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推理将棋第96回解答(2)

[2015年12月28日最終更新]
推理将棋第96回出題の96-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第96回出題  推理将棋第96回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


96-2 中級 チャンプ 作 美野樫9兄妹の一局(その10) 15手

健一「九美があんなに強くなってたとは驚きだな」
六実「八重ちゃんが一番相手になってあげたんだよね~」
八重「勝って当然ですわ」

隆二「兄貴、今日はやけに静観だな、やらないのかい?」
健一「ああ、なんか見てる方が面白くなってきてな」
隆二「らしくないこともあるもんだな」
健一「お前こそ、まだ物足らない感じなんじゃねぇのか?」
隆二「そうかもな、じゃ次は七海と二人で行かせてもらおうか」
七海「え・・・わたくしとですか?」
九美「おぉー?二人でするのぉー?」
隆二「引き立て役二人で敵を蹴散らしてやろうぜ」
七海「予期せぬ事態に動揺を隠せません・・・」

源三「なんや、珍しいペアで行きよったな」
六実「隆ちゃん頼りになるから大丈夫よ~」
四郎「ああ見えて七海も相当強いからね」

隆二「こっちの先手だな、さぁ行くぜ七海」
七海「は、はい・・・」

・・・対局開始・・・

四郎「あ、終わったみたいだよ」

隆二「角打ちまでの15手で仕上げてやったぜ」
隆二「俺と七海、二人で交互に指してやったよ」
隆二「成る手は無かったが、同じ地点に6回も着手があったな」
七海「・・・察するに10手目の△33玉が問題かと」

圭五「二人ともすげぇー!息の合ったパス回しに感動したぜー」
源三「ほぉ・・・やりよるなぁ・・・」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件) ※差替え+修正後

  • 角打ちまでの15手で詰んだ
  • 先手は2筋と7筋の手を交互に指した(初手は2筋か7筋のいずれか)
  • 成る手は無かった
  • 10手目は△33玉
  • 同一の地点に6回着手があった

出題のことば(担当 NAO)

 2筋と7筋。離れた二つの筋の有効手を推理しよう。

追加ヒント

 8手目は同銀。15手目は6回目の22地点着手。

修正の経緯
1) 手違いにより検討過程のものを誤って出題したため差替え。
 (差替え前)「先手後手ともに角打ちがあった」
 →(差替え後)「同一の地点に6回着手があった」
2) 差替え版に余詰めあるため
 →(修正後)「角打ちまでの(15手で詰んだ)」を追加


Suiri962 推理将棋96-2 解答  担当 NAO

六歩  △3四歩  ▲2二不成 飛
七角  △4二玉  ▲2二不成 銀
二飛  △3三玉  ▲2二不成△7二角
不成 △2四角  ▲2二角 まで15手

(条件)
・角打ちまでの15手(15手目▲22角まで)
・先手は2筋と7筋の手を交互に指した
(▲76歩~▲22角不成~▲77角~▲22角不成~▲72飛~▲22飛不成~▲72同飛不成~▲22角)
・成る手は無かった(▲22角不成~▲22角不成~▲22飛不成~▲72同飛不成)
・10手目は△33玉
・同一の地点に6回着手があった
(3手目以降▲22角不成 △22同飛~▲22角不成 △22同銀~▲22飛不成~▲22角)

本作、美野樫兄妹シリーズの第10問は隆二と七海の兄妹二人で戦います。シリーズ初の二人指しは、離れた筋を交互に指すので指し手が自然に限定されて手数が長い割には易しかったかと思います。

同一地点6回着手をヒントに、2筋と7筋を交互に指す手順を推理しましょう。

  1. 同一地点6回着手は22地点に決め打ち。先手角が後手陣に届く22地点が都合がよく他は考えにくい。
  2. 先手は2筋と7筋の着手を繰り返すだけ。15手詰の先手着手は8回なので、初手2筋(▲26歩)なら最終15手目は7筋。初手7筋(▲76歩)なら15手目は2筋。 22地点着手と噛み合うのは後者の角を使う手順である:初手から「▲76歩 △34歩 ▲22角不成」
  3. 以降、先手が2筋に指すのは7,11,15手目。先手は22地点に最大4回指すことができる。一方、後手が22に指す機会は、先手が22に着手した後の駒取り。後手は22地点に最大3回指すことができそうだが、15手目に先手の22角打ちの余地を残すため、後手は4か6手目と8手目の2回だけ22地点に着手する。よって、22地点への着手は先手4回と後手2回。
  4. 10手目33玉は角筋を制限(9手目の直後に22角と77角がいない)しているので、7手目22→8手目22→9手目7筋→10手目33玉→11手目22・・・と手が繋がることから、飛入手~9手目72飛~11手目22飛不成を連想できる。
    (3)(4)を手がかりに、4手目以降「△22同飛 ▲77角 △42玉 ▲22角不成 △22同銀 ▲72飛 △33玉 ▲22飛不成」
  5. 以下は収束。15手目22角打ちのため、先手は22飛を移動させながら再度角を入手する。後手は、持駒角2枚のうち1枚を72地点で先手に渡し、もう1枚を24地点への退路を塞ぐため、連続して角を打つ。
    12手目以降「△72角 ▲72同飛不成 △24角 ▲22角」まで。

