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推理将棋第90回解答(1)

[2015年6月25日最終更新]
推理将棋第90回出題の90-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第90回出題  推理将棋第90回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第90回解説  担当 NAO

9手詰の易問特集は、一問目の3題1セットを含め初級問題を5題並べました。難度ゼロのつもりでしたが担当の見込み違い、初級にしては難しめの問題も含まれていました。


90-1 初級  鈴木康夫さん作  三人の見た棋譜  9手

A「駒を打つと言うのは日本将棋独特のルールだよね。打たれて取られてを繰り返せば、所有者が何度も変わる」
B「将棋では別に珍しくないよ」
A「でも9手と言う短手数で詰んだ棋譜なのに、ある特定の一枚の駒が二回も打たれたんだ。その棋譜には不成の手はなかった」
B「僕の見た棋譜もそうだったよ」
C「君たちもかい!僕もだよ」
A「じゃあ、三人とも見た棋譜は同じだったのかな。僕の見た棋譜は小駒を打つ手はなかったよ」
B「僕の見た棋譜は後手陣の外に駒を打つ手があったよ」
C「僕の見た棋譜は一段目への駒打ちはなかったよ」
A「じゃあ、全員が別の棋譜をみていたんだね」

さて、三人の見た棋譜とはどんな将棋だったのだろうか?

(A~C共通条件)

  • 9手で詰んだ
  • 特定の一枚の駒が二回打たれた
  • 不成の手なし

(個別条件、A,B,C各々の手順を求める)

  • (A)小駒を打つ手なし
  • (B)四~九段目の何処かへ駒打ちあり
  • (C)一段目への駒打ちなし

出題のことば(担当 NAO)

 一枚の駒を2回打つ。駒の受け渡し方を推理しよう。

追加ヒント

 5手目に打たれた角を6手目で取り返し8手目に打つ。
 (A)止めの一手は飛打ち。
 (B)四段目の駒打ちあり。
 (C)駒打ちはいずれも二段目。


推理将棋90-1 解答

(A)
▲7六歩    △3四歩    ▲2二角  △3二飛
5二角    △同金左    ▲3二馬    △6二角
▲4一飛 まで9手.
Suiri901a
(B)
▲7六歩    △3四歩    ▲2二角  △5二玉
5四角    △同 歩    ▲3一馬    △5一角
▲5三銀 まで9手.
Suiri901b
(C)
▲7六歩    △3四歩    ▲2二角  △5二金左
6二角    △同金寄    ▲3一馬    △5二角
▲4二銀 まで9手
Suiri901c

 一枚の駒を打って取られて打ち返す。限られた手数の中で一つの駒をやりとりしますが、止めの駒種と詰形の対比を楽しめるトリプルのセット問題です。角の打ち場所が先後とも3題で異なっているのがトリプルらしく素晴らしい。

 共通条件「特定の一枚の駒が二回打たれた」で手順をぐっと絞り込めます。一枚の駒を打って取らせるには、攻め方が駒取り~駒打ちの後、更に詰形を築かないといけません。攻め駒を残しつつ、駒取り~駒打ちを行う手順を追っていきます。

  • 先手は3手目に角を取って5手目に打ち、後手は6手目に角を取り返して8手目に打ち返す。初手から「▲76歩 △34歩 ▲22角成 △XXXX ▲XX角(打) △同X ▲XXX △XX角(打) 」
  • 7手目から3手で詰ますには?
    7手目に22の馬で駒を取り、その駒を9手目に打つ。馬と取った駒の連携で詰む手順は以下の5手段:
     ▲32馬(飛を取る)~▲41飛 →(A)小駒を取らず、飛を取る
     ▲32馬(金を取る)~▲41金
     ▲31馬(金を取る)~▲42金
     ▲31馬(銀を取る)~▲53銀 →(B)53銀を打つ空間を空ける(54歩と突かせる)
     ▲31馬(銀を取る)~▲42銀 →(C)二段目の銀打で詰める
  • 先手が角を打って渡す場所は、詰み形を作るのに必要な位置。更に後手が協力して角打ちで退路を塞ぐ。
    (A)4手目から「△32飛 ▲52角 △同金左 ▲32馬 △62角 ▲41飛 」まで。
    (B)4手目から「△52玉 ▲54角 △同歩 ▲31馬 △51角 ▲53銀 」まで。
    (C)4手目から「△52金左 ▲62角 △同金寄 ▲31馬 △52角 ▲42銀 」まで。

