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推理将棋第92回解答(2)

[2015年8月27日最終更新]
推理将棋第92回出題の92-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第92回出題  推理将棋第92回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


92-2 中級 チャンプさん作 美野樫9兄妹の一局(その7) 11手

圭五「うぉおおー!八重すげぇーじゃねぇかー!」
圭五「オレのハートも燃えてきたぜー!」
圭五「兄貴、次はオレ一人に任せてもらうぜー!」
健一「おぃおぃ、そんな勢いだけで勝てんのかよ・・・」
圭五「オレのドリブルで中央突破だー!うぉおおー!」

九美「圭にぃ、走って行っちゃったよぉー?」
八重「どうしたらあんなに熱くなれるのかしら」
隆二「やれやれ・・・」

圭五「よーしオレの先手だな覚悟しやがれー!」

・・・対局開始・・・

六実「え~なになに~?圭ちゃん何か叫んでるよ~?」
源三「あの様子やと勝ったんとちゃうか?」

圭五「見てくれたかオレの必殺ゴールデンショットー!」
圭五「開始わずか11分でのゴーーール!」
圭五「キックオフから2&3ステップの単独フェイントでゴボウ抜きー!」
圭五「奴ら、開始早々マイボールを逃がしたプレーは軽率だったぜー!」
圭五「兄貴、ちょっくら走ってくるぜー!うぉぉおー!」

健一「行っちまった・・・隆二、四郎、七海、スマンが今の翻訳してくれ」
隆二「おそらく金打ちまでの11手で勝ったんだろうよ」
四郎「圭五は初手から同一駒を2手連続、直後に同一駒を3手連続で動かしたみたい」
七海「・・・察するに2手目の玉の手が敗因という意味かと」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 11手目に金を打って詰んだ
  • 先手の着手は5筋のみ
  • 先手は初手から同一駒を2手連続で動かし、直後に同一駒を3手連続で動かした
    (初手と3手目は一つの駒を続けて動かし、別の同一駒を5,7,9手目に続けて動かした)
  • 2手目は玉の着手

出題のことば(担当 NAO)

 後手玉に迫る5筋の手を推理しよう。

追加ヒント

 三連続で飛を動かして金を取る。


Suiri922 推理将棋92-2 解答  担当 NAO

    △6二    ▲    △5四歩
    △5五歩    ▲     △5一金左
同飛不成  △7二金    ▲ まで11手.

(条件)
・11手目に金を打って詰んだ(▲52金)
・先手の着手は5筋のみ(56歩~55歩~58飛~51同飛不成~52金)
・先手は初手から同一駒を2手連続(56歩~55歩)で動かし、直後に同一駒を3手連続(58飛~55飛~51同飛不成)で動かした
・2手目は玉の着手(62玉)

美野樫兄妹シリーズの7問目は、圭五が一人だけで5筋を中央突破して勝つ将棋です。先手番の指し手6手中、最初の2手が同一駒、次の3手も同一駒なので5筋着手と合わせると選択枝が限られます。中級の出題ですが、11手としてはかなり易しめの作品で初級でもよかったかもしれません。

  • 初手から2連続の同一駒は・・・歩
    5筋への指し手で2連続して攻めに使える駒は、歩しかありません。
    初手から▲56歩~▲55歩。
  • 次の3連続の同一駒は・・・飛
    3連続して5筋に着手でき、しかも攻めに有効な駒は、足の速い飛だけです。
    5手目から▲58飛~▲5x飛~▲5x飛。

最後11手目が金打ちなので直前の9手目は5筋で金を取る手。その前の7手目は歩を取る手に決定。後手は飛の捌きに協力して5筋の歩を突き、金を5筋に移動。とすると、▲51飛不成~▲52金(打ち)で42か62の玉を詰ます筋とわかる:初手から「▲56歩 △(42か62)玉 ▲55歩 △54歩 ▲58飛 △55歩 ▲55同飛 △51金(右か左) ▲51同飛不成 △xxX ▲52金」まで。

ここで、最終▲52金が取られないよう後手駒(飛金)の効きを外す:2手目△62玉と飛の居る右側に動き、10手目に△72金と52への金の効きを外しながら玉の退路を封鎖。8手目は△51金左に決定。

駒の種類と着手筋が絞られて取り組みやすい作品ですが、遊び心満載の会話文が面白く、「オレのドリブルで中央突破だー!」と叫ぶ圭五が印象的でした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

