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推理将棋第95回解答(1)

[2015年11月27日最終更新]
推理将棋第95回出題の95-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第95回出題  推理将棋第95回解答(1)  (2)  (3)
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推理将棋第95回解説  担当 NAO

今月の解答者は28名。おかげさまで最多解答者数更新です。


95-1 初級 Pontamonさん作  七の段の九九(7×8=56) 9手

「パパ、今日、学校で七の段の九九を習ったよ」
「そうか、じゃ、シチハは?」
「56だよ」
「偉いな。パパも7×8=56の九九を使った推理将棋の問題を作ったぞ」
「どんなの?」
「78地点と56地点に駒を打つ9手詰みの推理将棋さ。駒成りは1回だけなんだ。すごいだろ」
「そんなの、僕、わかんないよ」

さて、どんな将棋でしょうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 78地点と56地点へ駒を打った
  • 駒成りは1回だった

出題のことば(担当 NAO)

 56と78の二カ所。どの駒を打つか推理しよう。

追加ヒント

 トドメの1手は53飛成。


Suiri951 推理将棋95-1 解答

▲7六歩  △4二飛  ▲3三角不成△5二玉
▲4二角不成△9九角不成▲5六飛  △7八
▲5三飛 まで9手

(条件)
・78地点と56地点へ駒を打った(7手目▲56飛、8手目△78香)
・駒成りは1回だった(9手目▲53飛成)

本作"7×8=56"は前作92-1"7×5=35"に続く九九シリーズの第二弾の易問です。

駒打ち2回を推理して解いていきましょう。まず、駒打ちは"先手が2回"か、"先後1回ずつ"か?

  • 先手駒打ち2回の場合、先手の着手は▲76歩~▲22角成~▲駒取り(11,31,32地点)~▲駒打ち~▲駒打ちの手順。最終9手目駒打ちで詰ます形は、51玉型に対する▲41飛(金)、52玉型に対する▲53銀、▲54香などだが、56や78に打つ形はない。
  • 先後駒打ち1回ずつの場合、先手は後手5筋に効かせて詰みに働く"56に飛を打つ"のが第一感。また、後手は要の先手角を残しながらの駒取り~駒打ち:"99の香を取って78に打つ"手順。ここで先手の「▲76歩~(飛取り)~▲56飛」と後手「△99角~△78香」が噛み合う詰形"52玉型に53飛成"が正解手順となる。
  • 初手から「▲76歩 △42飛 ▲33角不成 △52玉 ▲42角不成 △99角不成」先手が飛、後手が香を入手。7手目から「▲56飛 △78香 ▲53飛成」まで。

先手5手+後手2手に遊びの2手を足した手順で、後手の選択肢が広い手順ですが、前作同様、巧みに九九と関連づけながら簡素条件に仕上げた軽い作品です。

それではみなさんの短評をどうぞ。

Pontamon(作者) 「第91回の1条件用に作った8×7=56は、mixiに酷似作があることに気付いて断念。紆余曲折の末、7×8=56の駒打ちに落ち着いた作品です。角の位置は違うけど、初級は2ヶ月続きで52玉に53龍の詰み形ですね」

渡辺 「「56」と「78」を7x8=56としたのは一つの工夫。本問の場合は「5678」と連番なので元々記憶しやすいですが。ちなみに本問は「55」と「33」でも成立し(もちろん作意と同様の手順)、これだと紛れが増えて本格的な問題になっていたかも」

■類型の「55と87の地点に着手あり」は渡辺さん作(詰パラ242番)でしたね。
本作は駒打ちを九九に絡めてきれいにまとまりました。

斧間徳子 「理詰めで解ける手順に好感。条件文の78を72などとした方が紛れが増えて難しくなりそうなところ、掛け算に語呂を合わせて78としたのは解答者に優しい配慮」

■本作では詰みに効きそうな先手の着手が"78"か"56"か推理させています。
では、"72"か"56"ではどうか?紛れでなくて"72飛"の筋で余詰みます。▲76歩 △42飛 ▲33角不成 △52金右 ▲42角不成 △同銀 ▲72飛 △56角 ▲71飛成まで。