それではみなさんの短評をどうぞ。

作者 「9手詰のトリプルを作ったのですが、簡単すぎるので良い投稿先が見つかりませんでした。難易度0ではないかもしれませんが、第90回向けだと思います」

■"簡単すぎる"との作者の言葉を信じて第90回の1問目に出題しましたが、簡単すぎることはありませんでした。各々単独でも楽しめるトリプルですが、3題とも正解手順を見つけるのが思いの外難しく感じられた方が多かったです。ともかく誰もが楽しめる3題でした。

斧間徳子 「5手目と8手目は角打しかないが、打ち場所が3題それぞれで異なっていて楽しめました。特にCは独立した作品として見ても佳作」

■角の打ち場所は、(A)52→62, (B)54→51, (C)62→52。退路封鎖の原理は同じでも同じ着手ではありませんでした。

Pontamon 「歩を取っても使い道がないので、共通条件を満たせる手順は2通り。
1.3手目で取った角を5手目に打って、6手目で取り、8手目で打つ
2.4手目に取った馬を6手目に打って、7手目で取り、9手目 で打つ
1の手順でB、Cは判ったけど、Aは大駒なので2の手順かと思い引っ掛かってしまいました。
(90-1C再解答時)トドメは1~3段目、駒種は金銀飛車の3種の3部作。90-1Cは1段目の駒打ちではない▲42金がトドメだと疑いもしなかった」

■2の手順で詰む手順は・・・ありませんね。4手目で馬を取られると攻めの手がかりが消えてしまいますから。また、トリプルを一層際立つよう、止めの駒種3種で1~3段目に打ち分け、90-1Cでは"▲42金がトドメ"とする作り方もありましたね。

DD++ 「Aの飛打までとCの銀打までを瞬殺し、『じゃあ順番的にもBは金打までか』と考えて二週間。ちくしょう、はめられた!(完全に言いがかり」

■解く順番を誤りましたか。53銀は7手詰解の変型なので(B)を先に解いた方がよかったようです。しかし、(C)瞬殺は、DD++さんだけなのでは?...なるほど(C)の手順は57-1で出題されてました。

小山邦明 「駒打2回で最初に思いついた手順は下記でしたが、これではA、B、Cのどの条件も満足しないのですね。大変面白い3部作でした。
76歩、34歩、22角成、54歩、52角打、同玉、31馬、51角打、53銀打 まで9手詰」

■思いつかれたのは、おもちゃ箱7-2名人の手すさび(9手詰、まさ作;3手目,7手目が不成)とほぼ同じでしたね。
・同じ筋の一段目・二段目・三段目に駒を打った
・成る手はなかった

占魚亭 「(A)飛車打ちのスペースを作るにはと考えたらすんなり解けました。(B)五~九段目に打って渡すのは考えられなかったので四段目と判断。(C)詰み形の予想と金駒の利きをなくす方法に少考」

■(A)(B)は的確な推理。(C)金寄~52角打は盲点になりやすいです。

孔明 「同じ駒を打つためには取らないといけないので打つタイミングは5手目→8手目か6手目→9手目ということでAの手順はすぐにわかりました。そして駒をいろいろ動かしていたらCの手順もすぐにわかりました。しかし、Bの手順は四段目より下に打つの手がなかなかわからず苦労しました。
台詞からそれぞれの条件の否定も暗に条件になっているはずなんですが明記されていないので解くときには利用しませんでした」

