する先手の駒があるための最短手数は、48玉と38銀の組合せか、68玉と78銀の組合せですが、前者の方が詰ませやすいと推理して解きました」

Pontamon 「手数から言って、初期配置の角か飛を左右の駒に使うのだろうと思いました。銀の割り込みで飛の横効きを無力化するのが好都合で、この形となるとトドメは57あたりからの角か馬しかないのですんなり解けました」

S.Kimura 「48玉,38銀の形を想像し,最終手が57角しかないと思い付いて,ようやく答えにたどり着きました」

■48玉-38銀型を57角成(馬)で仕留める詰形に決め打ちできれば早く解けますね。

孔明 「ずっと7八か6八か4八で飛車金銀のいずれかを取らせるものだと思ってなかなか解けませんでした。4八玉、3八銀型だと3九が空くので取らせる駒は角っぽいなと思ったんですが取らせるために2手かけると手数がかかると思い、読みから外していました」

■折角48玉-38銀型が浮かんでも、"角は88で取る"思い込みがあると遠回りになりましたね。

飯山修 「28から順に可能性をチェックしていったら38で早くもヒット。88からやらなくてよかった」

■28は考えるかもしれませんね。でも、88も考えますか?

DD++ 「条件を見て59銀か77銀の二択に絞ったため修正に面食らいました。38飛18香からの28銀とか真面目に考えそうになる混乱ぶり」

■早々に余詰のご指摘いただきました。意外と66角と68角の組み合わせが盲点になって作意の方が浮かびにくかったのでしょうか。

渡辺 「詰上図はすぐに浮ぶのだがそこから仲々手が戻せない。実は打った角と自陣角を逆にすれば良いだけでした」

■68角はどこから来たの?詰上りが決まっているのに戻せないもどかしさ。

ジェシー 「7手目のこの限定だけで全部確定するんですねー」

■7手目だけの指定ですが、きちっと手順が確定します。

波多野賢太郎 「たったこれだけの条件で手順が決まるのか?と最初は思いました。銀の手はなんとなく3八銀かなと予想しましたが、4八金の形を考えてしまって悩みました」

■48金の形だと、49への退路塞ぎが難しくちょっと届きません。

隅の老人B 「3手目が好手、斬って下さいと角が首を出します」

山下誠 「6六角が手数を短縮する献身的な好手」

諏訪冬葉 「ヒントを見ても全く思い浮かばず降参しようかと思いました。▲77角△同角成 は読んだのになぜ▲66角が浮かばなかったのだろう・・・」

たくぼん 「詰上りが浮かぶまでかなり時間がかかりました。66角がありましたね」

■▲66角は後の△57角成を見た急所で駒を取らせる協力手。短手数の8手詰で実現した、なかなか気づきにくい巧妙な一手です。

枡彰介 「ヒントで玉の詰め上がりが見えたので先手の角を6六で取らせて5七の地点に角2枚を利かせて詰ます手順が浮かびましたが、5九の地点を埋めるのに▲5九金左とすると手数オーバーして困ったところに、△6八角と言うピッタリの手に気づいて今月は全問解答出来ました」

■▲66角と△68角。この両方に気づかないと正解にたどり着けません。一方が判ってももう一方になかなか気づかない組み合わせの妙でした。


正解:21名  双方解:DD++さん、テイエムガンバさん、斧間徳子さん、NNNさん

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  孔明さん  小山邦明さん  ジェシーさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  テイエムガンバさん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  Pontamonさん  枡彰介さん
  山下誠さん  渡辺さん


総評

Pontamon 「出題日は風邪で会社を休んでいて、夕方に起き出して解いたので、初の解答一番乗り。今回は全問初級で平日出題だったのが功を奏したけど、第90回の難易度ゼロ特集の出題日は土日の可能性大だから、ベテラン勢を差し置いての解答一番乗りはもう二度とないのかも」