前半の22地点での大駒の受け渡しと後半の飛の往復運動が印象に残る軽い捌きの中編作品でした。

本作、出題当初、検討過程のものを誤って出題したため差替えたところ、差替え版に余詰が生じる失態の連続で、お恥ずかしい限りです。

差替え前と差替え後(修正前)の余詰め手順は下記の通りです。

◇差替え前条件(余詰)

  • 15手で詰んだ
  • 先手は2筋と7筋の手を交互に指した(初手は2筋か7筋のいずれか)
  • 成る手は無かった
  • 先手後手ともに角打ちがあった
  • 10手目は△33玉

(差替え前の余詰1、ご指摘はNNNさん)
▲78飛  △34歩  ▲26歩(28銀) △77角不成 ▲同飛 △42玉
▲28銀(26歩) △14歩 ▲78銀(78金) △33玉 ▲24角 △同玉
▲75飛  △13角  ▲25飛まで
(差替え前の余詰2、ご指摘はPontamonさん)
▲76歩  △34歩  ▲22角不成  △同銀  ▲75歩 △42玉
▲26歩  △44歩  ▲76角  △33玉  ▲21角不成 △24角
▲74歩  △42金  ▲25桂まで
(差替え前の余詰3、作者の検討)
▲26歩  △34歩  ▲76歩  △42玉  ▲22角不成 △同銀
▲75歩  △14角(16,36) ▲25歩  △33玉  ▲76角  △25角
▲同飛  △44玉  ▲77角まで

◇差替え後条件(余詰)

  • 15手で詰んだ
  • 先手は2筋と7筋の手を交互に指した(初手は2筋か7筋のいずれか)
  • 成る手は無かった
  • 10手目は△33玉
  • 同一の地点に6回着手があった

(差替え後の余詰、ご指摘は、NNNさん、飯山さん、渡辺さん、ティエムガンバさん)
▲76歩  △34歩  ▲22角不成△同飛▲77角  △42玉
▲22角不成△同銀▲72飛  △33玉  ▲22飛不成△24角
▲72飛不成△44角▲22銀まで。12手目と14手目は手順前後可。

それではみなさんの短評をどうぞ。

チャンプ(作者) ※コメント欄より引用
「今回の問題については担当切り替えの直前で余詰め筋に気がついて修正したので、NAOさんに上手く伝わってなかったようです。ちゃんと1から問題文を送り直すべきでした。お手数をお掛けして申し訳ありません。とはいえ果たして修正前の条件下で余詰め筋に気が付く方がいるかどうか、実はそちらの方にも興味があったりするので、結果オーライかもしれません(笑)
また、遅くなりましたが渡辺さんより「美野樫」という苗字に何か意味があるのか?という質問に回答をさせて頂きます。といっても特に意味なんて無いんですが、作品化するにあたって9兄妹の下の名前だけでは何となく味気無いなと思い、ちょうど観ていたプロ野球で見逃し三振の場面があって、ゴロが面白いから「美野樫」にするか!みたいなノリで付けました。それとこの作品の大会は冷静に考えるとおかしな点がいくつかあります。一例として美野樫メンバーは複数人数で一つの将棋を指しています。大会なのにそれってどういうこと?そういった疑問に対してや、もし余詰めがあった場合は見逃して頂きたいなという思いも含まれています(笑)幸いなことに後者につきましては、DD++さんとNAOさんの検討力のおかげで今まで奇跡的に余詰めが無い状態が続いているのは有り難いことです。最後までこのまま行けるか?作者的には1つの目標でもあります。今後とも9兄妹をよろしくお願いします」

■"今まで奇跡的に余詰めが無い状態が続いて"いましたが、差替え後条件も余詰があり再修正となりました。粗検申し訳ありません。余詰めを"見逃し"てもらう訳にはいけませんが、今後の美野樫9兄妹の活躍をご期待願います。

DD++ 「え、双方角打ちだと余詰むんですかこれ。△77角▲同金から▲27角か▲72角と打って▲78金までで44玉を詰ませる、みたいな順は引き継ぎ前にけっこう検討したつもりだったんですが、アウトだったんでしょうか。何にせよ、完全作にしてからの引き継ぎとはできなかったようで、すみません」

■作者チャンプさんと前任のDD++さんのご両名で検討されたので、安全と思いこんでしまい、大変失礼しました。差替え前の"双方角打ち"だと、後手の角打ちに少なくとも3通り:13角打(~25飛)、24角打(~25桂)、14角打(~77角)の筋がありました。