小山邦明 「後手の詰む玉の位置は、56の駒打ち条件から52玉と予想されるのでわかりやすかったです」

■居玉より詰ませやすい52玉形。的確な推理でした。

小木敏弘 「飛車取りと詰みにも貢献する角。56といえばやっぱ飛車か香ですね」

■9手詰となる先手の香打ちは54だけでした。なので飛車打ち。

桝彰介 「5六に飛打ちが詰めに役立ちそうと気づいたら、94-1と似た詰め上がりだったのでそこからは一気に解けました」

金少桂 「56と78両方が遊び手とは考えづらいのでとりあえず56が詰みに関係のある手と考えれば先手の香か飛打ち。となると53が焦点。42で飛を受け取ればぴったり。遊び手の78駒打で後手玉や飛の動かすタイミングが限定されるのがうまいなと思う」

はなさかしろう 「よくよく考えれば大本命の5+2手ですが、目立つはずの56飛がなんかうまいこと薄められていて結構迷いました。パパの飄々とした感じ、いいですね」

まさ 「56へ駒打ちとなればこの形が基本形」

山下誠 「5六の駒が飛車だと気付くまでに数日を要しました。うまい条件です」

占魚亭 「9手で詰ますのに必要で、56に打てる駒は飛車しかない(香は手数的に無理)。条件設定が上手いですね」

S.Kimura 「56飛に気づいて,ようやく解けました」

■予備知識があれば一目の"52玉~56飛~53飛成"ですが、知らないと発見まで苦労します(実は楽しめます)

攻めダルマン 「54飛、55香か55飛、56香だと面白いと思った」

■9手では56飛でないと間に合いませんね。

孔明 「7八への駒打ちは後手の手だと直感したんですが、取らせる駒が角だと思い込んでなかなか解けませんでした。ただこれを無視して解くとあっさり解けました」

波多野賢太郎 「7八に打つのは場所的に考えて後手だろうと思いました。詰み形が見えて手順もすぐ閃きましたが、九九とからめて、うまく手順が限定されているなあと思いました」

はせ次郎 「先手角を後手に取らせると思い込んでいたため香を取る手(99角不成)が全く見えず苦労しました。どうしてこれが初級なの?とずーっと思っており結局3問中で最後に解けました。先手角で飛車取って(これは見えてました)、後手角で香取ってが見えてからは数分で解けました」

加賀孝志 「78に打つ。呆気に取られたヒント条件」

隅の老人B 「我彼で角生、香打は何処でも良いのに78の地点とはね」

NNN 「78というのが先手の手のようでもありましたが、56の有効手は53飛成をみた飛打ちと分かれば、78は後手に指させざるを得ません」

諏訪冬葉 「56角だと全く使えなそうなので飛車を取る順は見えました。78はきっと後手が打つと思っていました」

はらたっと 「78に打つのは後手だとすれば1手で取れるのは香かな、としたら見えました」

たくぼん 「9手で後手78駒打と言えば、99角、78香が大本命ですよね」

■先手が2回打つ手順が詰まないことがわかれば、後手の78香打ちが見えてくる仕掛けでした。

くるぼん 「駒成り1回の条件で他をナラズ確定にしてしまうとはなんというか」

■99不成を限定するためだけです。元々33,42は不成限定、53は成限定なので。

変寝夢 「プラス条件"初手76歩"、"5手目で飛を持ってる"、"7手目には56飛がある"で1分半114万局面でした。打の位置が78なのがどうかというところか」

■計算条件にかなりヒントが入ってきましたね。

DD++ 「56→78で登場が逆順、おしい。式に答えで応じる局は作るの難しいんでしょうかね」

■九九の組み合わせも少ないので、できれば希少価値あります。

飯山修 「56といえば飛打、78と言えば遊び手と考えればスラスラ。九九シリーズは理論的には何通り成立するのでしょうか(60くらい?)」

■九九シリーズはPontamonさんからいくつ投稿いただいておりますので、続編をご期待ください。


正解:28名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  加賀孝志さん  くるぼんさん
  小木敏弘さん  斧間徳子さん  金少桂さん  孔明さん  小山邦明さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  攻めダルマンさん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  のくせにさん  はせ次郎さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  変寝夢さん  Pontamonさん  まささん  桝彰介さん
  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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