推理将棋第98回解答(1)
[2016年2月29日最終更新]
推理将棋第98回出題の98-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第98回出題 推理将棋第98回解答(1) (2) (3) (4)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第98回解説 担当 NAO
年賀詰特集の後半4題。
元旦出題の担当作が余詰んでしまい失礼いたしました。年始の厄落としということでご容赦ください。
98-1 初級 NAO 作 1筋の香 11手
「さっきの勝負どうだった?正月らしく7手目に駒が成ったそうだけど」
「11手目に1筋に香の手を指して詰ませて勝ったよ」
「おめでとう。2016年の指し初めにふさわしい一局だね」さて、どんな将棋だったのだろうか?
そして2016年、貴方の勝負手は?(条件)
- 11手目に1筋の香の手で詰んだ
- 7手目に駒が成った
出題のことば(担当 NAO)
1筋の香とは何段目の香か、推理しよう。
追加ヒント
7手目に取った香は最終手で16に打つ。
修正
『成る手があった』→『7手目に駒が成った』に修正
推理将棋98-1 解答 ▲7六歩 △4二玉 ▲3三角不成 △3二玉 (条件) |
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今年の年賀詰に関連する数字は11、16、28の三つ。止めが16の11手詰が最も作りやすそうでしたが、16角打の筋がありふれているためか、出題は長編の投稿作がメインとなりました。本作品は、角以外のトドメ16香がテーマの11手詰。着手地点を1筋と限定して出題。
1筋の香で詰むには、玉は1筋方面に移動するしかありません。玉移動に要するのは2筋まで3手、1筋までなら4手。先手は香取りに角を捌いていきますが、後手が角道を開ける協力手△34歩があるか否かが推理の分岐点です。
A) △34歩のある場合、先手は▲76歩~▲22角~▲11角と5手目には香を取ることができるが・・・
- 初手から「▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △42玉」
以下「▲11角不成 △32玉」と進めると、22や33地点の王手が強すぎて7手目角成とする適当な場所がない。また、「▲XXXX △32玉 ▲11角成」と一旦角成を保留して11に成ったとしても、後の1筋の香で詰ます手段がなく失敗。
B) △34歩のない場合、先手は▲76歩~▲33角~▲22角~▲11角成と7手目に香を取って成ることができる。
- 後手玉の動きと合わせると初手から「▲76歩 △42玉 ▲33角不成 △32玉 ▲22角不成」と進める。
- 後手は△24歩と扉を開いて23から中段の14に玉が移動する。△14玉を▲16香で仕留めるため先手は23と25の退路を塞ぐが、9手目▲34角がぴったり。6手目から「△24歩 ▲11角成 △23玉 ▲34角 △14玉 ▲16香」まで。これが正解。
- 修正前条件「成る手があった」の余詰手順
▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △42玉 ▲11角不成 △32玉
▲12香 △33桂 ▲同角成 △21玉 ▲11香成 まで
7手目12に香を打って11香成で21玉を詰ます手順。角成は3手目か5手目に指して後は馬を動かしても詰む。
それでは皆さんの短評をどうぞ。
小木敏弘 「はじめに余詰の手順を見つけ、出来たと思っていたら手順前後が可能と気が付き、本手順が別にあると思って解きました」
DD++ 「なるほど、まさか最初に飛び込んだ角が詰みに全く関係ないとは盲点。初級にしては時間がかかりました。」
■11手詰が少なく、意外にも16香で詰ます既往の作品例もなかったので出題しました。年賀らしく"派手に成った"のが余詰の原因です。小木さんとDD++さんのご両名から余詰のご指摘をいただきました。
Pontamon 「11手目が香打ちでなく香成でも良いと気付いて解けた順は余詰順。うまい事に3,5,9手目の角成は可能だけど7手目だけ成立しない。解けてから出題の言葉の意味が判りました。11手の香打ちで詰むなら、玉との位置関係はこれしか無いですね」
NNN 「1筋だと空き王手はない(のかな?)ので、素直に玉を端に近づけられました。考えたことのある手順だったので、その分すんなりと解けました」
はなさかしろう 「年賀の条件は「不成」より「成」ですね。シンプルで美しく、7手目の限定が絶妙。結構難しく、解いて楽しい問題でした」
■Pontamonさん、NNNさん、はなさかしろうさんは作意と余詰の双方解。2局分楽しんでいただきました。
S.Kimura 「玉を1筋に動かす割には,手数が短かったので簡単に解けたのですが,7手目以外に駒が成る手順はわかりませんでした」
RINTARO 「余詰は残念。余詰手順は未だに分からない」
波多野賢太郎 「第一感は3四歩を突くのかなと思いましたが、意外とうまくいかないんですね。1尽くしな上に1六で締めて年賀にぴったりと思いました。余詰は1一香成までの11手でしょうか」
■第一感2手目34歩の筋が11手目11香成までの余詰筋。
小山邦明 「『成る手はなかった』という条件でも大丈夫でしょうか?」
■出題前に余詰に気がついていれば、シンプルに『成る手はなかった』で出題していました。出題後は、修正といえどもなるべく作意変更したくありませんので。
変寝夢 「PCに考えさせている間に34角を発見。ほどなくPCも8分半で解答。追加条件は初手76歩、11手の間に1筋から4筋の指し手が9回以上、4手目着手した直後後手玉が3筋にいる、で900万局面でした」
桝彰介 「九手詰めの5四香までの合い利かずの形を思わせる角と香の連携」
諏訪冬葉 「香車で詰めるときには尻角(銀)が多いので34角は珍しく思いました」
占魚亭 「34角に気付けば簡単ですね」
攻めダルマン 「34角好手ですね」
孔明 「始めは2四歩・1四玉型の詰み形がわからず、玉の移動ルートを3三だと想定していたんですが、それだと角のラインに入るので筋をズラすのに先手の手が足りなくて困りました。▲3四角というごく単純な手が読み抜けてました」
■34角は短編でもあまり見かけない退路封鎖の手筋。
隅の老人B 「『7手目に駒が成った』ハハン、それまでは不成だな」
たくぼん 「少ない条件で2016年を祝う縁起の良い1作ですね」
まさ 「玉を移動するしかないので方針が立てやすい。年賀向けトップバッターにちょうどいいですね」
渡辺 「手なりで解けて良い感じですが、初級にしては難しい方?」
■難度は初級と中級の中間ぐらい。客寄せには貢献できました。
斧間徳子 「香を早く取りたいからと、2手目34歩と急ぐと失敗する。解けてから
2016年の16に引っかけていることがわかるのはあぶり出しのよう」
■年賀詰なので、16は見え見えでも良しとしました。余詰筋も11ですけどね。
飯山修 「1筋の香とあるから11の香では詰まないのかと思ったら素直な問題でした。91香をとるほうは全然考えませんでしたが多分足りないんでしょうね」
■91香を取るには後手方の協力が要るので間に合いません。11手目に9筋の香の手で詰む筋はあります。
山下誠 「1筋の香が6段目とはなかなか気づきませんでした」
加賀孝志 「詰め上がりが想像出来なかった」
■14玉を16香で詰ます手順は意表でしたか。楽しんでもらえて何よりです。
正解:23名
双方解:NNNさん、小木敏弘さん、DD++さん、はなさかしろうさん、Pontamonさん
飯山修さん S.Kimuraさん NNNさん 斧間徳子さん 加賀孝志さん
孔明さん 小木敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん
攻めダルマンさん 占魚亭さん たくぼんさん DD++さん 波多野賢太郎さん
はなさかしろうさん 変寝夢さん Pontamonさん まささん 桝彰介さん
山下誠さん RINTAROさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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