推理将棋第97回解答(2)
[2016年1月27日最終更新]
推理将棋第97回出題の97-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第97回出題 推理将棋第97回解答(1) (2) (3) (4)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
97-2 中級 Pontamon 作 豪勢な詰め 12手
「おっ、年賀状か。推理将棋も付けるんだ」
「新年は2016年だから、16地点の駒を動かす手がある12手だよ」
「前年の元旦には”駒打ちは1回だよ”って電話して来たけど、これは大丈夫?」
「"1"の条件をたくさん付けたから、多分、大丈夫だと思うよ」
「どんな条件?」
「まず、詰んだ玉は一人ぼっち」
「何それ?」
「玉の周りの8マスに駒が無いってことさ」
「あとは?」
「駒成りは1回で、歩の着手は1回だよ」
「一人ぼっちだとか1回きりだとか、何か寂しい感じだね」
「いや、詰み上がりを見てよ。豪勢な感じの詰みだろ」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 12手で詰んだ
- 16地点の駒を動かす手があった
- 詰んだ玉は一人ぼっち(玉の周り8マスに駒は無かった)
- 駒成りは1回
- 歩の着手は1回
出題のことば(担当 NAO)
一人ぼっちの玉が詰む形を推理しよう。
追加ヒント
16地点に打った駒は2回動く。都詰。
推理将棋97-2 解答 担当 NAO
▲7六歩 △3二飛 ▲3三角不成△同 飛
▲6八玉 △1六角 ▲7七玉 △2五角
▲6六玉 △4七角成 ▲5五玉 △3五飛
まで12手.
(条件)
・16地点の駒を動かす手(6手目△16角~8手目△25角)
・玉の周り8マスに駒は無かった(終図の55玉)
・駒成りは1回(10手目△47角成)
・歩の着手は1回(初手76歩)
年賀詰の二問目は、一人ぼっちの五段玉を捕らえる12手詰の作品。狙いは飛角の両王手で5五の玉を仕留める都詰です。16地点に打つ角の活用が"豪勢な詰み"を演出する鍵になります。
12手詰では先後とも着手は6手ずつ。
- 周り8マスに駒がない"一人ぼっち玉"とするため、先手は五段目への玉移動に4手を費やし残りの2手を協力手に費やす。
歩の着手は1回だけ。中段への玉経路を作るため▲76歩と角道を開ければ▲33角を捌いて後手に協力できる。玉は77を経由して移動するが76歩と離れた五段玉は5筋しかなく、玉の経路は68~77~66~55に決定。
- 後手は歩を突けないので2手目△32飛~33同飛と飛を活用。先手玉が角道を移動するため22角の効きは止めておく。
初手から「▲76歩 △32飛 ▲33角不成 △33同飛 ▲68玉」
- 先手55玉+後手22角-33飛の形は両王手△35飛の決め手が見えている。55玉の六段目の退路は46と56の2箇所あり、後手は入手した角を活用して塞げばよい。角はお題の16地点に打ち、25を経由して47に成る。
6手目から「△16角 ▲77玉 △25角 ▲66玉 △47角成」
- 47馬に退路を塞がれた玉は飛角の両王手で詰まされる。
10手目から「▲55玉 △35飛」まで。
一人ぼっち玉の詰形は、馬を含め大駒3枚による豪勢な都詰でした。
それではみなさんの短評をどうぞ。
Pontamon(作者) 「初期配置の歩の効きを生かして、玉の筋の7段目の馬に5段目の飛の形や玉の筋の3段目の桂に7段目の龍など2枚の攻め駒で詰む形があるのに、大駒3枚での豪勢な攻めと言うべきか効率が 悪い攻めと言うのが正しいのか…」
■飛角両王手の馬付き都詰とは豪勢で贅沢な詰み。手数が長ければいろいろな形があるでしょうが、11手なら7段目馬と5段目飛の組合わせに限られますね。