■否定の条件は使わないのが吉。正攻法でいきましょう。

金少桂 「特定の1枚の駒で2回打つのが間に合いそうなのが22の角しかないので、初手~3手目の手順が決定、5手目角打、8手目角打も固定なんだろうけど、それ以外はやりようがいろいろあって難しかった。(A)のみ、小駒を打つ手がない条件から飛車を取ることがわかるので1分で解けたけど、(B)と(C)は数十分考えました(それでも数十分で済んだといえますが)」

■(A)1分とは素晴らしい!(B)(C)数10分も早いです。

はなさかしろう 「後手が馬を取って6手目に打ち、先手が9手目に打ち返して詰み、というのも考えましたがさすがに無理。ということで実質6手の3問ですが、個別条件で他の余詰をぴったり消していますね。個人的には(C)が今回の最難問。整理して考えれば金銀を一枚取って一枚どかすしかないのですが、62金寄の形がなかなか見えませんでした」

S.Kimura 「この3つの中では,一番時間がかかったのは(C)で,41の金を2回動かして角を取るのが盲点になりました」

諏訪冬葉 「9手で同じ駒を2回打つためには先手が3手目に取った駒を5手目に打って後手が6手目に取り返して8手目に打つ。よって手順はここまで確定する。
▲76歩△34歩▲22角成△???▲??角△同?▲???△??角▲?? まで
(A)この手順は前にもあったので簡単でした
(C)金の移動が浮かびませんでした」

■(C)金が2回動いて角を取り、金がどいた場所に角を打つ一連の手順はなかなか気づきにくいです。

飯山修 「初級の筈なのにどれもうまくいかない。今回は直前ヒント待ちを決め込んだ。ヒントを見てCはすぐ判ったがBがなかなか思いつかなかった。良く出来た問題。看板に偽りありと言いたい」

■難度ゼロではなかった。担当の見込み違いで申し訳ありません。

たくぼん 「(A)一番最初に浮かんだのがこの順でした。 (B)これヒント無かったら解けなかったかもしれない。 (C)次は金かと思ったが違いましたね」

隅の老人B 「(A)2回打たれた駒は何? 角と決定。さて、4手目は? (B)4段目に駒打ち。成る程、そういうことですか。 (C)王の逃げ道を塞ぐ52角打が巧妙」

山下誠 「(A)飛車で詰める形は意外と盲点でした。(B)これはポピュラーな詰み形で、最初に浮かびました。(C)金の動きがユーモラス。自殺行為の自陣角が共通テーマでした」

■3題では止めの駒種でなく角の打ち場所が異なります。逃げ道封鎖のため角をどこで取らせてどこに打たせるか、推理して楽しんでいただきました。

NNN 「私には程よい難易度の良問ですね。考えていて楽しめました。ただ、Cの条件はABに一段目駒打ちがあることのヒントになりますね」

■一段目駒打ちに気づく逆ヒント。でも、一段目の駒打ちがない手順の方がたった一つだけなので絞り込みにはなりませんでした。

加賀孝志 「3題詰はどれか一つ正解ならOKにして下さい。条件は(B)が一番上手い」

■加賀さんはBのみ正解。ゼロ正解も歓迎しますのでご心配なく。

枡彰介 「短評(A~C):9手で同一の駒が二回打たれるのは角以外不可能で、三手目まで共通なのはすぐ分かりましたが、Cの条件のみ、ヒント待ちでギリギリ考えましたが分かりませんでした。他2つは取らせる地点を有効活用し、最後は玉の退路封じと基本的な内容でした」

■枡さん惜しい。止めの駒種(銀)を明かせば解けましたか。


3題正解:17名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  小木敏弘さん  斧間徳子さん
  金少桂さん  孔明さん  小山邦明さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  はなさかしろうさん
  Pontamonさん  山下誠さん

一部正解:3名

  加賀孝志さん  枡彰介さん  やまかんさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

皆さん見落としていますが、9手までに二回打てる駒として8九桂があります。
勿論、詰む手順は無いのですが。

投稿: 鈴木康夫 | 2015.07.08 22:19

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