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推理将棋第88回解答(2)

[2015年4月29日最終更新]
推理将棋第88回出題の88-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第88回出題  推理将棋第88回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


88-2 初級 渡辺秀行さん作  壁の向うの将棋 8手

壁の向うから将棋を指している声が聞こえてきます。
「初手から中飛車と来ますか」
....しばらくして
「そんなことすると、この22の角で同角生と取るぞ。ほれ、8手で詰みだ」

さて壁の向うではどんな将棋が指されていたのでしょうか?

(条件)

  • 8手で詰んだ
  • 初手58飛
  • 最終手は22の角を動かして同角不成と指した

出題のことば(担当 NAO)

 角が不成で飛び込む形を推理しよう。

追加ヒント

 止めの一手は77同角不成。もう一枚の攻め駒は?


推理将棋88-2 解答  担当 NAO Suiri882

5八飛  △3四歩  ▲7六歩  △8八角成
▲6八玉  △2二角  ▲7七桂  △同角不成
まで8手

条件
・初手58飛
・最終手は22の角を動かして同角不成(8手目77同角不成)

  • 8手詰特集の2問目は渡辺さんの軽い作品。初手と最終手の二つの着手指定ですが、最終手の"22角を動かして"がちょっとした曲者。ベテラン解答の方は騙されませんが、初めてこの条件を見た方は22の居角が不成で動いて詰むのかと悩むはずです。初心者にちょっとだけ悩んでもらって解いてもらう狙いでしょう。
  • 手順は、同角不成の詰み形をつくるための先後協力手。"22の"を外した条件「最終手は角を動かして同角不成」で解いてみるのが近道です。
  • 初手58飛は後の58への退路塞ぎですが、初手を除いた1手短い7手詰として残り先手3手、後手4手の組み合わせを考えます。
  • 後手は最終手の角不成に紐をつけることを考えると、2手目で角道を開け、4手目駒取り、6手目駒打ち、8手目角不成。この手順では4手目の駒取りは角移動が必然のため、6手目は角打。8手目は"22の角を動かす"ことから6手目の打場所が22に確定。78の退路封鎖のため4手目は角成。後手の手順は△34歩~△88角成~△22角打~△同角不成。
  • 先手は3手目に角道を開けて協力すると、詰位置の68玉と最終手は77地点に確定。先手の手順は▲58飛~▲76歩~▲68玉~▲77桂。

それではみなさんの短評をどうぞ。

渡辺(作者) 「22角と打つのはお約束でこれもほぼ絶連でしょう」

■渡辺さん作品となると何かあると考えるのがお約束の定跡手順。

ジェシー 「2二角は打った角というお茶目さが好きです」

波多野賢太郎 「これは、角を取って2二角と打つことに気がついたのですんなり解けました。初手こそそのままですが、最終手の条件のみで手順が限定されるのがうまいなぁと思いました」

加賀孝志 「味のある条件、優しい工夫」

隅の老人B 「22の角が不成り、成る程ねぇの条件でした」

山下誠 「2二の角が打った駒というところがミソ。うまい条件」

■打場所を限定するだけなんですが、居角を匂わせる"22"の条件付けが実に巧みです。これが"55"とか他の場所になるとごく平凡な条件ですから。

斧間徳子 「手順に新味はないが、ミスディレクション狙いの条件がうまい」

DD++ 「『22の角を動かして』が慣れない人にはかなり強烈な引っ掛け。ほぼ全員一度はやられた経験があるのでは」

■今回初めてこの引っ掛けをやられた方もおられました。

孔明 「角を取って初期位置に角打ち。こういう詰まし方もあるんですね」

枡彰介 「2ニの角が動いて、と言う会話文から最初は初期配置の角でトドメを刺すのかと思いましたが、7七同角不成で詰む形が見つからなかったので8八の先手の角を取って2二に打ち変える順が浮かびました」

■"初期配置の角でトドメ"を一度は考えてもらいました。作者の狙い通りです。

占魚亭 「後手角のスイッチバックかと思いました」

■一度動いた角が22に戻ると角を打つ暇がありません。

飯山修 「22角を早めに使う手もあったというやつですね」

小山邦明 「22角が最終手の不成と指して詰む形は、99や88の場所では難しそうなので、77の場所と考えると取られないためには先手の角は88にはいないと推理して解きました」

NNN 「作意を理解して解けたと言ってもよい感じでしょうか?初期位置の角が最終手に動くとなると4手目に指す有効な手がない、となると4手目角移動、6手目角打ちとなり、残りの手はほぼ自動的に決まりです」

■攻めに使えるのは4手だけ。4手目に22角が移動して角を取り6手目に打たないと間に合いませんね。

はなさかしろう 「6手合い利かずとは反対の側からの角。8手だと特殊な場合(2通り!?)を除けば後手が角を繰り出さなければならないので、2二の角はさすがに打った角でしたね」

諏訪冬葉 「7手詰+1手はよく見るが6手詰+2手は初めて見た気がします。」

■無駄合無効なら「▲58飛 △34歩 ▲76歩 △88角成 ▲68玉 △95角までの6手詰。推理将棋は無駄合有効ルールでやってますので86歩や77桂合いが効きます。本作は逆方向の22から攻めて2手プラス。

Pontamon 「駒成りなしだと勘違いして一瞬焦りました」

■4手目成るための最終手同角不成でした。

S.Kimura 「盤上の22角が最終手で不成,なわけがないですよね。やっぱり」

たくぼん 「22角が動いていないと・・・はさすがに思わないな(笑)」

鈴木康夫 「これは秒殺でした」

■流石に今回は騙されない方が多数派でしょう。


正解:21名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  孔明さん  小山邦明さん  ジェシーさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  テイエムガンバさん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  Pontamonさん  枡彰介さん
  山下誠さん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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