チャンプ(作者) 「簡単だが条件が多すぎる、ただ会話文はお気に入り」

■"開始11分でのゴール"、"キックオフから2&3ステップの単独フェイント"、"開始早々マイボールを逃がしたプレー"等は、斬新な表現です。が、後段の翻訳がないとわからないでしょう。一つの試みとして翻訳なしの会話文だけで出題してみるのも"推理"将棋として面白いかもしれません。

Pontamon 「玉の横を通り過ぎ、ゴボウ抜きで最奥まで突っ走る圭五。浦島太郎のビーチフラッグのCMを思い出してクスっとしたのは私だけではないはず。そこまで狙っての選局だったのかな?」

■なるほど、某CMを連想させますか。投稿いただいたのはDD++さん前担当のときなので、CM放映よりずっと前です。

孔明 「最初5手目以降動かす駒が5六までしかいけないと思っていたんですが5五の歩を取らせればその先に進めるとわかってすぐに解けました。10手目▽7二金の発見には時間がかかりましたが92-1より簡単に感じました」

斧間徳子 「先手の指し手がほぼ必然なので92-1より遙かに簡単でした」

NNN 「5筋のみなので考えやすかったです。これが一番先に解けました」

飯山修 「5筋限定なので手が限られ解きやすい。こちらが初級のほうがよかったと思います」

■11手詰でも本作のように選択肢が狭いときは、初級出題でもOKですね。

金少桂 「先手の指し手が極度に限定されているので、とりあえず歩を2連続、そして飛を3連続で動かして金を取って打ったら一発で詰みました!手数はこちらの方が長いけど、間違いなくこっちが初級だと思う」

山下誠 「初手と3手目は自明。5~9手目もすぐに飛車と分るので意外に容易でした」

■攻め駒の推理は簡単でした。

小山邦明 「最初の玉の動く位置が大事。条件がきれいですね」

占魚亭 「易しい11手。先手の着手駒は考えるまでもないので、後手玉を42と62どちらに動かすかを考えるだけ」

■42か62かとりあえず保留。自陣飛車の横効きを消すため"2手目△62玉"と後で解る仕掛けです。

小木敏弘 「一筋のみ、いいですね・・・考えやすくて。最終手61金をなしにして52金に限定しているのがナイス」

■5筋限定がなければ61金で詰む形。

たくぼん 「51飛生がちょっと珍しい展開」

■わざと62玉に触らないで金を取る手筋です。

加賀孝志 「面白い条件だがクドイと分かりにくいときもある。2番が先に解けた」

隅の老人B 「手順を限定するために、いろいろ条件が増えました、ですね」

■5筋だけで攻めきる手順は、先後ともいくつか非限定あって条件増えるのも致し方ないです。

はなさかしろう 「金打ち条件を見逃して別の駒で詰ましかけました。5筋は詰みやすいので限定させるのが大変ですが、美野樫兄妹は賑やかなので大丈夫ですね」

■限定のため多少条件が増えても賑やかな会話で楽しませてくれます。

DD++ 「後手はぜひ銀桂香を全部上がって飛車をオフサイドに……手数が足りないか」

■オフサイド!の構想・・・キーパー一人残すとして、金銀桂香のうち7枚上がるのに最低7手掛かります。実現すれば21手以上の長編になりますね。

S.Kimura 「一人で突撃するシリーズも楽しいですね.次は,七海あたりが来るかな?」

■一人で突撃する作品はこれからも登場します。七海ではありませんが、次は誰が突撃しますか、お楽しみに。

変寝夢 「「解析局面1930万、24分40秒でした。51金 同飛生が一連の好手ですが、1のほうが難しいイメージです。構文は;;/jissen/nocheck/#11/te=1,50,,,/te=3,50,,,/te=5,50,,,/te=7,50,,,/te=9,50,,,/te=11,50,金,打,/te=3,,,同自駒/te=5,,,別自駒/te=7,,,同自駒/te=9,,,同自駒/te=2,,玉,,でした」

■完全探索だと結構読まされるんですね。人間脳は詰手順以外を捨てるのが上手いので本問に限れば時間勝負にも勝てそうです。


正解:17名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  小木敏弘さん  斧間徳子さん
  加賀孝志さん  金少桂さん  孔明さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  はなさかしろうさん  変寝夢さん
  Pontamonさん  山下誠さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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