渡辺 「5段玉を飛の横利きで詰めるのが第一感で最初の3手は(成不成以外は)決定。4手目同角だと次に角を退かさないと先手玉が上がれないので16を指す暇がない。(以下68玉、24角、77玉、74角、66玉、57角(成)、55玉、35飛で16が指せない)同飛から最後35飛と出ることにすれば66は角が押さえているので47馬を作る順を考えれば良い。ところで『16に着手した』だと余詰でしょうか?」
■△33同角~△24角とすれば先手の77~66の玉移動が可能です。
『16に着手した』ならば「▲76歩 △32飛 ▲33角不成 △同角 ▲68玉 △24角 ▲77玉 △16角 ▲66玉 △57角成 ▲55玉 △35飛」の詰みあり。この手順でも16角は全くの無駄手になります。
はなさかしろう 「大駒をふんだんに使って、まさしく豪勢な都詰め。辺地に打つ16角のやりくりが面白いです。渡辺さんのコメントにあった、盤の隅・辺を利用した別解も探してみましたが見つからず。ぼっち条件、応用がききそうです」
■条件変えれば15か95地点の"ぼっち玉"を詰ます手順もいろいろありそうです。面白い作品ができたら是非ご投稿をお願いします。
小木敏弘 「歩が一手は大きなヒント」
DD++ 「36龍をおいて合い効かずかと思ったら、両王手の方でしたか。確かにこの条件だと73桂は跳ねづらい」
■後手は34歩も74歩も指せませんね。
NNN 「ヒント後に解き始めましたが、ヒントなしだと2筋の方で詰め上がりが浮かぶのでしょうか」
■25玉形が詰むのは至難の業。後手の攻め手が6手では全然足りません。
加賀孝志 「独りぼっちにさせないで」
諏訪冬葉 「周りに駒がないと聞いて両王手が浮かびました」
波多野賢太郎 「一人ぼっちの玉なら5五で両王手による詰上がりだろうと推測できたので、比較的すんなり解けました。豪勢な感じというのも思わず納得でした」
■周囲が8箇所も空いていると"豪勢な"大駒3枚の合わせ技が要ります。
飯山修 「今月の中で一番手を出しやすい作品」
隅の老人B 「王の周りに駒が無い?『ハハ-ン』、これは5段目だな。これで解決」
攻めダルマン 「ヒント出るまではまったく手がつかなかった。ギブアップしようと思ったが条件がシンプルで何度も考えてしまった。傑作」
■都詰とわかってしまえば読みやすい。55玉の退路をどう塞ごうか?考えるだけでした。
小山邦明 「角打を年賀詰として16にうまく条件設定できていると思いました」
金少桂 「都玉を飛角のバッテリーを開いて詰ますのが直感ではあるけど、16の駒をどう役立てるのかが難しかった。年賀たらしめる一番大事な部分が半遊び手とはまさかだった(笑)」
S.Kimura 「16地点の駒は飛車だと思い込んで,飛車2枚で仕留めようとしていました。47角成とするために16に角を打つという発想はしづらいですね」
山下誠 「先手玉は3三飛の陰で一直線に天王山を目指す。2五角の1回休みが気付きにくい妙手です」
斧間徳子 「歩の着手が1回で一人ぼっちで詰むことから、詰み形はすぐ見えるが、16~25~47角成の悠長な手順に妙味あり」
孔明 「1六から動かす手を▽2七角成だと想定してて少し悩みました。一度2五に戻してから成った方が早いというのが面白いです」
たくぼん 「47馬を設置するのに16から連れて来るとはいいアイデア。16という言葉なしで実現できれば難解だったでしょう」
■わざわざ2手掛けて47に成るところが年賀条件の16への角打とぴったり合致しました。25に引く手がいい味です。
正解:21名
飯山修さん S.Kimuraさん NNNさん 小木敏弘さん 斧間徳子さん
加賀孝志さん 金少桂さん 孔明さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 攻めダルマンさん たくぼんさん DD++さん テイエムガンバさん
波多野賢太郎さん はなさかしろうさん Pontamonさん 山下誠さん
RINTAROさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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