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推理将棋第93回解答(1)

[2015年9月27日最終更新]
推理将棋第93回出題の93-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第93回出題  推理将棋第93回解答(1)  (2)  (3)
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推理将棋第93回解説  担当 NAO

9手詰は推理将棋の主食です。最近の企画モノを含めてほぼ毎回9手詰作品を出題していますが、初級、中級と9手詰を並べた今回は解答者21名。集客はまずまずでした。


93-1 初級 渡辺秀行さん作 巧い王手 9手

「昨日の将棋は相手は最初に42玉としてきたんだよ」
「それに歩以外で応じていたね」
「それで3段目の玉に王手を掛けたんだ」
「巧い王手だね」
「うん、9手までの詰で勝ったからね」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 2手目42玉に歩以外で応じた
  • 3段目玉に王手した

出題のことば(担当 NAO)

 3段玉に王手する駒を推理しよう。

追加ヒント

 7手目は43玉に王手。


Suiri931 推理将棋93-1 解答

▲4六歩    △4二玉    ▲4八    △4四歩
▲4五歩    △4三玉    ▲4四歩    △3二玉
▲4三歩成 まで9手.

(条件)
・2手目42玉に歩以外(3手目▲48飛)で応じた
・3段目(43)玉に王手した(7手目▲44歩)

本作は簡素な2条件の9手詰です。解図のヒントが少ない分、どこに手を付けてよいか困ることもあります。王手を掛けられた3段玉はどの筋で、王手を掛ける駒は何でしょうか?

  • 2手目に42玉と指した後、歩を突いて3段目に上がった玉に王手可能な駒は、角、桂、歩の3種。
    一見有力そうな53玉の筋では「76歩 42玉 55角 54歩 77桂 53玉」以下、65桂や44角、64角の王手は掛かるが届かない。
  • 正解は歩の王手。飛先の歩を進める7手詰(最後▲23歩成)を応用した4筋を攻める。最後、壁角のある32で詰ますため、先手は後手42玉の直後3手目、飛を4筋にセットし4筋の歩を進める。他方後手は4筋の歩にわざわざ王手を掛けさせる:▲46歩 △42玉 ▲48飛 △44歩 ▲45歩 △43玉 ▲44歩。以下△32玉 ▲43歩成まで。

本作は手順が初級の単純歩突きですが、巧みな2条件のため歩の手を連想させない条件に翻弄される逸品でした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

渡辺秀行さん(作者) 「『こんなのだったら自分でも作れる』と思った人、是非創作に挑戦して下さい。」

■簡素な条件で少しだけ解答者の裏をかいた気の利いた小品。"こんなの"なかなか作れるモノでもありませんが、本作を解いて騙されたと思った方は創作のヒントになるはず、さあ、皆さんも創作に挑戦。

隅の老人B 「最初、角での攻めを考えたがダメ。2~3日を経て、入浴中に初手が閃く」

攻めダルマン 「角を使う順を結構考えて苦戦」

小山邦明 「初手76歩から考えたので解くのにかなり時間がかかりました」

飯山修 「角を使わない手筋はほとんど考えないので大苦戦。知っていた人には初級でも知らない人には難問」

■角の筋から入って迷子になる方、続出です。

はなさかしろう 「見えれば一瞬のはずなのですが… 延々悩んだ末に「歩以外で応じた」が他意のない手順限定条件だとようやく気付き、裏推理的に無理矢理解きました。まさしく巧い王手で、個人的には今回の最難問でした」

斧間徳子 「実は今月、解くのに一番時間がかかったのがこれ。角か桂で攻めるものと思ったので飛は意外。42~43~32玉の動きも盲点」

桝彰介 「4三玉に王手をかける駒をずっと間違って考えており、最後3二で詰む順は気づけば飛車先を突く7手詰めに似てましたね」

小木敏弘 「今回一番てこずりました。角か桂を使う筋ばかり考えていて、飛車先の歩がなぜか思い浮かびませんでした」

■上級よりも手こずりましたか。手順は初級ですが歩の攻めは解答強豪でも盲点に入ることが少なくありません。

金少桂 「角を使う順から考えてしばらく四苦八苦。そこでふと、まさかと思って飛車を使う方を試したらその瞬間に解けてしまった。三段目への玉移動が完全に遊び手で、してやられた感満載だけど、いい初級問題だと思う」

NNN 「意外と時間がかかりました。飛車まわりに気づくと、すぐでした」

加賀孝志 「スッキリまとまりました」

孔明 「始めは角や桂を繰り出すことを考えていましたが三段玉に王手をかけて詰ます形ができませんでした。4筋の歩を突いていくことを考えてみるとあっさり解けてしまい、これで確定なのか不安になりました」

占魚亭 「角か桂で王手するのかと思いましたが駒が足りないので、すんなり歩+飛に切り替えることができました」

■角桂の攻めを見切っていち早く歩の攻めに方針転換された方は早く解けたようですね。

S.Kimura 「3手目が歩以外なのはよくあることなので、条件として出された以上、この収束を疑わずにはいられませんでした。3段目玉に王手するのに少し苦労しただけで,すぐに解けました」

山下誠 「歩の足が意外に速いことに、並べてみて気付きました」

■歩の攻めは結構早い。侮れませんよ。

たくぼん 「単純な4筋の歩突きが何故か見え難い条件付けが見事」

Pontamon 「渡辺さんの作品なので、3段目玉への王手は最終手ではなく7手目だと予想。後手の2手の余裕手を消す意味もある、巧い王手条件。9手マイスターの称号に納得です」

■手順は初級なのに、巧い王手ならぬ巧い条件で隠されてます。

DD++ 「なんという推理将棋らしからぬまともな王手」

■わざわざ頭を出して王手を掛けさせるのが推理将棋らしいところ。

変寝夢 「プラス条件で6手目43玉を追加して7359万局面40分でした。初級とは思えませんが。飛先の歩成9手はいろんな筋で出来そうですね」

■いつも機械検討ありがとうございます。6手目3段目だけだと探索局面ぐっと増えるんですね。


正解:20名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  小木敏弘さん  斧間徳子さん
  加賀孝志さん  金少桂さん  孔明さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  攻めダルマンさん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  はなさかしろうさん

  変寝夢さん  Pontamonさん  桝彰介さん  山下誠さん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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