NNN(双方解) 「同じ場所に6回着手だとかなり的が絞られますね。そういう意味では、修正前のパターンの方が中級らしく感じました」

■NNNさんには、差替え前後と修正後の3解いただきました。余詰めのご指摘いただき感謝いたします。差替え前の条件が本格推理らしかったんですけど、修正で解きやすくなりましたね。謎解きの味を残して「先手後手ともに"2回ずつ"角打ちがあった」の修正がよかったか(余詰め有無は未検討ですけど)

渡辺(双方解) 「(差替え後について)最初は7筋で止めと思っていましたが、そちらの方はきっちりと防いでいるのは流石です」

■差替え前は7筋で止めの余詰筋がありました。同一地点6回着手だけではわずかに縛りが足りません。

Pontamon(双方解) 「出題の言葉で閃いた詰み形だと、クリアできない条件があるか手数が足りずに駄目。条件が修正されていたので解けましたが、角打ち2回での余詰みは今のところわからず」

■後日、差替え前および修正前の余詰解もいただき、3つの解答をいただきました。ありがとうございます。

はなさかしろう(双方解) 「第一感は44玉を詰ます筋でしたが足らず、裏推理を援用しました。序3手は素直ですが、その後も大駒を打っては22に飛び込ませる面白い展開でした。修正条件は最初の出題条件にあった▲25飛までの余詰順も防いでおり、解答者の立場からはなかなか興味深かったのですが…楽しんでいると倍返しですね(汗)」

■はなさかさんにも差替え前、修正前の余詰解を合わせ3解をいただきました。こちらも2問連続の再々修正で参りました(汗汗×2)

飯山修(双方解) 「24、44を角で塞ぐ順を作意にしたほうがカッコいいと思いましたが」

斧間徳子(余詰解) 「72角~24角の角の連打が妙手順」

■角2枚で退路封鎖し22銀で詰む差替え後修正前の余詰順。確かにこちらの手順も面白い。

小木敏弘 「2筋の歩を使わないのがにくい。中段飛車に寄り道しました」

■77飛~75飛や26歩~25飛は元の余詰筋で現れました。修正後はその順が届かないので寄り道ですね。

諏訪冬葉 「11手まではすぐ浮かんだのに最後の4手が見えず苦戦。そうか、飛車も銀もないから22角が成立するのか」

■22には後手駒の利きが残っている感触があります。

波多野賢太郎 「「"同一地点へ6回の着手"」という条件が大きいので、比較的易しかったです。この場合、同一地点は2二しか考えられませんよね。"角打ち仕上げ"修正前は、2四と4四に角を打って2二銀仕上げの15手を答えにしようと思っていて、2二角仕上げの15手は修正があって初めて気づきました」

変寝夢「プラス条件、初手は7筋、6回着手の場所は22を追加して1045万局面13分でした。なぜ同一地点6回着手が最初伏せられていたのか全然分かりません。72飛~同飛までの5手が面白い」

■同一地点6回着手を明かしていまうと味消しですね。最初伏せられていたのは、より推理を楽しんでもらうため。それが仇となって6回未満着手の余詰めが出てしまったんです。

小山邦明 「先手の2筋の手を26歩とすると相手陣に辿り着くのに手が足らないように思い角打ちの繰り返し手順を考えたらうまくいきました」

金少桂 「繰り返し趣向の風味のある手順が楽しかったです」

孔明 「詰みに邪魔な銀を取る手が盲点になっていましたが、飛車を行き来していたら解けました」

山下誠 「7二飛からの飛車の往復運動が気付きにくい妙手順でした」

たくぼん 「22飛生からの順が見え難い順。プルーフゲームのような感覚」

占魚亭 「飛車のスイッチバックに思い至るまで少々時間が。この詰み形は盲点でした」

■9手目に72飛を打ち、22地点との間を一往復半する手順。最初の飛打と後手の72角打が発見しづらい手でした。

攻めダルマン 「15手は解く気があまりしなかったのですが面白い条件につられました。手順も最高ですね」

隅の老人B 「大駒の華々しい攻防戦。先手の手が限られていて、楽しく解ける」

S.Kimura 「飛車の打ち場所に悩みました」

加賀孝志 「上手い限定打、攻防が楽しめる」

■先手の77角~72飛~22角とそれに呼応した後手の72角~24角。5回の大駒打ちと飛の往復による攻防が楽しめました。


正解:22名
(双方解:
飯山修さん、NNNさん、はなさかしろうさん、Pontamonさん、渡辺さん)

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  小木敏弘さん  斧間徳子さん
  加賀孝志さん  金少桂さん  孔明さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  攻めダルマンさん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  テイエムガンバさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  変寝夢さん  Pontamonさん  山下誠さん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

最初の条件で「先手後手ともに2回ずつ角打ちがあった」追加したら一意解でしょうか?
少なくともあがっている余詰めはつぶれると思います

投稿: 諏訪冬葉 | 2015.12.29 00:02

一案です。ご指摘のとおり見えている余詰めは潰していると思います。
現段階で真面目には検討していませんので、一意解だとは言い切れません。

投稿: NAO | 2015.12.29 06:24

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