■一番解答は気持ちがいいもの。次回も一番乗りを期待してます。

孔明 「投稿作の採用ありがとうございます」

■検討がお粗末で申し訳ありませんでした。88-1は着眼点に孔明さんのセンスを感じました。次回作品も期待してます。

テイエムガンバ 「今回の問題は余詰が多く残念に思います。次回は余詰なしの出題をお願いします」

■短手数作品での余詰出題は、ホントに情けないです。次回はがんばります。

渡辺 「さすがに8手は簡単ですね。私の以外余詰指摘ありというのが意外...」

■今回は簡単な余詰だったのでご指摘が多数ありました。担当の検討が粗すぎました。

はなさかしろう 「8手は攻めの幅が狭いまま玉方の援助が強くなっているので、7手のバリエーションには要注意なのですが、見落としました。短編は難しいです」

■強力な協力手がありました。担当の検討もお粗末で申し訳ありません。

DD++ 「私の経験的に、8手は9手より余詰やすいんですよ。なぜか。本当になぜか」

■なぜか?理由はありそうです。はなさかさんコメントのとおり(1)玉方援助の手があること、もう一つ(2)9手詰より作例が少ないこと、この2点ではないでしょうか。今回は8手詰の独自手順に惚れ込み、7手詰手順+1手で余詰むパターンです。やられました。

S.Kimura 「8手詰特集は楽しかったです。余詰めは,別解を探せてお得な気がするのですが、2問とも余詰め解を見付けられず残念でした」

■余詰め報告に"お得な気がする"と言っていただけるとホントに救われます。これからは毎月余詰を出して・・・お得な気にさせるわけにはいけません。

波多野賢太郎 「今月はたしかにやさしめでしたが、それでも悩みどころがあって十分楽しめました。少ない条件で手順を限定させるのは難しいだろうなと思いますが、毎月いろんな作品にふれて、よく考えるなぁと感心するばかりです」

■ネタはつきないものです。波多野さんも作品を思いつかれたらご投稿ください。

隅の老人B 「今回は珍しくヒントなしで全問が解けました。お花見の季節も終わって、今日も暇。それでは、推理将棋の解答を書こう」

■ヒントなし全解おめでとうございます。例月は解答者の半分が一題ぐらいヒント待ちするぐらいの難易度がちょうどいいかなと思ってます。

斧間徳子 「8手詰特集と聞いて新作が3題集まるのかと思いましたが、杞憂でした。今回が88回ということは1年後に大台を迎えるんですね。」

■早いもんです。100回まで残り1年ですか。なにか企画はありますかね。やはり10手詰特集かな。

占魚亭 「8手特集、楽しかったです。次の8手特集は第888回?(笑)」

■次は第188回です。いやいや、108回かもしれませんね。

枡彰介 「今回の問題は全て基本7手詰めに無駄手を一手加えたものではなく、8手詰めでしか実現しない手順だったので8手詰め特集として好感触でした」

■作意手順は8手詰らしい好手順でした。一方、出題当初の余詰手順が基本7手詰に一手加えたものでした。

鈴木康夫 「8手詰の一覧は作ってあるのでテキスト検索で対応しようとしましたが難しく普通に解きました」

■着手地点、駒種、棋譜表記などはテキスト検索向きですが、88-3の"味方同士の隙間に銀を割り込ませた"のような条件は対応が難しそうです。鈴木さんからは8手詰全手順リストを拝受。ありがとうございます。

たくぼん 「8手解はある程度頭に入っていると思っていましたが、条件変わるとなかなか対応できないことがよく分かりました

■条件変われば別問題。手順が同じでも見える景色が変わるんです。

山下誠 「推理将棋は初めての解答です」

ジェシー 「今月もありがとうございます。久々の解答です」

NNN 「毎月楽しませてもらっています」

■初解答も久々解答も大いに歓迎いたします。次回も連続解答をよろしくお願いします。


推理将棋第88回出題全解答者: 21名(全員3問正解!)

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  孔明さん  小山邦明さん  ジェシーさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  テイエムガンバさん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  Pontamonさん  枡彰介さん
  山下誠さん  渡辺さん

当選: 加賀孝志さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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